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米軍では。
3両のキングの待ち伏せだ。
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こちらは、米軍である。 偵察のスチァートの報告では、前方にキング3両とのことだ。 大きく廻り込んで、オトリのシャーマンを残して、迂回しよう。 「こちら隊長だ、前方にキングが3両だ。」 「オレはオトリとなるから、他のヤツは廻り込んで背後からキングを叩け。」 「2号、了解した。」 「3号もだ。」 「4号も了解だ。」 「5号だ、無事を祈る。」 無事か、戦場に無事なぞ無いわ、と言いたかったが、クジだから沈黙を守る。 「さて、どうするか。」 と、仲間のシャーマンが、散らばるまえに砲塔の横を・・・ そして、離れて砲弾の爆発だ。 砂煙がすごい。 思わず、砲塔へしゃがんだ。 「おい、今のは?」 「隊長、キングでないヤツからの砲撃です。」 「キングはオトリで、オレらがオトリに釣られたんでさあ。」 「それは、ヤバイ、おい無線のマイクをよこせ。」 「こちら、隊長だ、待ち伏せだ、退却する、これは、命令だ。」 「2号了解。」 「・・」 「・・・」 と各戦車は、隊列を離れて、散りじりに逃げ出した。 いや、退却したのだ。 そして、数時間後には米軍の野戦司令部に全車が帰等できた。 独逸の戦車にヤラれたヤツは、さいわいにいなかったのだ。 88ミリ砲を喰らえば、シャーマンは形も残らないだろう。 「そうか、ごくろうだった、休んでよし。」 野戦本部司令への報告の返事だ。 隊長は、「まあ、最初は様子見だからな。」 と自身で納得していた。 だが、独逸軍に、完全に当方の作戦を読まれていた。 まあ、オトリは常等手段ではあるが、こうも完全に読まれると、我が方も不甲斐ないものだ。 偵察の報告では、ティーガーがいない、であった。 その時点で気がつくべきだったのだ。 まあ、ヤラれたアヒルがなかったから結果オーライの米軍だった。 ・・・そのころ、2両のティーガーが動き出していた。 3両とも独逸戦車のジャーマングレイだ。 本来ならサンドイエローにカモフラージュが必要だが。 ペンキが不足とは言えず、シャーマン相手にカモフラージュは必要なしとのことになっていた。 「ガス(燃料)は、いいか。」 「ハイ、とりあえずは。」 「エンジンの調子は。」 「まあまあです。」 「野戦本部までは、行けそうか。」 「たぶん。」 「では、出発する。」 2両のティーガーは動き出した。
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