満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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くそっ、馬賊め!

侮れない馬賊

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 銃撃戦となり、馬賊とガンマンと身を隠しながらの攻防となる。 第一次大戦の塹壕戦と同じだ。 弾が、どちらかが無くなると勝敗が決まる。 ガンマン達は、馬賊の持ち弾の数を計りかねていた。 かりにも、列車を襲うのだ。 それも、金持ちが乗る特別急行だ。 ガンマンの警備も予想されているのだ。 馬賊も、十分に用意してきた。 なんせ、マシンガン(弾切れだが。)まで用意してきたのだ。 馬賊は、容赦なく撃ってきた。 探偵社のリチャードは、馬賊が用意周到と感じた。 おそらく、弾数では、馬賊が多い。 それでは、ことらが負けだ。 西部で鳴らしたガンマンの名がすたる。 それに、命は惜しい。 しかし、ここで突撃でもしないと、弾切れで負けてしまう。 「おい、突撃をかますぞ。」 「残りの弾で、弾幕を張ってくれ。」 「いいのか、やられるぞ。」 「ここで、ヤラないと負けだ。」 「しかし・・・」 「オレは探偵社の信用を背負ってるんだ。」 「しかし・・・」 「突破口を開かないと。」 「わかった、骨は拾ってやる。」 「あ、あ。」 鉄カブトをかぶり直して、物陰から飛び出した。 同時に、仲間のガンマンが援護射撃を始めた。 走る、走る、走る、しかし、馬賊のところまでは永遠ではないかと思われるほど遠い。 足がもつれる、「いかん、やられるぞ。」 背後で、仲間のガンマンが叫ぶ。 あわてて、線路の間に身を潜めた。 「ズキューン、ズキューン。」 と線路のレールに馬賊の弾丸が当る。 これでは、動けない。 くそっ、これまでか。 西部でブイブイ鳴らしていたころが懐かしい。 どれだけの悪党を倒してきたか、忘れたが、相手はこんな気持ちだったのか。 と、弱気に・・・・  もう、弾を撃ちつくしたのか味方からの援護射撃は無い。 銃のレンコンから残りの弾数を見る。 あと3発で、オレも終わりだ。 「ドキューン、ドキューン。」 まだ、馬賊は撃ってきやがる。 どんだけ弾を持ってるんだ。 あと、3発か。 少し鉄カブト越しに馬賊の様子をさぐる。 「ぐわあああああんん。」 と鉄カブトに衝撃だ。 鉄カブトが無ければ、すでに死んでいるはずだ。 しかし、このままではヤラれる。 どうする。 馬賊の頭らしきヤツが、下手な英語で、「手を上げて出て来い、命までは助けてやる。」 とほざいた。 なにが、助けてやるだ、その気なんか無いくせに。 所詮、馬賊だ、信用なぞカケラも無いのだ。 馬賊連中は、こちらが弾切れかと、銃を構えて、ひとりが出てきた。 と、「ドキューーン。」 と客車の上の隠れていたガンマンが撃った。 馬賊の下っぱは、もんどりうって倒れる。 と、今度は馬賊から、連続射撃だ。 もう、頭を隠して、隠れるリチャードだ。 まだ、少しはガンマンも弾を持っていたようだ。 切り札はとっておくものだ。 リチャードも3発は命のやり取りにとってあるのだ。 だが、馬賊はこれで、3人が倒れた。 残りは12人だ。 (数があわないかもしれませんが、御勘弁。) こちらは、7人だ。 まだ、敵は多い。
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