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月光改と空中給油機
変形ロボットアニメではないが?
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そう言えば、北へ向かった月光改はどうしているのか? 現在は満州国のほぼ半分を飛行していた。 無線で、7両の戦車で20両のソ連軍を相手に奮戦している、らしい。 間に合うか! 間に合わなければ、応援はムダだ。 自然とスロットルに力が入るのだ。 気がつけばフル スロットルだ。 え、え、い、ままよ! 帰れなければ満州の平原に不時着すればよい。 そう隊長機は考えたのだ。 「3番機、無理にとはいわんが。」 「なにをいまさら、帰ることなんか戦車殲滅のあとでいいですよ。」 「そうか、じゃあ、遠慮はせんぞ。」 「いいですよ、なんなら緊急ブーストでいきますか?」 「3番機が、そうなら遠慮はしない。」 「では、いきますか・」 月光改2機はプロペラのピッチを推力ゼロに切り替えて、推力バドルを全開にした。 つまり、ターボ プロップを速度優先のラム ジェットエンジンに切り替えた。 ドウウウウウウウーーーーーーンンンと双発エンジンが吼える。 速度計が音速を超える。 エンジンの音は聞えなくなる。 なんせ、エンジン音速より操縦席の速度が速いからだ。 現在、マッハ1,9だ。 燃料計が見る間に減る。 しかし、機体はなんともない。 トヨス製T34装甲の機体が音速の壁を屁とも思わずに耐え抜く。 さすがだ。 太陽炉を使ったセラミック技術は日本の独断場だ。 諸外国が絶対にマネできない、越えられない壁なのだ。 軽量で、チタン合金より熱に強く、粘りがあり、強いのだ。 これは、軍事機密であるが、大砲の筒をセラミックで造り、超伝導のレール砲を試作しているらしい。 このまま、いくとドコにたどり着くのだ。 末 恐ろしい日本の軍事技術だ。 ・・・・ そのころ、ソ連戦車20両に対して7両の満州軍は円陣を組んでソ連戦車に対抗していた。 まるで、インディアンの集団に囲まれている幌馬車隊のようだ。 満州軍のトヨス旧型マークⅡはソ連戦車の砲撃に耐えていた。 後のラジエーターを攻撃されればヤラれるから円陣を組んで対抗しているのだ。 しかし、相手の砲撃に耐えることは辛いのだ。 人生が暗くなるのだ。 多勢に無勢なのだ。 このままでは・・・・・こちらは月光改だ。 「そろそろ、エンジンをプロペラモードに変換する。」 噴射バトルは閉じられてプロペラピッチが変化してプロペラがクラッチが繋がり廻り出した。 対戦車戦闘機に変形だ。 まさに、変形ロボットアニメの様である。 胴体の腹が開いて40ミリ機関砲が2門顔を出した。 オニが金棒を持ったようなものだ。 後部座席の機関砲手がガシャリと弾を弾倉から砲身に込める。 イワンの野郎どもに食らわせてやるのだ。 ソ連はまだ、日本軍と交戦したことは無い。 まあ、すぐにわかるのだ。 待っていろ、そして北満州警備隊、なんとか持ちこたえてくれ。 月光改は果てなく続く満州平原を高度を下げつつ飛行する。 「こちら、日本海軍航空隊だ、北満警備隊へ、ビーコンの発信を。」 「こちら、北満警備隊、隊長だ、囲まれて攻撃のマトだ、救援求む、ビーコン了解した。」 トヨス戦車マークⅡ型から無線機がワイドバンドになり、米国やユダヤ、日本の軍と交信できるようになった。 言語はその場、その場で英語や広東語、日本語などが交わる。 まだ、国際的言語が統一されていないからだ。 今回は広東語だ。 満州で広く使われている。 日本機の操縦者はカンタンな英語や広東語、はては北京語まで学んでヒヤリングテストも受けているからOKなのだ。 日本海に展開する以上、シナの言葉がわからないと作戦にプラスにはならないからだ。 ビーコン電波が隊長戦車から発信された。 それを目指して月光改は時速780キロで目標を目指した。 「おい、噴煙が見えるぞ。」 3番機から連絡だ。 眼をこらして良く見ると、確かに砲撃の爆発の噴煙だ。 まだ、戦っているということは、間に合ったのだ。 まだ、北満警備隊が戦っているのだ。 よくぞ、持ちこたえた。 2機の月光改は戦車が戦っている現場に飛び込んだ。 対戦車戦闘機の実力をソ連軍に見せてやるときがきたのだ。 「オレは左から撃ち込む、3番機は右側からだ。」 「3番右側、了解。」 2機の月光改はそれぞれの目標を定めて急降下へうつる。 下界では、あわてて機銃を空に向けるソ連兵がいるが、数人のソ連兵は戦車を捨てて逃げ出した。 双発エンジンがリズムよく唸る、地面が見る見る大きくなる。 豆粒だった戦車の背中が迫ってきた。 後部座席の機銃手が引き金に指をかける。 さあ・・・・・・・
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