戦車がすべての世の中。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
57 / 61
砂漠は熱い。

とても、やってられん。

しおりを挟む
  
    北アフリカ戦線は砂漠だ。 暑いのだ、イヤ熱いのだ。 もう、鉄の箱だから、やってられない。 一番つらいのは、操縦手だ。 戦闘中は砲塔が旋回するから、ハッチを開けられない。 行軍中や砲を動かさないならいいが。 無線兼機銃手も同じだが、やはり操縦手の方が熱いのだ。 やればわかるが・・・ 「エンジン停止、休憩だ。」 車長が指示した。 「ふう、やってられん。」 と、こぼす操縦手がハッチを開ける。 M4シャーマンはハッチが4ケ所ある。 車台の前に2ケ、そして砲塔に2ケだ。 車長のハッチが両開きで、あとは片開きだ。 M4は車種が多いからハッチも色々だ。 そして、ハッチには潜望鏡がはめられるのだ。 これは、防弾ガラスだが、よく、狙われて割れるから予備を各人が持ってる。 防弾といっても、銃弾が当ればヒビが入るから使えないのだ。 「まあ、出撃は夕刻だろうから心配するな。」 と車長がなぐさめる。 敵も熱いのは同じだ。 ティーガーには空調設備はない。 もちろん、M4シャーマンも無いが。 現在の、わが国のヒトマルもクーラーなんてついてないのだ。 クーラーがあったのは、大和型戦艦だ。 火薬庫の保全のために空調があった。 先のイラク戦争も戦闘は夜間だった。 あの米軍の撮影ビデオを観ればわかるだろう。 
しおりを挟む

処理中です...