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翌日の放課後。
あおるは母親に確認してもらった願書や書類などを担任に手渡すべく職員室を訪ねた。
失礼しますと言って入室し、担任のもとへ行く。
「先生、願書持ってきました」
「おお、そうか!・・・・・・よし、不備は無いな。確かに受け取ったぞ」
担任は願書の記入漏れが無いか確認し終えると、ポンッとあおるの肩に手を置き、頑張れよ!と励ました。
「もし掛田が碧翠の推薦受かれば、E組出身で前例のない快挙だ!」
笑いながらそう言う担任の目は期待からか、とても活き活きしていた。
「せ、精一杯頑張ります・・・!」
決めたからには全力を出すつもりだと、その意を込めてあおるは力強く答えた。
「・・・あおる、これからしばらく勉強ばっかりになるよなぁ」
帰り道、霧丘と二人で並んで歩いているとふと横から声がした。
霧丘には同じ高校を受ける事にした、と担任よりも早く朝一番に報告していた。
「うん、これまで以上に勉強しないとだから・・・」
「あおるなら出来るよ。俺最初なんでE組なんだって思ったくらいだし」
わざとテストで手を抜いていたこと、
小学校の時の顔見知りを避けたかったこと、
ある人物からいいように扱き使われてきたこと、
あおるはこれらについて霧丘に一切話さなかった。
霧丘を信用してないとかそんなんじゃなくて、ただ毎日が穏やかで楽しかったから。
そんな事を話すきっかけも分からなかった。
前は辛い思いをいっぱいしたけれど、別に今は全然平気だし、ぶり返してまで話すような事でもないと思う。
「これで俺が受かれば・・・霧丘と中高ずっと一緒だ・・・!」
あおるは目をキラキラさせて霧丘に言う。
霧丘と一緒ならきっと、いや絶対楽しい高校生活が送れる。
そう思うと余計に勉強へのやる気が湧いてくる。
「あ、ああ・・・そうだな!」
あおるの笑顔を見た霧丘はなぜか胸がドキッと脈打つのを感じた。
霧丘はそんな自分に動揺してあおるから咄嗟に視線を逸らした。
あおるは霧丘の内心の動揺なんて全く気付いていないようで、帰ったらまず今までの復習かなぁ、なんて独り言を言っている。
あおるは基本的にあまり笑わないし、腹を抱えて大声で笑ったりするほうじゃない。
そんなあおるが時々見せるふとした笑顔を見る度たびに霧丘はドキリとしていた。
顔は当たり障りも無くいたって普通なのに、笑うあおるが可愛く見えて仕方が無い。
直接本人には言わないけれど。
いつの間にかもっと笑顔が見たいとすら思うようになっていた。
中でも特に入学当初、初めて話しかけた時。
あの時のあおるの心から嬉しそうな笑顔が目に焼きついている。
これまで霧丘は自分から話しかける事で嬉しそうに答えてくれる友達も沢山いたけれど、ここまで嬉しそうに答えられたのはあおるが初めてだった。
心から仲良くなりたいと思った。
霧丘は口角が僅かに上がっているあおるの横顔をチラリと見た。
このもやもやとする名付けようの無い気持ちは何なのだろう。
「・・・まあ、頑張れよ!俺も全力で応援してるから!」
そう言ってこのもやもやした気持ちを振り切るように霧丘はあおるの頭をクシャクシャと撫でた。
霧丘にはよく頻繁に頭をクシャクシャにされるけれど、あおるにはそれが心地よかったりした。
あおるは母親に確認してもらった願書や書類などを担任に手渡すべく職員室を訪ねた。
失礼しますと言って入室し、担任のもとへ行く。
「先生、願書持ってきました」
「おお、そうか!・・・・・・よし、不備は無いな。確かに受け取ったぞ」
担任は願書の記入漏れが無いか確認し終えると、ポンッとあおるの肩に手を置き、頑張れよ!と励ました。
「もし掛田が碧翠の推薦受かれば、E組出身で前例のない快挙だ!」
笑いながらそう言う担任の目は期待からか、とても活き活きしていた。
「せ、精一杯頑張ります・・・!」
決めたからには全力を出すつもりだと、その意を込めてあおるは力強く答えた。
「・・・あおる、これからしばらく勉強ばっかりになるよなぁ」
帰り道、霧丘と二人で並んで歩いているとふと横から声がした。
霧丘には同じ高校を受ける事にした、と担任よりも早く朝一番に報告していた。
「うん、これまで以上に勉強しないとだから・・・」
「あおるなら出来るよ。俺最初なんでE組なんだって思ったくらいだし」
わざとテストで手を抜いていたこと、
小学校の時の顔見知りを避けたかったこと、
ある人物からいいように扱き使われてきたこと、
あおるはこれらについて霧丘に一切話さなかった。
霧丘を信用してないとかそんなんじゃなくて、ただ毎日が穏やかで楽しかったから。
そんな事を話すきっかけも分からなかった。
前は辛い思いをいっぱいしたけれど、別に今は全然平気だし、ぶり返してまで話すような事でもないと思う。
「これで俺が受かれば・・・霧丘と中高ずっと一緒だ・・・!」
あおるは目をキラキラさせて霧丘に言う。
霧丘と一緒ならきっと、いや絶対楽しい高校生活が送れる。
そう思うと余計に勉強へのやる気が湧いてくる。
「あ、ああ・・・そうだな!」
あおるの笑顔を見た霧丘はなぜか胸がドキッと脈打つのを感じた。
霧丘はそんな自分に動揺してあおるから咄嗟に視線を逸らした。
あおるは霧丘の内心の動揺なんて全く気付いていないようで、帰ったらまず今までの復習かなぁ、なんて独り言を言っている。
あおるは基本的にあまり笑わないし、腹を抱えて大声で笑ったりするほうじゃない。
そんなあおるが時々見せるふとした笑顔を見る度たびに霧丘はドキリとしていた。
顔は当たり障りも無くいたって普通なのに、笑うあおるが可愛く見えて仕方が無い。
直接本人には言わないけれど。
いつの間にかもっと笑顔が見たいとすら思うようになっていた。
中でも特に入学当初、初めて話しかけた時。
あの時のあおるの心から嬉しそうな笑顔が目に焼きついている。
これまで霧丘は自分から話しかける事で嬉しそうに答えてくれる友達も沢山いたけれど、ここまで嬉しそうに答えられたのはあおるが初めてだった。
心から仲良くなりたいと思った。
霧丘は口角が僅かに上がっているあおるの横顔をチラリと見た。
このもやもやとする名付けようの無い気持ちは何なのだろう。
「・・・まあ、頑張れよ!俺も全力で応援してるから!」
そう言ってこのもやもやした気持ちを振り切るように霧丘はあおるの頭をクシャクシャと撫でた。
霧丘にはよく頻繁に頭をクシャクシャにされるけれど、あおるにはそれが心地よかったりした。
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