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教えるということ
見本の大砲
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しばらくして教室が出来た。 黒板があり白墨も用意した。 教師の経験が無いがオレしかいない。 机にキツネ耳を座らせて、最初に挨拶した。「今日から対ドラゴン戦の武器の造り方を教えます。至らぬところがあると思うが、疑問はすぐに質問してくれ。」 さらに「パトロールの時間があるから教室は夕方から始める、だいたい寝るまでだ。」 と、そして大砲の絵を描いたプリントを配った。 「これが大砲だ。鉄で作る。」「重さはキツネ耳10人分より重い。」 「そして火薬をつめたタマを大砲で飛ばす。だいたい、ここから、あそこくらいの距離だ。」と遠くの森を示した。 「見本を持ってくるから。」と降下船に戻った。 アリスに大砲の見本を要求した。 土下座で頼んだら用意するとのこと。 何度目かの土下座をした。 また足でグリグリされた。 アリスは「まさか喜んでいないわよね。」という。オレは「いいや、そんなことは無い。」と上を向いた。 今日も白だ、しかもレースの縁取りにタテスジまでチラだ。 「なにを見てるのよ、チラ見してるの知ってるからね。」とさらにグリグリする。 最悪だ、バレタ。しかしこのまま死んでも本望だ。 オレは変態だな。 降下船のパソコンでアリスが大砲をトレースして周回軌道衛星に送った。 次の日、カプセルが近くに降下した。 アリスいわく「あのカプセルにあるわよ、ヒエンでは重過ぎて飛べないから降下船の格納庫に輸送用の牽引車があるから、それで運んでね。」 という。 次の日、牽引車で教室まで行く。 無限軌道の耕運機みたいな牽引車であった。 重い大砲を数時間かけて運んだ。 もちろんナビでナビしていく。 タマをどうしようと思ったら、牽引車につんであった。 なんとも用意がいいアリスであった。 さてキツネ耳を広場に集めた、 遠くに森が見える。 オレは大砲を森の方向に向けた。 後ろのレバーを廻して後ろの栓をはずす、タマをこめる、火薬をつめる。 栓をしてレバーを廻した。しっかり締めた。 大砲の後部の火口にライターで火をつけた。 どううん、とすごい音がして、黒いタマが飛んだ。 遠くの森の手前が爆発した。 しばらくしてドーンと音が響いた。 すごい、知らないわけではなかったが、すごい。 キツネ耳は口をあんぐり開けて放心していた。 なにも言わない、固まっていた。 「いまのが大砲です。」オレが言ったが一人のキツネ耳もびくともしない。固まったままだった。 ふと思った、これが大量生産になると、キツネ耳の世界も戦争が変わる、大量殺戮の時代になる。 オレは教えていいものか迷った。 でもドラゴンのエサよりましだ。 武器は使い方しだいでどうにでもなるのだ。 抑止力にもなるし、人殺しの道具にもなる。 それはキツネ耳が決めることだ。
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