大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

文字の大きさ
313 / 380
ユンケーヌVSファルコン

新型VS完成型

しおりを挟む
 米空母からファルコンが飛び立つ。 ジェット機ではない、反転プロペラのV型12気筒3連ターボのホンヤ製エンジンだ。 ホンヤといっても米国ホンヤのエンジンだ。 日本製ではない。 日本海軍正規空母からは、月光改対戦車型が飛び立つ。 ユンケーヌⅡ型戦闘機は米国空母が、そしてギガント輸送機は日本空母が対応となった。 これには、わけがあった。 米国は自国なりにファルコンを米国のお国柄に合わせてきたのだ。 生産も米国で、完全にできるまでになったいた。 もちろん、米国ホンヤ、米国トヨスの力が大きいが。 いまでは、完全に米国の企業として、国民に馴染んでいたのだ。 残念ながらジェットエンジンは日本の独断場である。 超伝導カタパルトと同じである。 日本のブラックBOXであるのだ。 それで、普通の電導カタパルトからファルコンが飛び立つ。 3000発の弾は重いのだ。 20ミリバルカンはプロペラ軸からで、スピナーに穴が開いている。 ユンケーヌⅡ型も同様である。 まあ、命中率を上げようとすれば、どちらの機銃も似てくるのである。 それに、ファルコンは4枚ペラの反転である。 ユンケーヌは串型双発の前後に4枚ペラだ。 ファルコンはエンジン内部で、半分に反転して駆動しているが、ユンケーヌは内部では、無理であるようだ。 しかし、エンジン馬力はトントンである。 運動性も翼の面積や形状が同様であった。 まさか、独逸帝国がパクリとは思えないが。 まさか、シナや半島に成り下がってしまったのか。 独逸マイスターの気骨はどうしたんだ。 よく似ている両機ではある。 違いは銃弾が30ミリか20ミリの違いと、歴史ぐらいだ。 月光偵察機がファルコンを誘導する。 決戦は英国のドーバー側である。 ロンドン上空では都市に被害が、それに市民の避難も途中であるからだ。 月光改対戦車型は10機が、空母から飛び立った。 え、10機、10機しかないのか。 「そうだ、10機しか、まだ完成していない。」 「どうしてだ。」 英国司令部の士官が聞いた。 「飛行機用のトヨス装甲は大量生産は無理だ、それに無い袖は振れない。」 つまり、日本の最大の弱点である、お金だ。 国民の税金は比率が法律で決まっている。 それでも、なんとか10機だ。 1機の月光改が10機のギガントを相手すれば、計算はプラマイゼロだ。 英国士官は、知らない。 10機の月光改の搭乗員は月光改をすり潰すほどの訓練を、何機もの訓練機をすり潰しているのだ。 日本は両より質を選んだのである。 大量破壊は人類の文化にマイナスしか与えないのだ。 ・・・・・・ そろそろ、ユンケーヌとファルコンが互いの視界に入るころだ。 紛争で、これほどの空中戦は人類初である。 なんせ、100機VS100機だ。 それも、互いの性能はトントンと見ていいだろう。 まだ、ユンケーヌは海のものとも山とも、わからないからだ。 互いの高度は同じくらいだ。 高度が高いほうが有利である。 それで、互いに高度を上げていた。 それで、高度8000から9000メートルでの空中戦になったのである。 互いに戦えあえば、高度が落ちる。 どうしても、互いに背後を取ろうとすると、高度が落ちるのである。 ユンケーヌⅡ型の先頭が3機、さきがけとなるべく、編隊から離れた。  こちらの、ファルコンも3機が相手の動きを読むべく編隊から離れた。  高々度性能、速度、旋回性能など、パット見、同じくらいだ。 いままでの、独逸帝国の戦闘機とは次元が違う。 串型エンジン配列は、成功したようである。 しかし、我がファルコンも反転プロペラである。 推力は同じくらいだ。 加速、旋回性能がトントンなら、あとは操縦者の技量で違いがでる。  英国は英国人が守る、先頭のファルコンを操縦する王室飛行隊の隊長である、ウエールズ少尉はスロットをいっぱいにする。 イヤフォンから、「おい、ウエールズ、あせるなよ。」と基地司令。 「英国の土は、ヤツラには踏ませない。」 基地司令のビルトン少将にマイクで答えた。 互いに気合十分である。 
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

札束艦隊

蒼 飛雲
歴史・時代
 生まれついての勝負師。  あるいは、根っからのギャンブラー。  札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。  時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。  そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。  亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。  戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。  マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。  マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。  高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。  科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

改造空母機動艦隊

蒼 飛雲
歴史・時代
 兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。  そして、昭和一六年一二月。  日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。  「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

天竜川で逢いましょう 〜日本史教師が石田三成とか無理なので平和な世界を目指します〜

岩 大志
歴史・時代
ごくありふれた高校教師津久見裕太は、ひょんなことから頭を打ち、気を失う。 けたたましい轟音に気付き目を覚ますと多数の軍旗。 髭もじゃの男に「いよいよですな。」と、言われ混乱する津久見。 戦国時代の大きな分かれ道のド真ん中に転生した津久見はどうするのか!!??? そもそも現代人が生首とか無理なので、平和な世の中を目指そうと思います。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

織田信長 -尾州払暁-

藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。 守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。 織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。 そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。 毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。 スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2022.04.04) ※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。 ※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

処理中です...