戦車がすべての世の中。

ゆみすけ

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ティーガーが3両だ。

応援の到着。

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  「では、出発だ。」 2両のティーガーはエンジン音も高々に出発した。 独逸帝国野戦司令部へ合流するために動き出した。 野戦司令部には1両のティーガーと3両のキングがいるはずだ。 これで、6両の重戦車だ。 おそらく、1両の独逸重戦車は、すくなくとも5両の米軍に相当するのだ。 だから、米軍は30両のシャーマンが必要な計算となる。 これで、しばらくは米軍も、大人しくなるだろうと、独逸野戦司令部は考えていたのだ。 そこが、米軍に付け入るスキを与えかねない。 なぜなら、数の物量の米軍だからだ。 戦車の生産量が違うのだ。 ケタが1桁多いのだ。 何千両も造っても、広い戦場では、めったに当らないことになるのだ。 キングは勝てないし、こちらはアヒルだ。 しかし、めったに会うことはない。 ならイケるではないか。 そう考えたのだ。 それが、米国本土のお偉方の考えだ。 現場との差異がどうしても出る。 それに、ここはアフリカ戦線だ。 独逸帝国が石油利権を争うところだ。 まあ、正確にはイタリーが英国にボロ負けしたからだが。 女には眼がないイタリーだが、戦争はシナとトントンの強さだ。 組まないのが理想だ。 「ティーガーが2両、追加で来るらしい。」 とタミヤくんにハインケル曹長だ。 「それは、いいニュースだな。」 「これで、6両か。」 「そうさ、独逸帝国軍の最強戦車が6両だ。」 「この前のオトリ作戦は、惜しかったな。」 「うん、シャーマンが逃げ足があんなに速いとは。」 「40以上だ、この砂漠の荒地でだ。」 「聞いていた性能ではないんだ。」 「え、シャーマンの性能を聞いていたんだ。」 「まあ、ウワサだがね。」とタミヤくんは誤魔化した。 確か、戦闘機のエンジンを無理に詰め込んだのだ。 それで、独逸より重さあたりの馬力が多いのだ。 独逸帝国のキングもティーガーも同じ12000ccエンジンだったかな。 重さは40トンを越える。 つまり、馬力と重さがアンバランスなのだ。 それで、常にアクセル一杯に吹かしてる状態だ。 だが、シャーマンは余裕があるのだ。 それで、その余裕から耐久力があり、稼働率も大きい。 米国はガソリンを、それもハイオクタンのいいやつを使いたい放題だからだ。 独逸帝国にないもの、それは石油だ。 そこは、石油が無いで、戦争を始めた日本と似ていた。 ただ、戦車はブリキではない。 タミヤくんはティーガーを見上げて、日本軍では持て余すだろう、と考えていた。
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