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独逸軍の待ち伏せ。
いつまでやるん?
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もう、三日目だ。 「車長、いつまでやるんで。」 「うむ、米軍に聞いてくれ。」 「本当に来ますかね。」 「言われたことを、正確に遂行するのが、独逸兵だ。」 「それは、そうですが。」 「感づかれてるんじゃ。」 「そうだろうな。」 「では、逆襲されかねません。」 「だから、最強の装甲にコンクリ装甲を足したキングの初期型で来てるんだ。」 「まあ、シャーマンの75ミリでは、直近でも無理ですからね。」 「M26だとわからんが。」 「え、やられるんで。」 「それは、ないだろう。」 まあ、よほど暇なのか、独逸兵のヨタ話だ。 シヤーマンは修理が可能だ。 独逸軍なら30分で、動かせるだろう。 しかし、我らは鹵獲戦車を使うほど落ちぶれてはいない。 我が独逸帝国のⅣ号とトントンと聞いている。 キング・タイガーから見たら、池のアヒルだ。 [今日も待ち伏せだ。」 キング・タイガーが動き出した。 北アフリカ砂漠の空がまぶしい。 ある程度、シャーマンから距離を取る。 「ここらで、いいか。」 まあ、1.5キロくらい離れている。 米粒くらいのシャーマンが見える。 「目標に砲身をあわせるぞ。」 「わかりました。」 88ミリ長砲身が時間をかけて狙いを定めた。 「一応、同軸機銃を1発。」 「了解です。」 「うむ、ファイアー・・」 「ダン。」と短い音だ。 双眼鏡を見ていた車長は、「うむ、さすがに機銃弾は跳ね返すな。」 と、「よし、砲身はOKだ。」 「順次、休憩してよい。」と指示して額の汗を拭った。 ・・・こちらは、米軍だ。 M26パーシングのエンジンの調子を整備兵が見ていた。 「暑いもので、ラジエーターの水が減るわ。」 と予備タンクに継ぎ足しだ。 まあ、砂漠だから、夜は寒いし、昼は暑い。 寒暖さが大きい。 それに、エンジンの空気清浄器が、すぐにダメになる。 砂のせいだ。 毎回交換だ。 「独逸やろうは、どうしてるんだろう。」 どうでもいい心配をする整備兵だった。 砂に悩まされているのは米軍も独逸軍も同じだ。 点検を頻繁にやらなければならない。 なんの点検かって。 エンジンの空気を吸い込むところにある、紙のフィルターだ。 それが、砂で詰まるとエンジンが掛からない。 戦車の後ろにエンジンがあるが、その金網から見える丸い物がそうだ。 そして、ガソリンを給油するときも、ホースと給油口の隙間から砂が入らないように布で、ふさがねばならない。 でないと、砂が吸い込まれて、エンジンのピストンにキズが・・・ 酷いときは、エンジン交換だ。 エンジン交換は砂漠ではできない。 すくなくとも、砂の無い所が必要だ。 まあ、砂漠は人家が無いから戦いやすいんだが。
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