40 / 93
40(緑川視点)
しおりを挟む
あの時、憎いと言ったのは本心だった。
大嫌いだと言われたことは別にどうだってよかった。
不思議なくらいに心が“無”だった。
もうどう思われようがどうでもいい。
―――ただ、忘れる事だけは許せない。
8年くらい前、幼稚園の頃からずっと一緒だった。
どんな形でも自分の存在があおるの中で一番なんだと思っていたし、実際その通りだった。
最初は普通に仲の良い友達同士だった。
5歳の時、あおると初めて喧嘩してお互いヒートアップした結果、あおるが負けて泣いて俺に謝ってきた。
ポロポロ涙を流して一心に俺を見てくるあおるの目には俺以外誰も映っていなくて、とにかく胸がざわついた。
幼稚園の先生がそんな俺たちを見つけて、二人ともお互いに謝りあって一応仲直りをした。
先生は俺が喧嘩したことにひどく驚いていた。
俺の他にも友達が居たあおるは、俺と仲直りをした途端に「さっきはごめんね」と申し訳なさそうに笑いながら言うと、別の友達の方へ元気よく駆けて行ってしまった。
さっきまでは俺しか見てなかったのに。
走り去るあおるの背中を見てどうしようもない熱い気持ちが込み上げてきた事を中学に上がろうとする今でも覚えている。
先生やみんなの前で良い子にしすぎるとその反動がどこかで表れる。
俺の場合はあおるだった。
あおるが違う友達と仲良くしている姿を見て無性にイライラして、不機嫌な俺の言動に最初は戸惑っていたようで、俺に気を遣っているのも分かっていた。
金持ちという家柄と良い子で通していた甲斐があって、あおるから友達を遠ざけるのは簡単だった。
俺のせいで困ってるあおるを見て、俺を優先させるあおるを見て、妙な優越感があった。
ただ・・・いつの間にかあおるは俺の顔色を窺うようになっていた。
これまであおるの中で自分が一番だったに違いないのに。
少し話したくらいであっさりとあの女を好きになったあおるにどうしようもないくらい腹が立った。
八つ当たりや殴るなんてそんな事で解消されるような気持ちなんかじゃない。
まして美守なんて怒りの対象ですらない。
最悪な気分だった。
―――俺はあおるが憎いよ・・・・・・メチャクチャにしてやりたいほど。
別れ際、俺の事があおるの頭からいつまでも離れないように、と言い残した。
綺麗な言葉で別れるよりも、強く記憶に残るように。
大嫌いだと言われたことは別にどうだってよかった。
不思議なくらいに心が“無”だった。
もうどう思われようがどうでもいい。
―――ただ、忘れる事だけは許せない。
8年くらい前、幼稚園の頃からずっと一緒だった。
どんな形でも自分の存在があおるの中で一番なんだと思っていたし、実際その通りだった。
最初は普通に仲の良い友達同士だった。
5歳の時、あおると初めて喧嘩してお互いヒートアップした結果、あおるが負けて泣いて俺に謝ってきた。
ポロポロ涙を流して一心に俺を見てくるあおるの目には俺以外誰も映っていなくて、とにかく胸がざわついた。
幼稚園の先生がそんな俺たちを見つけて、二人ともお互いに謝りあって一応仲直りをした。
先生は俺が喧嘩したことにひどく驚いていた。
俺の他にも友達が居たあおるは、俺と仲直りをした途端に「さっきはごめんね」と申し訳なさそうに笑いながら言うと、別の友達の方へ元気よく駆けて行ってしまった。
さっきまでは俺しか見てなかったのに。
走り去るあおるの背中を見てどうしようもない熱い気持ちが込み上げてきた事を中学に上がろうとする今でも覚えている。
先生やみんなの前で良い子にしすぎるとその反動がどこかで表れる。
俺の場合はあおるだった。
あおるが違う友達と仲良くしている姿を見て無性にイライラして、不機嫌な俺の言動に最初は戸惑っていたようで、俺に気を遣っているのも分かっていた。
金持ちという家柄と良い子で通していた甲斐があって、あおるから友達を遠ざけるのは簡単だった。
俺のせいで困ってるあおるを見て、俺を優先させるあおるを見て、妙な優越感があった。
ただ・・・いつの間にかあおるは俺の顔色を窺うようになっていた。
これまであおるの中で自分が一番だったに違いないのに。
少し話したくらいであっさりとあの女を好きになったあおるにどうしようもないくらい腹が立った。
八つ当たりや殴るなんてそんな事で解消されるような気持ちなんかじゃない。
まして美守なんて怒りの対象ですらない。
最悪な気分だった。
―――俺はあおるが憎いよ・・・・・・メチャクチャにしてやりたいほど。
別れ際、俺の事があおるの頭からいつまでも離れないように、と言い残した。
綺麗な言葉で別れるよりも、強く記憶に残るように。
40
あなたにおすすめの小説
イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺
スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。
大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?
【短編+連載版】一度も話したことないイケメンのクラスメイトと二人組になったらめちゃくちゃ執着されてた
時
BL
サクッと読みたい方は短編版(約5000字)をどうぞ!
◇◇◇
「はい、じゃあ二人組作って」──あまり人付き合いが得意ではない夏稀(なつき)にとってそれは地獄の言葉。
けれど高校ではちがう。なぜなら新しくできた友達と『二人組』協定を結んだから。
もう二人組なんて怖くないと思っていた矢先、その友達が風邪で欠席。
ほかに組む相手が見つからず、先生と組むことも覚悟する夏稀だったが、そこで声をかけてきたのは美形の転校生──緒川聖夜(おがわ・きよや)だった。
「俺と二人組にならない?」
その一言をきっかけに聖夜は夏稀との距離を急速に縮めてきて──。
執着美形攻め×平凡受けのちょっと不穏な学園BL。
◇◇◇
いいね、エールありがとうございます!嬉しいですー!
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
可哀想は可愛い
綿毛ぽぽ
BL
平民、ビビり、陰キャなセシリオは王立魔術学園へ入学を機に高校デビューを目指したが敢え無く失敗し不良のパシリをさせられる毎日。
同室者の男にも呆れられ絶望するセシリオに天使のような男が現れるが、彼もかなりイカれた野郎のようで……?セシリオは理想の平和な学園生活を送る事が出来るだろうか。また激重感情を抱えた男から逃げられるだろうか。
「むむむ無理無理!助けて!」
━━━━━━━━━━━
ろくな男はいません。
世界観がごちゃごちゃです。余り深く考えずに暖かい目で読んで頂けたら、と思います。
表紙はくま様からお借りしました。
きみが隣に
すずかけあおい
BL
いつもひとりでいる矢崎は、ある日、人気者の瀬尾から告白される。
瀬尾とほとんど話したことがないので断ろうとすると、「友だちからでいいから」と言われ、友だちからなら、と頷く。
矢崎は徐々に瀬尾に惹かれていくけれど――。
〔攻め〕瀬尾(せお)
〔受け〕矢崎(やざき)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる