伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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廃棄するには、惜しいのだ。

ドイツのイイとこ取りなのだ。

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 「これは、これで、計器とか機器がドイツ製という以外は使い勝手は悪くないぞ。」と、マツモト艦長がいう。
「もちろん、アクテブ・ソナーは英国製へ交換せねばならんがな。」と、加えた。
 「廃棄するには、惜しいのだよ。」と、惜しがるのだ。
「海軍はショボイが、ゲルマン人の技術は侮れないのだよ。」と、加えるマツモト艦長だ。
 「しかし、ドイツ軍にバレたら・・・みっともないことだぞ。」
「そうだ、そうだ、我が王立英海軍の名折れだ。」と、海軍参謀が反対する。
 「外見をある程度、改造すれば・・・」と、言い訳を言うマツモト艦長だ。
「いや、いつかはバレるのだぞ。」と、参謀が・・・
 アランが手を上げる。
「敵の兵器を鹵獲して、使うのは普通のことじゃないですか。」と、ぶちかます。
 「それは、そうだが、今は戦時ではないから・・・」
「戦争なら、言い訳なんて言うヒマなんて無いからな。」
 アランが、「それに、海底での沈没船ですし国際法的にも、なんら問題ないではないですか。」
「それは、そうだが、英国の体面もあるからな。」と、軍司令だ。
 アランが、「ドイツはサルベージできなかった、そして乗員は英国で救助しました。」
「その沈没現場はドイツの領海ではない、フランス沖ですよ。」
 「なんら、問題はないかと・・・」と、食い下がるアランだ。
潜水艦乗りとして、マツモト君やアランは潜水艦を破棄するのを惜しがるのである。
 海軍幹部はメンツや体面ばかりなのである。
双方の言い分は並行線なのだ。
 これでは、まとまるモノもまとまらない。

 とうとう、アランが大叔母(ビクトリア大女王様)へ、進言してしまったのだ。
末席ながら王族の身分をフル活用する、アラン君だ。
 大女王の書簡が海軍司令部へ・・・
内容は、「英国が乗員を助けたのだから、お礼でいいではないか。」と、もっともなご意見である。
 そして、「ドイツ大使へは、わらわから伝えておくわ。」と、やんごとなきお言葉だ。
こうして、紆余曲折はあったのだが・・・晴れてドイツ潜水艦は英王立海軍の艦艇へと・・・
 「ところで、艦名は?」と、余計な一言のアラン君だ。
我らが、マーガレット王女が黙ってはいないのだ。
 「そうじゃな、アランよ。」「ハァ。」
「ドイツ製じゃから、そちの妻の名前でよかろう。」と・・・
 「えっ、オレの嫁さんの・・・」
「でも・・・」「なんじゃ、不服か?」
 「いいえ、恐れ多いことで・・・」と、あわてて言い訳のアラン君だ。
こうして、ドイツ製潜水艦は改造されて、艦名はアンネリーゼと決定したのである。
 「それで、艦長は?」と、なるのは当然だが・・・
「しばらくは、アランでいいじゃろうて。」と、マーガレット姫様だ。
 「人員が揃うまで臨時じゃ。」と、ツルの一声だ。
潜水艦の乗員は専門知識が必要だ。
 それで、潜水艦学校で学ぶのだが・・・最低、数年はかかるのだ。
マツモト艦長はクリステーナ号と救助潜水艇があるから・・・ここは、アラン艦長しか・・・

 そうなると、英国製潜水艦とドイツ製潜水艦との潜水艦比べとなるのは・・・当然なようである。
なんと、ドイツ大使までもが・・・招待されてのだ。
 ポーツマス軍港沖での開催である。
海上航行の競技と潜航での競技である。
 クリステーナ号VSアンネリーゼ号の競技である。
テープカットはマーガレット姫様だ。
 そして、軍港の大砲が合図の空砲を・・・
「やはり、海上ではドイツ艦のアンネリーゼが優秀だな。」
 どうしても、28気筒ジーゼルエンジンのアンネリーゼが・・・
そして、潜航しても・・・モーターや蓄電池が日本製のアンネリーゼが・・・
 「これでは、アクデブ・ソナーを日本製にすれば・・・アンネリーゼが・・・
「これでは、競技にならんではないか。」で、あるのである。
 海上の速度ではドイツ製のアンネリーゼが優秀であり、あとの潜航性能なんかは優劣がなかったのだ。
ただし、潜航深度に関しては、事故の恐れもあり、限界を試したわけではなかった。
 「しかし、我が潜水艦隊は3隻の艦隊だぞ。」と、3隻の潜水艦を見るマツモト君である。
「半年で廻していたが・・・4ヶ月で廻せるぞ。」なのだ。
 つまり、定期点検や改良整備など、ドック入りも少なくないからである。
事故の無い活動には、平素の点検や整備が欠かせないからだ。
 常に、活動できる潜水艦が1隻は常駐できなければ、潜水艦隊の意味が無いのだ。
「これで、休暇も多くなるかもだな。」と、期待が膨らんだのだが・・・
 マーガレット姫様が、「これで半年は、わらわの側付ができようぞ。」「うれしいであろう。」と、ドヤ顔の姫様だ。
 そりゃあ、美幼女の姫様だ、側付も・・・悪くはないのだが・・・妻と24時間も同じとなるのだ。
なぜなら、マツモト君の妻はカテリーナ・クラリスという姫様のメイド士官だ。
 姫様のオシッコ係だ。
いつも、姫様の下(しも)のお世話係なのだ。
 昼間は妻の蔑んだ眼が・・・夜は、毎夜毎夜・・・ムチでぶたれて・・・
いくら、サド・マゾのコンビでも、ストレスは溜まるのだ。
 そう、マツモト君へである。
なぜなら、カテリーナは上から目線でマツモト君へ・・・なのだ。
 だから、ストレスなんて溜まんないのだ。
そして、ムチで打たれるマツモト君は・・・いくら、打たれてもマゾだから喜びなのだが・・・限度はある。
 まあ、そこは夫婦の個人情報だ、知るよしもないのだ。
ここで、諸君に夫婦円満の秘訣だ。
 まずは、妻には言葉では勝てないから・・・ご無理ごもっともなのだ。
ケンカしたら、先に頭を下げて詫びるのだ。
 それが、正論で勝っていてもだ。
浪費癖のある妻なら即、離婚だ。
 そして、金銭感覚がある嫁さんを見つけるのだ。
基本、オナゴは子を育てるから金銭感覚があるのだが・・・
 育児には金が、かかるからだ。
顔で女は選んではいけない。
 妻に浪費癖があると、自分が欲しいモノが買えないからだ。




 


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