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ファーストフード店で夕食を食べた後、霧丘は心配だとか言って断るあおるを押し切って家まで送ってくれた。
自分だって男だから大丈夫だって言っても聞き入れてくれなかった。
確かに中一とは思えないくらい大人っぽい見た目の霧丘に比べると子どもっぽいかもしれない。
だけど身長だって人並みだし、金目の物なんて何も持ってないのに・・・何が心配なんだろう。
それでも今日は本当に楽しかった。
空腹だった事もあるかもしれないが、今日食べたハンバーガーはここ最近食べた中で一番美味しかった。
あおるは1日を振り返ると無意識に頬が緩んだ。
また行きたい。
次は自分から誘おうかな、なんて思いながらあおるはホカホカな気分で布団に潜った。
―――その夜、あおるは珍しく夢をみた。
放課後、誰も居ない教室で今度は自分が緑川に勉強を教わっている。
「・・・あ、あおる。そこ違う」
先に宿題を終えた緑川が頬杖ついて、あくびをしながらあおるの間違いを指摘した。
「えっ、どこ?」
「さぁ・・・?もっかい計算し直したら?」
意地悪そうにニヤつく緑川。
「むぅ・・・教えてよ」
ぷくっと頬を膨らませてキッと緑川を睨む。
「ぷっ・・・あおるの顔・・・もち?」
笑いながら手を伸ばし、あおるの頬に触れる。
その手の感触が本当に夢なのかと疑うくらい現実的だ。
頬に手を添えたまま親指で唇をそっとなぞるように触られ、いつもとどこか雰囲気が違う緑川にあおるは戸惑う。
「えっ、え・・・?な、なに・・・・・・緑川っ?!」
そこであおるはバチッと目を覚ました。
「っ・・・・・・ゆ、夢・・・・・・?」
時計を見るとまだ23時すぎ。
あわあわと焦って目覚めたせいで、じわりと手には変な汗を握っていた。
「・・・はぁー・・・・・・」
頬と唇の感触が生々しくて妙な夢だった。
ひとまず夢で良かったと、あおるは安堵してため息をついた。
緑川――・・・
夢に出てくるくらいだ。
夢の中ではケンカ別れする前の頃だったが、自分が思っている以上にあの時言われた憎いという言葉と冷たい目が頭から離れないらしい。
第一、自分も緑川が嫌いなんだから傷つくなんておかしい話しなのに。
はじめから緑川に好かれてないことくらいは実感していたし自分もいつからか顔色を窺うようになって、緑川の事が嫌いになっていった。
だが、嫌いよりも憎い方がはるかに強い感情のように聞こえる。
もしかしたら自分が緑川を嫌っている以上に緑川は自分のことを嫌っていたのかもしれない。
今思うと二回もキスされたが、あれは自分の口を塞いで人の恋路を邪魔するため。
緑川にとってその手段だったに違いない。
あの時はそれどころじゃなかったが、そういう事は好きな人同士がするものだと思っていたあおるは理想を壊され、ショックが後から後から込み上げてきた。
「・・・寝れない」
薄暗い自室でポツリと独り言が漏れる。
考え出したらきりが無い。
緑川に直接大嫌いだと言って、喧嘩したまま別れた時はもうこの家を追い出されるかと思った。
でも、今もこの家に住めている。
緑川の母親は相変わらず忙しそうだが、偶然会った時には優しく接してくれる。
実の母親も良くも悪くも何一つとして変わってない。
緑川に飛ばされた美守さんからの手紙もなんとか探し回って取り戻せたし、時間が経つにつれて恋心は吹っ切れていった。
今思うと住まわせてもらっておいて大嫌いだとか言って少し自分にも悪いところがあったかな、なんて思うが緑川の居ない毎日は穏やかで楽しく過ごせているし、会いたいとは思わない。
―――いつからこうなったんだろう。
ずっと前、幼稚園の頃は一番仲良しだった気がする。
もうあんまり記憶に無い。
ベッドの中でボーッと考えている間に、あおるはまたいつの間にかウトウトと眠りに落ちていた。
自分だって男だから大丈夫だって言っても聞き入れてくれなかった。
確かに中一とは思えないくらい大人っぽい見た目の霧丘に比べると子どもっぽいかもしれない。
だけど身長だって人並みだし、金目の物なんて何も持ってないのに・・・何が心配なんだろう。
それでも今日は本当に楽しかった。
空腹だった事もあるかもしれないが、今日食べたハンバーガーはここ最近食べた中で一番美味しかった。
あおるは1日を振り返ると無意識に頬が緩んだ。
また行きたい。
次は自分から誘おうかな、なんて思いながらあおるはホカホカな気分で布団に潜った。
―――その夜、あおるは珍しく夢をみた。
放課後、誰も居ない教室で今度は自分が緑川に勉強を教わっている。
「・・・あ、あおる。そこ違う」
先に宿題を終えた緑川が頬杖ついて、あくびをしながらあおるの間違いを指摘した。
「えっ、どこ?」
「さぁ・・・?もっかい計算し直したら?」
意地悪そうにニヤつく緑川。
「むぅ・・・教えてよ」
ぷくっと頬を膨らませてキッと緑川を睨む。
「ぷっ・・・あおるの顔・・・もち?」
笑いながら手を伸ばし、あおるの頬に触れる。
その手の感触が本当に夢なのかと疑うくらい現実的だ。
頬に手を添えたまま親指で唇をそっとなぞるように触られ、いつもとどこか雰囲気が違う緑川にあおるは戸惑う。
「えっ、え・・・?な、なに・・・・・・緑川っ?!」
そこであおるはバチッと目を覚ました。
「っ・・・・・・ゆ、夢・・・・・・?」
時計を見るとまだ23時すぎ。
あわあわと焦って目覚めたせいで、じわりと手には変な汗を握っていた。
「・・・はぁー・・・・・・」
頬と唇の感触が生々しくて妙な夢だった。
ひとまず夢で良かったと、あおるは安堵してため息をついた。
緑川――・・・
夢に出てくるくらいだ。
夢の中ではケンカ別れする前の頃だったが、自分が思っている以上にあの時言われた憎いという言葉と冷たい目が頭から離れないらしい。
第一、自分も緑川が嫌いなんだから傷つくなんておかしい話しなのに。
はじめから緑川に好かれてないことくらいは実感していたし自分もいつからか顔色を窺うようになって、緑川の事が嫌いになっていった。
だが、嫌いよりも憎い方がはるかに強い感情のように聞こえる。
もしかしたら自分が緑川を嫌っている以上に緑川は自分のことを嫌っていたのかもしれない。
今思うと二回もキスされたが、あれは自分の口を塞いで人の恋路を邪魔するため。
緑川にとってその手段だったに違いない。
あの時はそれどころじゃなかったが、そういう事は好きな人同士がするものだと思っていたあおるは理想を壊され、ショックが後から後から込み上げてきた。
「・・・寝れない」
薄暗い自室でポツリと独り言が漏れる。
考え出したらきりが無い。
緑川に直接大嫌いだと言って、喧嘩したまま別れた時はもうこの家を追い出されるかと思った。
でも、今もこの家に住めている。
緑川の母親は相変わらず忙しそうだが、偶然会った時には優しく接してくれる。
実の母親も良くも悪くも何一つとして変わってない。
緑川に飛ばされた美守さんからの手紙もなんとか探し回って取り戻せたし、時間が経つにつれて恋心は吹っ切れていった。
今思うと住まわせてもらっておいて大嫌いだとか言って少し自分にも悪いところがあったかな、なんて思うが緑川の居ない毎日は穏やかで楽しく過ごせているし、会いたいとは思わない。
―――いつからこうなったんだろう。
ずっと前、幼稚園の頃は一番仲良しだった気がする。
もうあんまり記憶に無い。
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