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兵站輸送の大切さ。
一番大切なモノだな・・・
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「隊長、部品が・・・」と、工兵の伍長が苦言だ。
加藤戦車隊は加藤中尉が隊長だが・・・提案や苦言をイヤがる風でもなく、聞くことにしていた。
隊内で、うっぷんが溜まらないようにである。
それは、新兵にも及んでいて・・・提案や苦言は隊員なら伍長から軍曹へ、そして軍曹から中尉へと流れるようになっていた。
工兵連中は、階級が主任技師が下士官にあたり、組長が伍長相応にあたっていた。(これは、ラノベだ。)
それで、工兵の組長が伍長として苦言を・・・
「うむ、まだトラックが到着しないんだ。」と、慰める加藤中尉だ。
「わかりました、代用部品で修理します。」「しかし、部品が代用ですから耐久性がありませんので。」
「うむ、承知した。」・・・遼河沿いに進軍して、以前より、壊れる戦車が少なくなってはいるが・・・
戦車はエンジンに負担が・・・どうしても、定期的な部品交換が・・・
しかし、大連港へ内地から戦車の交換部品が着いても・・・
大連から進軍する戦車隊まで輸送が・・・なかなか思うようにはいかないのであった。
熱河省よりは荒野がすくないとはいえ・・・遼河沿いも舗装道路なんて夢だ。
道なき、道をトラックは部品を大連港から・・・そして、内地からの燃料や食料も・・・
ところが、道がないからトラックが・・・走行できない場所も多々あるのだ。(まだ、日本軍のトラックは全輪駆動ではない。)
やむなく、馬車で運ぶこととなる。
馬車は馬賊の馬があるので、馬車は内地より進んでいたのである。
しかし、運ぶ量はトラックには及ばない・・・
それで、数台の馬車でキャラバン(商隊)を造って運ぶのだ。
もちろん、馬賊を満州政府が雇ってるのだが・・・
これが、なかなか思うようには・・・なんせ、元は馬賊だ、犯罪者と同じなのである。
最近なり、兵站が・・・思うように到着してないのである。
「中尉殿。」「なんだ、軍曹。」
「飲料水は河の水を煮出して使えるのですが・・・」と、苦言である。
「うむ、近隣に村は無いか。」と、案内馬賊へ・・・
「隊長さん、長春の村がアルヨ。」と、馬賊がいう。
「では、そこで家畜を仕入れるか・・・」と、馬賊と長春の村へ・・・
なんせ、地元民と交渉するのは、馬賊へ任せてる加藤中尉だ。
もちろん、ここいらは通貨など・・・シナの通貨なぞ通用はしない。
砂金か財宝と家畜を交換するしかないのである。
ソ連軍やシナの軍閥軍なら、武力で略奪もありえるが・・・
天下の日本陸軍が略奪なぞ、今上陛下のお耳にでも入れば銃殺刑では・・・済まないだろう。
それで、加藤中尉は砂金を少なからず持っていたのである。(陸軍の庶務から手に入れたのだ。)
もちろん、モノには相場があるから馬賊を同伴するのだ。
「ここが、長春の村か。」と騎馬の、加藤中尉だ。(案内人の予備の馬だ。)
パオという、遊牧民のテントが並ぶ。
遊牧民の族長のパオへ挨拶だ。
「族長は?」と、馬賊の案内人が問う。
「あの、でかいパオだ。」と、遊牧民が指さす。
馬賊と同伴でなく、戦車隊で訪問していたら・・・誰もいないし、家畜も・・・もぬけの殻である。
そこは、族長へ顔を出すのがセオリーである。
「族長のハルヌチだ。」「日本軍の加藤だ。」と、挨拶である。
「日本軍がなんの用だ。」と、族長はわかってるが・・・わかってないフリである。
馬賊の案内人が・・・言い訳めいた説明を・・・
もちろん、族長は渋い顔だ。
内心は砂金が欲しくて堪らないんだが・・・そんな顔をする族長なぞ・・・いない。
それに、日本軍が食料を略奪では無く、砂金で買うことは遊牧民の仲間内では、知れ渡っていたのだ。
馬賊の情報網はバカにできない。
馬1頭の値段は、内地では、200万円くらいだった。
まあ、現在ならクルマ1台ー馬1頭である。
しかし、ここは満州国の平原だ。
遊牧民に砂金なぞ、略奪でしか手に入らなかった・・・しかし、家畜を売れば日本軍が砂金をくれるのだ。
もちろん、家畜は貴重だが奉天や大連でモノを買うには・・・家畜より砂金の方が価値があるのだ。
遊牧民にとり、衣服は貴重だった。 豪華な衣服は奉天か大連でしか、手に入らない。
遊牧民はチーズや羊毛で商売を・・・しかし、安価に商人に叩かれてしまうのだ。
日本軍は、遊牧民にとり最高の相手だったのである。
なんせ、満州の商売人より高く家畜を買ってくれるからだ。
トラック輸送が遅れて、隊員の兵站が・・・
それを、なんとか家畜の肉で乗り切った加藤戦車隊であったのだ。
加藤戦車隊は加藤中尉が隊長だが・・・提案や苦言をイヤがる風でもなく、聞くことにしていた。
隊内で、うっぷんが溜まらないようにである。
それは、新兵にも及んでいて・・・提案や苦言は隊員なら伍長から軍曹へ、そして軍曹から中尉へと流れるようになっていた。
工兵連中は、階級が主任技師が下士官にあたり、組長が伍長相応にあたっていた。(これは、ラノベだ。)
それで、工兵の組長が伍長として苦言を・・・
「うむ、まだトラックが到着しないんだ。」と、慰める加藤中尉だ。
「わかりました、代用部品で修理します。」「しかし、部品が代用ですから耐久性がありませんので。」
「うむ、承知した。」・・・遼河沿いに進軍して、以前より、壊れる戦車が少なくなってはいるが・・・
戦車はエンジンに負担が・・・どうしても、定期的な部品交換が・・・
しかし、大連港へ内地から戦車の交換部品が着いても・・・
大連から進軍する戦車隊まで輸送が・・・なかなか思うようにはいかないのであった。
熱河省よりは荒野がすくないとはいえ・・・遼河沿いも舗装道路なんて夢だ。
道なき、道をトラックは部品を大連港から・・・そして、内地からの燃料や食料も・・・
ところが、道がないからトラックが・・・走行できない場所も多々あるのだ。(まだ、日本軍のトラックは全輪駆動ではない。)
やむなく、馬車で運ぶこととなる。
馬車は馬賊の馬があるので、馬車は内地より進んでいたのである。
しかし、運ぶ量はトラックには及ばない・・・
それで、数台の馬車でキャラバン(商隊)を造って運ぶのだ。
もちろん、馬賊を満州政府が雇ってるのだが・・・
これが、なかなか思うようには・・・なんせ、元は馬賊だ、犯罪者と同じなのである。
最近なり、兵站が・・・思うように到着してないのである。
「中尉殿。」「なんだ、軍曹。」
「飲料水は河の水を煮出して使えるのですが・・・」と、苦言である。
「うむ、近隣に村は無いか。」と、案内馬賊へ・・・
「隊長さん、長春の村がアルヨ。」と、馬賊がいう。
「では、そこで家畜を仕入れるか・・・」と、馬賊と長春の村へ・・・
なんせ、地元民と交渉するのは、馬賊へ任せてる加藤中尉だ。
もちろん、ここいらは通貨など・・・シナの通貨なぞ通用はしない。
砂金か財宝と家畜を交換するしかないのである。
ソ連軍やシナの軍閥軍なら、武力で略奪もありえるが・・・
天下の日本陸軍が略奪なぞ、今上陛下のお耳にでも入れば銃殺刑では・・・済まないだろう。
それで、加藤中尉は砂金を少なからず持っていたのである。(陸軍の庶務から手に入れたのだ。)
もちろん、モノには相場があるから馬賊を同伴するのだ。
「ここが、長春の村か。」と騎馬の、加藤中尉だ。(案内人の予備の馬だ。)
パオという、遊牧民のテントが並ぶ。
遊牧民の族長のパオへ挨拶だ。
「族長は?」と、馬賊の案内人が問う。
「あの、でかいパオだ。」と、遊牧民が指さす。
馬賊と同伴でなく、戦車隊で訪問していたら・・・誰もいないし、家畜も・・・もぬけの殻である。
そこは、族長へ顔を出すのがセオリーである。
「族長のハルヌチだ。」「日本軍の加藤だ。」と、挨拶である。
「日本軍がなんの用だ。」と、族長はわかってるが・・・わかってないフリである。
馬賊の案内人が・・・言い訳めいた説明を・・・
もちろん、族長は渋い顔だ。
内心は砂金が欲しくて堪らないんだが・・・そんな顔をする族長なぞ・・・いない。
それに、日本軍が食料を略奪では無く、砂金で買うことは遊牧民の仲間内では、知れ渡っていたのだ。
馬賊の情報網はバカにできない。
馬1頭の値段は、内地では、200万円くらいだった。
まあ、現在ならクルマ1台ー馬1頭である。
しかし、ここは満州国の平原だ。
遊牧民に砂金なぞ、略奪でしか手に入らなかった・・・しかし、家畜を売れば日本軍が砂金をくれるのだ。
もちろん、家畜は貴重だが奉天や大連でモノを買うには・・・家畜より砂金の方が価値があるのだ。
遊牧民にとり、衣服は貴重だった。 豪華な衣服は奉天か大連でしか、手に入らない。
遊牧民はチーズや羊毛で商売を・・・しかし、安価に商人に叩かれてしまうのだ。
日本軍は、遊牧民にとり最高の相手だったのである。
なんせ、満州の商売人より高く家畜を買ってくれるからだ。
トラック輸送が遅れて、隊員の兵站が・・・
それを、なんとか家畜の肉で乗り切った加藤戦車隊であったのだ。
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