32 / 93
32
しおりを挟む
「違う・・・!俺は、また前みたいに・・・読書する」
1人でさびしい奴、っとまた緑川に言われるかもしれない。
緑川の腕に挟まれたままのあおるは俯いた。
「美守は教室にいるだろ?どうせ話しかけられたら喜んで答えるんだろ?」
なぁ?とあおるの顎をクイッと上げ、俯いたあおると視線を合わせた。
「っ話しかけられたら・・・その時はちゃんと答えるよ」
「なら尚更。昼休みは外」
緑川にスパッと言い切られる。
なぜ外に連れ出すのはやめてほしいという話から美守の話へ飛ぶのだろうか。ここでふとあおるに疑問が浮かんだ。
「み、緑川・・・」
「何?」
「なんで美守さんと話しちゃだめなの・・・?」
言った瞬間、緑川の雰囲気が変わった気がした。
「・・・・・・本気でむかつくなぁ・・・」
緑川の冷めた目が、この至近距離が、怖い。
「今までそんなこと無かったのにな・・・」
「っ・・・・・・?」
「俺の命令を聞かなかった時も、反抗して睨んで来た時も、俺に嘘ついた時も、俺を避けた事も・・・全部美守と話すようになってからじゃねぇかよ」
結局、掛田家は緑川家に住まわせてもらっているという大きな借りがあるため、どんなに避けても引っ越さない限り、緑川との縁が切れるはずは無かった。
あの時逆らわなければよかった、避けなければよかったと、あおるは今までの事を後悔した。
「あの家に住めて、まともに学校行けて、生活できるだけでもありがたく思うのって当然だよな?」
「う、うん・・・」
「なにも恩返し出来ないあおるが何でも俺の言う通りにするのは当たり前だと思うけど?」
緑川はあおるを洗脳するかのように言葉を続けた。
そんな風に言われると緑川の言う事が正しいような気さえしてくる。
―――引っ越すまで。大人になって引っ越すまで我慢しさえすればいいんだ・・・!
「こ、これからもちゃんと・・・緑川の言うことき、」
「あおる」
あおるの言葉は緑川に遮られた。
「・・・あおるは、俺と美守どっちが大切?」
―――そんなの決まってる。
(・・・・・・美守さん)
「・・・・・・緑川」
あおるの答えを聞いた緑川は綺麗な微笑みを作った。
「じゃあ隣に美守は要らないよな。明日、あおるから美守に俺と席を替わるように言っといて」
そうしたらもう無理やり外に連れて行かねぇよ、と耳元でボソリと付け足す。
「言えるよな?」
「・・・うっ・・・うん・・・」
「・・・なんで泣くかな?」
緑川は両手であおるの輪郭をそっと捉えると、溢れる涙を親指でぬぐった。
「・・・うぅっ・・・わかんな・・・い・・・っ」
一度流れた涙はすぐには止まらなくて。
美守との接点を奪われた事だけじゃなく、嫌がらせのこと、緑川のことなど、色んなものがどんどん溢れてくる。
「あおる・・・」
「――っ!!?」
緑川の顔が近づき、ポロポロとあおるの目から溢れてくる涙を今度は舌で舐めた。
「あおるの泣き顔って、ゾクゾクする」
「っ・・・・・・!」
そう言う緑川の妖艶な笑みにあおるは言葉を失った。
1人でさびしい奴、っとまた緑川に言われるかもしれない。
緑川の腕に挟まれたままのあおるは俯いた。
「美守は教室にいるだろ?どうせ話しかけられたら喜んで答えるんだろ?」
なぁ?とあおるの顎をクイッと上げ、俯いたあおると視線を合わせた。
「っ話しかけられたら・・・その時はちゃんと答えるよ」
「なら尚更。昼休みは外」
緑川にスパッと言い切られる。
なぜ外に連れ出すのはやめてほしいという話から美守の話へ飛ぶのだろうか。ここでふとあおるに疑問が浮かんだ。
「み、緑川・・・」
「何?」
「なんで美守さんと話しちゃだめなの・・・?」
言った瞬間、緑川の雰囲気が変わった気がした。
「・・・・・・本気でむかつくなぁ・・・」
緑川の冷めた目が、この至近距離が、怖い。
「今までそんなこと無かったのにな・・・」
「っ・・・・・・?」
「俺の命令を聞かなかった時も、反抗して睨んで来た時も、俺に嘘ついた時も、俺を避けた事も・・・全部美守と話すようになってからじゃねぇかよ」
結局、掛田家は緑川家に住まわせてもらっているという大きな借りがあるため、どんなに避けても引っ越さない限り、緑川との縁が切れるはずは無かった。
あの時逆らわなければよかった、避けなければよかったと、あおるは今までの事を後悔した。
「あの家に住めて、まともに学校行けて、生活できるだけでもありがたく思うのって当然だよな?」
「う、うん・・・」
「なにも恩返し出来ないあおるが何でも俺の言う通りにするのは当たり前だと思うけど?」
緑川はあおるを洗脳するかのように言葉を続けた。
そんな風に言われると緑川の言う事が正しいような気さえしてくる。
―――引っ越すまで。大人になって引っ越すまで我慢しさえすればいいんだ・・・!
「こ、これからもちゃんと・・・緑川の言うことき、」
「あおる」
あおるの言葉は緑川に遮られた。
「・・・あおるは、俺と美守どっちが大切?」
―――そんなの決まってる。
(・・・・・・美守さん)
「・・・・・・緑川」
あおるの答えを聞いた緑川は綺麗な微笑みを作った。
「じゃあ隣に美守は要らないよな。明日、あおるから美守に俺と席を替わるように言っといて」
そうしたらもう無理やり外に連れて行かねぇよ、と耳元でボソリと付け足す。
「言えるよな?」
「・・・うっ・・・うん・・・」
「・・・なんで泣くかな?」
緑川は両手であおるの輪郭をそっと捉えると、溢れる涙を親指でぬぐった。
「・・・うぅっ・・・わかんな・・・い・・・っ」
一度流れた涙はすぐには止まらなくて。
美守との接点を奪われた事だけじゃなく、嫌がらせのこと、緑川のことなど、色んなものがどんどん溢れてくる。
「あおる・・・」
「――っ!!?」
緑川の顔が近づき、ポロポロとあおるの目から溢れてくる涙を今度は舌で舐めた。
「あおるの泣き顔って、ゾクゾクする」
「っ・・・・・・!」
そう言う緑川の妖艶な笑みにあおるは言葉を失った。
48
あなたにおすすめの小説
イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺
スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。
大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?
【短編+連載版】一度も話したことないイケメンのクラスメイトと二人組になったらめちゃくちゃ執着されてた
時
BL
サクッと読みたい方は短編版(約5000字)をどうぞ!
◇◇◇
「はい、じゃあ二人組作って」──あまり人付き合いが得意ではない夏稀(なつき)にとってそれは地獄の言葉。
けれど高校ではちがう。なぜなら新しくできた友達と『二人組』協定を結んだから。
もう二人組なんて怖くないと思っていた矢先、その友達が風邪で欠席。
ほかに組む相手が見つからず、先生と組むことも覚悟する夏稀だったが、そこで声をかけてきたのは美形の転校生──緒川聖夜(おがわ・きよや)だった。
「俺と二人組にならない?」
その一言をきっかけに聖夜は夏稀との距離を急速に縮めてきて──。
執着美形攻め×平凡受けのちょっと不穏な学園BL。
◇◇◇
いいね、エールありがとうございます!嬉しいですー!
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
可哀想は可愛い
綿毛ぽぽ
BL
平民、ビビり、陰キャなセシリオは王立魔術学園へ入学を機に高校デビューを目指したが敢え無く失敗し不良のパシリをさせられる毎日。
同室者の男にも呆れられ絶望するセシリオに天使のような男が現れるが、彼もかなりイカれた野郎のようで……?セシリオは理想の平和な学園生活を送る事が出来るだろうか。また激重感情を抱えた男から逃げられるだろうか。
「むむむ無理無理!助けて!」
━━━━━━━━━━━
ろくな男はいません。
世界観がごちゃごちゃです。余り深く考えずに暖かい目で読んで頂けたら、と思います。
表紙はくま様からお借りしました。
きみが隣に
すずかけあおい
BL
いつもひとりでいる矢崎は、ある日、人気者の瀬尾から告白される。
瀬尾とほとんど話したことがないので断ろうとすると、「友だちからでいいから」と言われ、友だちからなら、と頷く。
矢崎は徐々に瀬尾に惹かれていくけれど――。
〔攻め〕瀬尾(せお)
〔受け〕矢崎(やざき)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる