満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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討伐隊の意義。

やはり、現実経験は大切だ。

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 訓練は、現実を想定してヤルものだ。 しかし、現実は、なかなか思いどうりにはいかない。 なにが起こるか、わからんのが戦場だ。 米国が各国の紛争に介入するのは、政治的意味もあるが、軍隊の質を維持する意味もあるのだ。 おそらく、戦車どうしの戦いでは、イスラエルが世界で無双だろう。 なぜなら、アラブ諸国を相手に、戦車戦をくりかえしているからだ。 そして、米国から盗んだシャーマンを最初は使っていたが。 改良に改良を重ねて、戦車開発のノウハウを得、メルカバという、実戦に目一杯強い戦車を生み出したのだ。 全面戦争ではない、地域紛争が、現代の戦争となった。 米国もベトナムの教訓は忘れないだろう。 あの戦争は、南ベトナムの腐敗で米国が敗れたのだ。 米国の、最大の政治的判断ミスはシナの共産化を許したことだ。 今の、チャイナを生み出してしまったからだ。 地球より、自らの利益が大切な国民性だ。 世界の迷惑、シナである。 余計な話だった。  「やはり、実戦経験者は空戦に強いな。」 それが、海軍の感想だった。 「ぜひ、われらの搭乗員(海軍の操縦士の呼び方)も、討伐隊に参加を。」 「しかし、討伐隊は朝鮮馬賊の討伐が主だぞ。」 「しかし、ある意味には実戦であろう。」 「まあ、はっきり言うと、馬賊との殺し合いだな。」 「それが、実戦だ。」 「訓練では、そこまで経験できない。」 「海軍の搭乗員枠を作って欲しい。」 と赤城艦長が頭を下げる。 陸軍幹部も否とは言えない。 「まあ、半年ごとに交代で、5人くらいなら。」 と言ってしまったのだ。 討伐隊は15人の空中勤務員がいる。 それが、20人だ。 「ところで、96式艦戦で参加を?」 「いや、現在96式艦戦を97式艦戦に改良している。」 なんと、海軍は倉田飛曹の愛機から改良点を参考にしたらしい。  「それが、完成したらお願いするつもりだ。」 との海軍幹部からの要望だった。 はやい話が、97式に着艦フックを附けた機体のことだ。 まあ、3日で完成である。 海軍は96式改と名付けた。 紫電改みたいで、かっこいいヤ。 日本本土のナカジマ飛行機では、海軍用の96式艦戦生産ラインを、97式改生産に変更までしたらしい。 海軍と陸軍は縄張り争いからか、仲が悪い。 しかし、討伐隊で、海軍と陸軍の交流が始まった。 少しは、仲が悪い体質が変化したようだ。 朝鮮馬賊は、懲りないのだ。 献女を求めて、満州娘の誘拐をヤメないのだ。 それに、対抗する討伐隊だが、本音は日本軍の戦力向上であるのだ。 実際、討伐隊経験者は一皮むけているのだ。 そう、武人の顔なのだ。 海軍は、討伐隊の海軍枠を増やしてほしいらしいが、半々にしろとは言えないが・・・・・ 
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