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米軍の策
逆襲だ。
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しかし、シャーマンをヤラれて、黙っている米軍ではない。 報復は必要であるのだ。 まあ、ケンカの仕返しである。 「シャーマンの放置現場から、離れてキング・タイガーが待ち伏せしている。」 「了解です。」 「うむ、その待ち伏せを逆を突いてヤッつけるんだ。」 まあ、単純な作戦だが、他にいい案もないのである。 戦車は互いに撃ち合うものと考えられていた時代である。 「1両しかない、無理はしなくてもいいからな。」 と司令官だ。 車長は、「了解です。」と敬礼だ。 答礼する司令官だ。 しかし、無理を・・・なんて無理なのだ、無理しないでは戦えないのだ。 互いに殺し合いであるのだ。 余裕では、戦争なんてできはしないのだ。 まあ、本音と建前だ。 「では、出発だ。」 エンジンが唸り、M26新型戦車が動き出した。 燃料満タン、エンジンオイルも交換した。 ついでに、空気取り入れのフィルターも交換だ。 快調に動き出した。 アフリカ戦線は砂漠だ。 しかし、岩場もあるのだ。 すべてが砂だらけではない。 申し訳程度に、草も生えている所もあるのだ。 「これで、キングを撃ち抜けるんですかねえ。」 と砲手が心配そうにいう。 撃ち抜けないなら、スタコラと逃げるんだが、独逸軍も案山子ではないから、追撃してくるだろう。 「いいか、キング・タイガーの弱点を狙うんだ。」 「履帯とか、車輪とかだ。」 そこは、戦車の下部だ。 なかなか当らないのである。 「間違っても、砲塔は狙うなよ。」 「砲塔を抜いた戦車は、まだ無いからな。」 「わかりました。」 エンジン音で欠き消えないように返事する。 「そろそろ、だな。」 「おい、偵察に行って来い。」 「わかりました。」 装填手が歩いて偵察だ。 戦車戦では、先に発見されるとやっかいだからだ。 「車長、いやしたぜ。」 「わかった。」 「この先で、待ち伏せしてますぜ。」 と丘の向こうを指差した。
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