31 / 93
31
しおりを挟む
「それで昨日ね、お母さんが私にね・・・」
「緑川~!」
翌日の昼休み、あおると美守、そしていつの間にか美守とも仲良くなった緑川と3人で話をしていると緑川の友達がボールを片手にこちらへやって来た。
「なぁなぁ!今日はドッジボールしようってなったんだ!緑川も来るよな」
そう誘って来たクラスメートは昨日あおるに詰め寄った中の1人で、ドキッとしたが、あおるには見向きもせず緑川の顔を見て目を輝かせている。
「あ、岸辺。うーん・・・今日も俺はいいや」
そんな友達に緑川は申し訳なさそうな表情で答えた。
「えーっ、そっちの奴なら大丈夫そうじゃん!?」
岸辺は緑川の返事にぐずるようにそう言うとあおるにチラリと目配せした。
「あの、俺の事なら大丈夫だから・・・!緑川。美守さんも居るし全然心配しなくっていいから」
だから遊んできて、とあおるは思い切って口を開いた。
「なっ?行こうぜ、緑川!」
「じゃ、せっかくだからあおるも!」
「えっ!?うわっ・・・!」
気合いの入った岸辺に腕を引っ張られた緑川は咄嗟にもう片方の手であおるの腕を掴み、強引に連れ出した。
「え、そいつも!?」
「ダメかな?」
「いや、だめじゃねぇけど・・・」
前々からあおるの事を何かと気にくわなかった岸辺は、邪魔なんだよという視線であおるを睨んだ。
昼休みが終わり、教室に帰ってきたあおるはボールを当てられた太ももと脇腹を押さえて席に着き、5時間目の準備をする。
「どうだった?ドッジボール」
「あ・・・う、うん楽しかったよ!でもボール当たると痛いね」
痛そうな顔をすると心配されそうだと思い、はははっと苦笑いで美守に答えた。
滅多に外で遊ばないあおるは運動も得意じゃなく、ドッジボールでは格好の標的にされていたのだった。
いつものメンバーにあおるが入った事で他の人たちも最初から仲良くするつもりなんてないようで、素っ気なかった。
岸辺はあおるばかりを狙ってくるし、そんなあおるを緑川が庇おうとする事でゲーム自体に面白味がなくなり、周囲からの反感は増すばかりだった。
もしかしたら後で青あざになっているかも知れない。
それくらい岸辺が投げたボールに当たった時は痛かった。
もう、したくないな・・・・・・
あおるは心の中で呟いた。
だが、次の日もその次の日も、それから毎日、緑川はあおるを引っ張っては無理矢理にでも遊びに連れ込んだ。
岸辺をはじめ、緑川の他の友達とも遊んでいくうちに仲良くなった・・・なんてことは無く、むしろ以前より更に鬱陶しく思われていた。
緑川に無理やり連れて行かれているのにもかかわらず、逆に緑川に付き纏っているウザい奴だとすら思われていた。
そんな日々が続き、あおるに対しての嫌悪感が強まった岸辺たちは陰口や悪口だけにとどまらなくなった。
あおるは緑川が居ない所で、机や靴箱にゴミを入れられていたり、宿題で提出したはずのノートが中庭に落ちていたりと、嫌がらせをされるようになった。
ついに耐えきれなくなったあおるは帰宅後、もう昼休みに連れ出すのはやめてほしいと伝えるべく、緑川の部屋を訪れた。
「あおるが他の人とも仲良くしたいって言ってたから、連れて行ってあげたんだけどなー」
テレビを向き、手に持ったゲームのコントローラーを操作しながら緑川が話す。
人が深刻に話しているというのにっ・・・!
「仲良くなんか、なれないよ・・・っ!みんな俺のこと良く思ってないから・・・」
「えー今更・・・でも、それはあおるの性格の問題でもあるんじゃねぇの?」
「・・・それもあるかも知れないけどっ!でも・・・もう、遊びたくない・・・・・・」
ドアの前で立ったまま俯いているあおるの握りこぶしに力が入る。
「へぇー・・・」
緑川は持っていたゲームのコントローラーを置くとあおるの方へ近づき、両手をドアについてその間にあおるを閉じ込めた。
「な、何・・・?」
「なぁ・・・・・・じゃあ俺達と遊ばないで何すんの?教室で女々しく美守とおしゃべりでもすんの?」
「緑川~!」
翌日の昼休み、あおると美守、そしていつの間にか美守とも仲良くなった緑川と3人で話をしていると緑川の友達がボールを片手にこちらへやって来た。
「なぁなぁ!今日はドッジボールしようってなったんだ!緑川も来るよな」
そう誘って来たクラスメートは昨日あおるに詰め寄った中の1人で、ドキッとしたが、あおるには見向きもせず緑川の顔を見て目を輝かせている。
「あ、岸辺。うーん・・・今日も俺はいいや」
そんな友達に緑川は申し訳なさそうな表情で答えた。
「えーっ、そっちの奴なら大丈夫そうじゃん!?」
岸辺は緑川の返事にぐずるようにそう言うとあおるにチラリと目配せした。
「あの、俺の事なら大丈夫だから・・・!緑川。美守さんも居るし全然心配しなくっていいから」
だから遊んできて、とあおるは思い切って口を開いた。
「なっ?行こうぜ、緑川!」
「じゃ、せっかくだからあおるも!」
「えっ!?うわっ・・・!」
気合いの入った岸辺に腕を引っ張られた緑川は咄嗟にもう片方の手であおるの腕を掴み、強引に連れ出した。
「え、そいつも!?」
「ダメかな?」
「いや、だめじゃねぇけど・・・」
前々からあおるの事を何かと気にくわなかった岸辺は、邪魔なんだよという視線であおるを睨んだ。
昼休みが終わり、教室に帰ってきたあおるはボールを当てられた太ももと脇腹を押さえて席に着き、5時間目の準備をする。
「どうだった?ドッジボール」
「あ・・・う、うん楽しかったよ!でもボール当たると痛いね」
痛そうな顔をすると心配されそうだと思い、はははっと苦笑いで美守に答えた。
滅多に外で遊ばないあおるは運動も得意じゃなく、ドッジボールでは格好の標的にされていたのだった。
いつものメンバーにあおるが入った事で他の人たちも最初から仲良くするつもりなんてないようで、素っ気なかった。
岸辺はあおるばかりを狙ってくるし、そんなあおるを緑川が庇おうとする事でゲーム自体に面白味がなくなり、周囲からの反感は増すばかりだった。
もしかしたら後で青あざになっているかも知れない。
それくらい岸辺が投げたボールに当たった時は痛かった。
もう、したくないな・・・・・・
あおるは心の中で呟いた。
だが、次の日もその次の日も、それから毎日、緑川はあおるを引っ張っては無理矢理にでも遊びに連れ込んだ。
岸辺をはじめ、緑川の他の友達とも遊んでいくうちに仲良くなった・・・なんてことは無く、むしろ以前より更に鬱陶しく思われていた。
緑川に無理やり連れて行かれているのにもかかわらず、逆に緑川に付き纏っているウザい奴だとすら思われていた。
そんな日々が続き、あおるに対しての嫌悪感が強まった岸辺たちは陰口や悪口だけにとどまらなくなった。
あおるは緑川が居ない所で、机や靴箱にゴミを入れられていたり、宿題で提出したはずのノートが中庭に落ちていたりと、嫌がらせをされるようになった。
ついに耐えきれなくなったあおるは帰宅後、もう昼休みに連れ出すのはやめてほしいと伝えるべく、緑川の部屋を訪れた。
「あおるが他の人とも仲良くしたいって言ってたから、連れて行ってあげたんだけどなー」
テレビを向き、手に持ったゲームのコントローラーを操作しながら緑川が話す。
人が深刻に話しているというのにっ・・・!
「仲良くなんか、なれないよ・・・っ!みんな俺のこと良く思ってないから・・・」
「えー今更・・・でも、それはあおるの性格の問題でもあるんじゃねぇの?」
「・・・それもあるかも知れないけどっ!でも・・・もう、遊びたくない・・・・・・」
ドアの前で立ったまま俯いているあおるの握りこぶしに力が入る。
「へぇー・・・」
緑川は持っていたゲームのコントローラーを置くとあおるの方へ近づき、両手をドアについてその間にあおるを閉じ込めた。
「な、何・・・?」
「なぁ・・・・・・じゃあ俺達と遊ばないで何すんの?教室で女々しく美守とおしゃべりでもすんの?」
28
あなたにおすすめの小説
イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺
スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。
大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?
【短編+連載版】一度も話したことないイケメンのクラスメイトと二人組になったらめちゃくちゃ執着されてた
時
BL
サクッと読みたい方は短編版(約5000字)をどうぞ!
◇◇◇
「はい、じゃあ二人組作って」──あまり人付き合いが得意ではない夏稀(なつき)にとってそれは地獄の言葉。
けれど高校ではちがう。なぜなら新しくできた友達と『二人組』協定を結んだから。
もう二人組なんて怖くないと思っていた矢先、その友達が風邪で欠席。
ほかに組む相手が見つからず、先生と組むことも覚悟する夏稀だったが、そこで声をかけてきたのは美形の転校生──緒川聖夜(おがわ・きよや)だった。
「俺と二人組にならない?」
その一言をきっかけに聖夜は夏稀との距離を急速に縮めてきて──。
執着美形攻め×平凡受けのちょっと不穏な学園BL。
◇◇◇
いいね、エールありがとうございます!嬉しいですー!
可哀想は可愛い
綿毛ぽぽ
BL
平民、ビビり、陰キャなセシリオは王立魔術学園へ入学を機に高校デビューを目指したが敢え無く失敗し不良のパシリをさせられる毎日。
同室者の男にも呆れられ絶望するセシリオに天使のような男が現れるが、彼もかなりイカれた野郎のようで……?セシリオは理想の平和な学園生活を送る事が出来るだろうか。また激重感情を抱えた男から逃げられるだろうか。
「むむむ無理無理!助けて!」
━━━━━━━━━━━
ろくな男はいません。
世界観がごちゃごちゃです。余り深く考えずに暖かい目で読んで頂けたら、と思います。
表紙はくま様からお借りしました。
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
きみが隣に
すずかけあおい
BL
いつもひとりでいる矢崎は、ある日、人気者の瀬尾から告白される。
瀬尾とほとんど話したことがないので断ろうとすると、「友だちからでいいから」と言われ、友だちからなら、と頷く。
矢崎は徐々に瀬尾に惹かれていくけれど――。
〔攻め〕瀬尾(せお)
〔受け〕矢崎(やざき)
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる