零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ

文字の大きさ
48 / 105
ソ連軍T-26対空中停止機

空挺では、ないんかい!

しおりを挟む
 「この、砲塔の金網カバーがあれば、エテ公野郎の砲撃なぞ、なんてことないぞ。」と、息巻く車長だ。
モスクワへ・・・この、地獄のようなシベリアを脱出するんだ・・・
 心に誓って、奮闘するソ連軍戦車隊員らである。
数は4小隊の12両だ。
 なぜなら、ソ連軍の輸送船が喫水が深くなり・・・12両までしか船に乗せられなかったんだ。
北極海航路は深度が浅いのだ・・・氷山の溶けた通路だからである・・・
 それでも、以前のT-2型戦車と比べたら・・・雲泥の差であるのだ。
「これなら、この新型なら絶対に勝てるぞ。」
 「我が、ロシア軍は陸戦では無敵なのだ。」
「かつての栄光を取り戻すんだ。」「そうだ、そうだ。」
 「いままでは、気が緩んでいたからだ。」
「この、新型でエテ公へ鉄槌をくだすんだーーーーっ!」
 大いに士気が盛り上がるソ連軍戦車隊である。
ちなみに、エテ公とは・・・日本軍がロシア軍を露スケというように・・・米軍が日本兵をシャップと呼ぶのとおなじだ。
 つまり、エテ公は黄色い猿だから・・・日本兵の事である。
ロシア軍も、はじめは黄色い猿と呼んでいたんだが・・・キイロイサルは文脈が長い・・・つまり、悪口が言いにくいんだ。
 それで、考えたのが・・・エテ公呼ばわりだ。
まあ、どの国の軍隊も考えることは同じなのである。

 「機長。」「なんだ。」
空中停止機のコパイ(副操縦士)がヘッドカムごしに聴く。
 「なんか機体が重いんですが。」
「あ、あ、燃料補助タンクが2本載ってるからさ。」
 「なんせ、モンモンハンまでは大連港から距離があるからなあ。」
「持ちますかね~ぇ。」
 「まあ、カラになったら地面へ降りて、燃料給油車を待つだけさ。」
ここは、満州国内だ。
 待ってれば・・・大連港からタンク車が・・・
「滑走路がいらないからな、どこへも降りられるのが強みだ。」
 「そうですね。」
「よし、互いに装備点検だ。」と、小隊長が激をとばす。
 「敵前で、降下するんだ。」「対戦車ドリル弾の点検を欠かすな。」「おう。」
対戦車ドリル弾? なんなんだ、それは・・・
 では、読者諸氏へ解説しよう。
日本海軍では海兵隊用に対戦車兵器を開発研究していたのだ。
 陸軍は擲弾筒という簡易バズーカを開発した。
なかなか、よいアイデアだ。
 しかし、海軍としては陸軍の模倣は・・・死んでもできないのだ。
たとえ、米軍に負けても・・・日本陸軍には負けられないのである。
 それで、擲弾筒方式はダメとなる・・・
戦車の対面装甲は一番厚いのである。
 ドイツ帝国の虎戦車は厚さ10センチの鋼鉄なのだ。
それで、海軍は魚雷をぶつけようと考えた。
 しかし、魚雷は先は丸いのである。
「これでは、敵の装甲は穴が開かないぞ。」
 「ふむ、装甲に穴を開ければいいんだな。」「そういうことだ。」
「では、ドリルしかないじゃないかっ!」
 魚雷はスクリュウーを廻すエンジンが・・・スクリューの替わりにドリルだ。
こうして、艦上戦闘機用の小型魚雷を改造して・・・先にドリルが付いたミサイル様なものが完成したのだ。
 名付けて・・・対戦車ドリル弾である。
「いいか、ドリル弾は高額で数がないから・・・無駄ダマを撃つなよ。」「おう。」
 「外れたら・・・罰ゲームだからな。」「えーーーーーーっ。」
「おい、罰ゲームだけは御免だからな。」と、各班は作戦をな練り直すようだ。
 海軍の罰ゲームは空母の便所掃除プラス外出禁止なのである。
満州娘の可憐で清楚な・・・おマンコが~遠のくのである。
 それだけは、絶対に阻止せねばならない。
各隊員は・・・さらに点検を繰り返すのだ。 失敗は許されないからである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

異聞第二次世界大戦     大東亜の華と散れ

みにみ
歴史・時代
1939年に世界大戦が起きなかった世界で 1946年12月、日独伊枢軸国が突如宣戦布告! ジェット機と進化した電子機器が飛び交う大戦が開幕。 真珠湾奇襲、仏独占領。史実の計画兵器が猛威を振るう中、世界は新たな戦争の局面を迎える。

対ソ戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。 前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。 未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!? 小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!

対米戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。 そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。 3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。 小説家になろうで、先行配信中!

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

幻の十一代将軍・徳川家基、死せず。長谷川平蔵、田沼意知、蝦夷へ往く。

克全
歴史・時代
 西欧列強に不平等条約を強要され、内乱を誘発させられ、多くの富を収奪されたのが悔しい。  幕末の仮想戦記も考えましたが、徳川家基が健在で、田沼親子が権力を維持していれば、もっと余裕を持って、開国準備ができたと思う。  北海道・樺太・千島も日本の領地のままだっただろうし、多くの金銀が国外に流出することもなかったと思う。  清国と手を組むことも出来たかもしれないし、清国がロシアに強奪された、シベリアと沿海州を日本が手に入れる事が出来たかもしれない。  色々真剣に検討して、仮想の日本史を書いてみたい。 一橋治済の陰謀で毒を盛られた徳川家基であったが、奇跡的に一命をとりとめた。だが家基も父親の十代将軍:徳川家治も誰が毒を盛ったのかは分からなかった。家基は田沼意次を疑い、家治は疑心暗鬼に陥り田沼意次以外の家臣が信じられなくなった。そして歴史は大きく動くことになる。 印旛沼開拓は成功するのか? 蝦夷開拓は成功するのか? オロシャとは戦争になるのか? 蝦夷・千島・樺太の領有は徳川家になるのか? それともオロシャになるのか? 西洋帆船は導入されるのか? 幕府は開国に踏み切れるのか? アイヌとの関係はどうなるのか? 幕府を裏切り異国と手を結ぶ藩は現れるのか?

If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら? 国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。 真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…そして終戦工作 分水嶺で下された「if」の決断。 破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。

処理中です...