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アキレス腱のエンジン。
どうしても、欧州には負けるエンジン。
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日本軍の、いや日本の最大の弱点はエンジンである。 かの、零戦もエンジンで泣いたのだ。 米軍機並みの防弾ができなかった。 米軍機は馬力が日本機の倍はあるのだ。 それで、十分な防弾が機体に備えられるのだ。 日本機は半分の馬力で、互角に戦わねばならない。 それで、防弾がおろそかになったのである。 零戦は1000馬力そこそこのエンジンで・・・ それが、2000馬力なら日本軍は負けなかったのだ。 ヒロシマも無かったのだ。 ホワイトハウスに旭日旗がはためくのも夢ではなかったのだ。 まあ、そこまでは、もしものイフなのであるが・・ 「ガソリンでは、欧米に苦杯をなめているが、デーゼルでは、互角だ。」と、吠える技師がいた。 満州国へ出張で、戦車エンジンを開発している、笹野主任である。 いちおう、主任だ。 つまり、部下が複数人はいるのである。 デーゼルエンジンは小型のエンジンが難しい。 しかし、戦車のエンジンだ。 2000ccなんて、小さな話だ。 その5倍から10倍のエンジンである。 デーゼルエンジンは高回転が無理というか、せいぜい2000から2600くらいの(1分間)回転数である。 しかし、力はある。 つまり、トルクが強いのだ。 つまり、戦車には向いてるのだ。 それで、ソ連軍もデーゼルエンジンを採用していたのだ。 「ソ連軍のエンジンと、我らがエンジンは互角だな。」と結論を出した笹野技師である。 日本の戦車用デーゼルは統制エンジンである。 つまり、部品を共通にしてるのだ。 ピストンやクランクなどの部品である。 そして、気筒を増やすことで馬力を増やすのだ。 それに、日本は資源が乏しい。 それで、ガソリンは飛行機用、軽油は戦車やトラック用、重油はフネと、分けていたのである。 言い忘れたが、日本の戦車エンジンは空冷である。 空冷はエンジンが軽く作れるし、部品も少ない。 構造がカンタンである。 現場でエンジンの修理もカンタンなのだ。 それに、水冷より、外観が小さいのだ。 ただし、欠点は五月蠅いことである。 ガラガラガラガラ、とマフラーが付いてるのだが、五月蠅い。 飛行機のエンジンはマフラーが無い。 それで、爆音なのである。 マフラーを付ければ、馬力は落ちる。 しかし、マフラーが無いと、とても乗ってられないほど五月蠅いのだ。 乗用車など、2段にマフラーがあるほどである。 乗用車は静かでないと・・ それに、水冷は温度管理がやりやすいが、空冷はオーバーヒートが・・・ しかし、満州は寒冷地が多い。 空冷向きである。 さて、エンジンの始動である。 戦車の後部にクランクが金具で止めてある。 それを外して、クランク穴に差し込む。 まずは、エンジンを廻してオイルをエンジンへ巡らせる。 ひとりでは、大変だ。 二人で、うまく呼吸を合わせて廻すのだ。 エンジンには、弾み車がついている。 それを、勢いよく廻すのだ。 そして、ヒーターに電気を通す。 つまり、エンジンのピストン内を温めるのだ。 頃合いをみて、始動にスィツチを切り替える。 すると、「ガラガラガラガラ。」と白煙を出しながら、デーゼルエンジンが眼を覚ますのだ。 暖気運転は15分以上は必要である。 こうして、戦車の操縦士の訓練が・・・
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