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音速越えだったのか・・・
計器盤の速度計。
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軍事機密だから、墜落した月光の残骸は日本軍がネジ1本まで回収した。 そして、コンテナに密封して日本へ搬送である。 そして、事故調査がはじまった。 場所は追撃戦闘機製作所(まんまの名前だ。)だ。 さすがに、日本側も国家の威信がかかると、それなりに金を政府が出すのである。 「金属崩壊は翼の端から始まってるな。」 「うむ、しかし、なんとか骨組は持ちこたえているぞ。」 「なら、どうして、分解したんだ。」 「ふむ、これは、風洞実験の速度が遅いからだ。」 「決めつけずぎるぞ。」 「いや、これは音速の壁だ。」 「まさか、音速ペラとは言ってるが、音速を超えるとは思えないが・・」 「じゃあ、どうして説明するんだ。」 「どう考えても、音速の衝撃波で機体がバラけたんだ。」 「君は、この月光が音速を越えたといいたいのか?」 「そうだ。」 「音速の衝撃波はペラは回避したが、機体や翼は、もろに受けてしまった。」 「それで、翼の付け根から崩壊したんだ。」 見ると、翼の根本の桁が金属の裂傷が多いのだ。 「ここに、紫外線で反応する塗料を塗る。」 「ふむ、金属破壊を観るためか。」 「そうだ。」 紫外線を当てる。 眼には有害だから、保護メガネだ。 紫色の反応が蜘蛛の巣のように這いずっていた。 「うむ、こんなところまで・・」 「これでは、音速ペラの意味が無い。」 「音速の衝撃波に耐える機体の設計を、これは来年に間に合うか?」 「今からか?」 「ギリ、ギリだな。」 「風洞から開発せねばならん。」 「なんせ、音速を超える風を出す風洞がないからな。」 「音速ペラの風洞用を造ってからだ。」 「いそがしくなるぞ。」 「しかし、操縦者が、なんとか脱出できてよかったよ。」 「それなんだ、なんか脱出のいい方法はないものか?」 「風防は、うまく外れたぞ。」 「座席から出るのが・・・」 「そうか、そんなことを記者会見で言ってたな。」 (操縦士は米国での記者会見で、座席から飛び出すのが苦労したとの話であった。) 「まあ、おいおい考えよう。」 「操縦士が生還すれば、オレたち技師も心が痛まないからな。」 そうなのだ、技師らが設計する以上、だれか殉職でもすれば人殺しだ。 そうは、なりたくない。 「あれ、スロット全開じゃないか。」 「あ、あ、爆撃機の弾幕を回避するために無理したらしい。」 「まあ、それで日本が1機撃墜判定を獲得できたんだが。」 「英国が悔しがっていたそうだ。」 「おかげで、軍部が機嫌がいいからな。」 「あいつらは、面子ばかりだから。」 「面子では、飛行機は飛ばんぞ。」 「言って、わかるような連中じゃないぞ。」 軍部は階級が高いヤツほど、威張るばかりで、役にたたないのはお決まりのことだ。 とくに、陸軍は酷いのだ。 しかし、面子を通せば、無理も通るのだ。 今回の件を使って、無理を軍部に認めさせようと主任技師は画策していた・・・・・
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