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ロンメロVSハンナ
勝てない相手だ。
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ベンツのリムジンが総帥府へ入る。 玄関で、ロンメロ将軍が出迎えた。 そのまま、小会議室へ。 なんと、ハンナはフローラやシュミットもロンメロとの同席を望んだのだ。 ロンメロは、ロンメロ夫人として勝手に動いているフローラにひと言・・・まあ、止めた。 会談が、始まった。 ハンナが、「独逸帝国のロンメロ将軍の、ご招待ありがとうございます。」 と社交辞令だ。 「イヤイヤ、なにをおっしゃる、こんなに早く再会できるとは。」 ハンナはしれっと「え、え、まあ、私の専用ジェット機がありますので。」大きく出たハンナだ。(思わずクシャミの山田総理だ。) ロンメロは、まだプライベートジェットを見ていない。 それで、シュミツトが、それを説明した。 「ぜひ、私も乗りたいですわ。」 とフローラだ。 「まあ、是非にも日本へいらしてください。」とハンナだ。 「なんなら、今日にでも。」 話が早いフローラだ。 とても、今はそんな暇なぞない、独逸帝国なのだ。 まあ、社交辞令は、ほどほどに話がはじまった。 ロンメロが、「私は日本国と和解したいのだが。」 ハンナは、「日本国としても、否ではありません。」 「では・・・」 「条件があります。」 「それは、どのような?」 「独逸帝国は普通選挙で、総帥を選出しているとか。」 「そうです。」 「では、どうして、共産党独裁のソ連や軍閥独裁のシナと軍事同盟を?」 とハンナだ。 いきなり確信に迫るハンナだ。 ロンメロも言葉に詰まる。 独逸帝国は、第1次大戦で、天文学的賠償を戦勝国に押し付けられて、インフレで経済がガタガタになってしまった。 レンガのような紙幣の束で、パンを買わねばならなくなったのだ。 国民は生きる希望を失くし、独逸帝国は風前の灯火であった。 それを、ゲッペルン総帥が立て直したのだ。 強権を振るい、戦勝国の無理難題を撥ね退けてだ。 ハンナはソ連やシナと手を切ることが、条件と・・・・独逸帝国は、どうしますか。 と詰め寄るハンナだ。 ハンナは、ソ連や特にシナが民主主義にならないと、普通選挙なぞ無理と思っていた。 それで、独逸帝国と、ソ連やシナの離反を画策したのである。 日本も、敵は少ないほうがいいのである。 絶対に言えないことだが、山田総理は、最終的にシナが軍閥独裁のまま残ると踏んでいた。 福澤先生は、シナや半島には関わるなと、日本の生き残る道を示してくれていたのだ。・・・ところで、ロンメロがハンナに、「貴殿は、何者なので、失礼を承知でお聞きしたいが。」 とうとう、きた! どう答えるのかハンナは? 「え、え、ここだけの話なら。」 「承知しました。」 「日本国の山田総理の妻です。」なんと、日本国の総理の妻! 「あら、私と同じですわ。」とフローラだ。 「これは、答礼に私が日本国へ行かねば。」 もう、フローラはSTOLジェット機に夢中だ。 確かに、ロンメロは外遊などの暇は無い。 まあ、フローラはロンメロの使者としてなら使えそうだ。 ロンメロは親書をしたためてフローラに渡すこととした。 ロンメロはソ連のキール軍港爆撃の報復攻撃が、今のままでは不可能に近い。 独逸海軍は軍艦など、ほとんどの艦艇がギガントの攻撃で、再起不能に近い打撃を受けたのだ。 多くの海軍将兵まで犠牲になったのである。 逃げ延びたシュリーマン逮捕と、この攻撃に対して報復することが、ロンメロにとり最優先課題なのである。 ロンメロは内心で、日本海軍の空母で、陸軍部隊を運べないかと考えていたのだ。 無双の陸軍V型戦車を200両も運べれば、独逸帝国の勝利は間違いないのだ。 ハンナにローランドへの独逸帝国戦車隊通過を匂わせてみたが、とても出来ないとのハンナの答えだった。 いくらローランドが日本と同盟国と言っても、独逸帝国陸軍の国内通過は認めないであろう。 現実的には、ローランドに派遣されている日本軍正規空母の飛行甲板に200両のV型戦車を搭載することしか、ソ連への報復攻撃とシュリーマン逮捕は不可能に近いのだ。 ロンメロは、フローラに持たせた親書の返事を待つことにしたのである。
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