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米国製ホーランド型の魔改造。
日本人の得意技だっ!
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事故で佐久間艇長以下、貴重な優秀な乗員を多数失った日本海軍だった。
「惜しい、人材を失くしてしまった。」と、後悔の念が・・・
諸外国では、海中にもかかわらず、脱出ハッチへ殺到するのが常である。
海底から引き揚げて・・・ハッチを開くと・・・
重なるように殉職している乗員が(イタリアでの事故)・・・それが欧州での潜水艦事故の常だった。
持ち場を、ひとりも離れずに殉職しているなぞ・・・想像もできない・・・欧州諸国である。
たしか、現在でもイギリスの王室海軍潜水史料館に・・・佐久間艇長の功績が・・・模範として掲げられているとか・・・
米国にもある。(先の大戦でも外されなかったそうだ。)
それほど、諸外国には衝撃だったのだ。
日本海軍の乗員は恐ろしい・・・と。
戦時中なら、わからんでもないが・・・平和なときの訓練で、だっ。
これが、戦時中ならと思うと・・・日本へ下手にケンカも売れない・・・
佐久間艇長の物語は抑止力として、かなりの・・・威力があったのだ。
とても、現在の日本人には・・・望めないことである。
「あの、事故はガソリン動力で空気筒を海上に出して潜航して進む実験中だったそうだ。」
「でも、まだ早いと禁止されていたはずだ。」
「それでも、佐久間艇長は自信があったんだろう・・・」
「まあ、結果論は、どうにでも言えるからな。」
「事故原因は空気筒が波をかぶり、海水がエンジンへ入るのを止められなかったからだ。」
まだ、船舶用のジーゼルエンジンは開発されていない。
なんせ、明治時代のことである。
ジーゼルエンジンは潜水艦へ搭載できるほど小型ではなかったのだ。
はじめての実用できる潜水艦としてホーランド型は認められていたのである。
我が国では、大きさから潜航艇としての位置づけであった。
動力はガソリンエンジンだけだ。
モーターではない。 大容量の蓄電池が・・・開発されてないのだ。
それで、空気タンクに圧搾空気を貯めて・・・それでガソリンエンジンを・・・動かしていたらしい。
長さは20メートル、幅が3.5メートルで水中排水量は124トンだ。
メインバラストタンクへ海水を入れて、45メートルまで潜ることができたそうだ。
まあ、著者には棺桶にしか見えないが・・
原理は米国の南北戦争で使われた南軍の潜水船(8人でスクリューを廻すのだ。)に似ている。(少ししか潜れなかった。)
「では、君はホーランド型をどうしようと。」と、海軍工廠の一室での話である。
「動力はガソリンエンジンしか無いからな。」と、腕を組んで考えこむ。
「空気タンクへ圧縮空気を溜めて使うのは、どうだ。」
「そこが、問題なんだと思うんだ。」
「それは、そうだが他に手段が・・・」
「いや、あるぞ。」
と、島津製作所が蓄電池を造ったとの新聞記事だ。
「蓄電池?」
「あ、あ、なんども充電して使える電池だそうだ。」
「原理はフランスで1859年ころに考えられたんだが。」
「つまり、実用的なヤツが造られたんだな。」
「そのようだな。」
「で、その電池を使ってモーターを動かすんだな」
19世紀末に電気自動車が使われていたのだ。
現在のような高性能ではないが・・・車輪にモーターを組み込んだ自動車もあったのだ。
しかし、実用的ではなかったので、ガソリン車に駆逐されたのだ。
そして、海軍工廠で充電電池とモータとエンジンで機関を組んでみた。
問題が発生したのだ。
鉛蓄電池は充電するとガスが発生するのだ。(水素ガスと酸素ガス)
それも、人体に有毒なのだ。
潜水艦は密閉された空間だ。
「いかん、このガスは引火すると危険だ。」と、危機感満載だ。
なんせ、機関室は火花が飛んでもおかしくない場所だ。
「しかし、蓄電池を減らすと動力が得られない。」と・・・・ジレンマである。
「しかし、鉛蓄電池は重いからバラストかわりになるし。」と、技師のひとりがいう。
潜水艦は浮力に逆らって水に潜るのだ。
錘の替わりに蓄電池は都合がいいのである。
「ガスは充電時にでるんだろ。」「そうだ。」
「じゃあ、充電時は浮いてるんだから、換気すれば。」
「なるほど。」と、確かに充電時にガスが出るのだ。
充電はガソリンエンジンでモーターを廻して、モーターを発電機替わりに使うのだ。
「しかし、どうなるかわからんからな。」と、電池室と乗員室は完全隔離とする設計だ。
「これ以上、優秀な兵隊を失くすことはできんからな。」と、佐久間艇長らの殉職者14名を想う技師らである。
「惜しい、人材を失くしてしまった。」と、後悔の念が・・・
諸外国では、海中にもかかわらず、脱出ハッチへ殺到するのが常である。
海底から引き揚げて・・・ハッチを開くと・・・
重なるように殉職している乗員が(イタリアでの事故)・・・それが欧州での潜水艦事故の常だった。
持ち場を、ひとりも離れずに殉職しているなぞ・・・想像もできない・・・欧州諸国である。
たしか、現在でもイギリスの王室海軍潜水史料館に・・・佐久間艇長の功績が・・・模範として掲げられているとか・・・
米国にもある。(先の大戦でも外されなかったそうだ。)
それほど、諸外国には衝撃だったのだ。
日本海軍の乗員は恐ろしい・・・と。
戦時中なら、わからんでもないが・・・平和なときの訓練で、だっ。
これが、戦時中ならと思うと・・・日本へ下手にケンカも売れない・・・
佐久間艇長の物語は抑止力として、かなりの・・・威力があったのだ。
とても、現在の日本人には・・・望めないことである。
「あの、事故はガソリン動力で空気筒を海上に出して潜航して進む実験中だったそうだ。」
「でも、まだ早いと禁止されていたはずだ。」
「それでも、佐久間艇長は自信があったんだろう・・・」
「まあ、結果論は、どうにでも言えるからな。」
「事故原因は空気筒が波をかぶり、海水がエンジンへ入るのを止められなかったからだ。」
まだ、船舶用のジーゼルエンジンは開発されていない。
なんせ、明治時代のことである。
ジーゼルエンジンは潜水艦へ搭載できるほど小型ではなかったのだ。
はじめての実用できる潜水艦としてホーランド型は認められていたのである。
我が国では、大きさから潜航艇としての位置づけであった。
動力はガソリンエンジンだけだ。
モーターではない。 大容量の蓄電池が・・・開発されてないのだ。
それで、空気タンクに圧搾空気を貯めて・・・それでガソリンエンジンを・・・動かしていたらしい。
長さは20メートル、幅が3.5メートルで水中排水量は124トンだ。
メインバラストタンクへ海水を入れて、45メートルまで潜ることができたそうだ。
まあ、著者には棺桶にしか見えないが・・
原理は米国の南北戦争で使われた南軍の潜水船(8人でスクリューを廻すのだ。)に似ている。(少ししか潜れなかった。)
「では、君はホーランド型をどうしようと。」と、海軍工廠の一室での話である。
「動力はガソリンエンジンしか無いからな。」と、腕を組んで考えこむ。
「空気タンクへ圧縮空気を溜めて使うのは、どうだ。」
「そこが、問題なんだと思うんだ。」
「それは、そうだが他に手段が・・・」
「いや、あるぞ。」
と、島津製作所が蓄電池を造ったとの新聞記事だ。
「蓄電池?」
「あ、あ、なんども充電して使える電池だそうだ。」
「原理はフランスで1859年ころに考えられたんだが。」
「つまり、実用的なヤツが造られたんだな。」
「そのようだな。」
「で、その電池を使ってモーターを動かすんだな」
19世紀末に電気自動車が使われていたのだ。
現在のような高性能ではないが・・・車輪にモーターを組み込んだ自動車もあったのだ。
しかし、実用的ではなかったので、ガソリン車に駆逐されたのだ。
そして、海軍工廠で充電電池とモータとエンジンで機関を組んでみた。
問題が発生したのだ。
鉛蓄電池は充電するとガスが発生するのだ。(水素ガスと酸素ガス)
それも、人体に有毒なのだ。
潜水艦は密閉された空間だ。
「いかん、このガスは引火すると危険だ。」と、危機感満載だ。
なんせ、機関室は火花が飛んでもおかしくない場所だ。
「しかし、蓄電池を減らすと動力が得られない。」と・・・・ジレンマである。
「しかし、鉛蓄電池は重いからバラストかわりになるし。」と、技師のひとりがいう。
潜水艦は浮力に逆らって水に潜るのだ。
錘の替わりに蓄電池は都合がいいのである。
「ガスは充電時にでるんだろ。」「そうだ。」
「じゃあ、充電時は浮いてるんだから、換気すれば。」
「なるほど。」と、確かに充電時にガスが出るのだ。
充電はガソリンエンジンでモーターを廻して、モーターを発電機替わりに使うのだ。
「しかし、どうなるかわからんからな。」と、電池室と乗員室は完全隔離とする設計だ。
「これ以上、優秀な兵隊を失くすことはできんからな。」と、佐久間艇長らの殉職者14名を想う技師らである。
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