ずっと君だけ。

しゅく

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「緑川くんお疲れさま!」
「代表挨拶、聞き惚れちゃった」
「さすが王子だよね~」

暫くすると、小柄で可愛い系の男子達を取り巻いた緑川が教室に入って来るのが目に入った。

「そんなことないよ」

褒めちぎる彼らの言葉に緑川は困ったように笑いながら謙遜して答えている。
・・・それが本音かどうかは分からないけど。


緑川は男女問わずモテるが、珍しいことにさっきから男しか寄って来てない気がする。

教室の一番後ろの席に座るあおるは遠くから見てそう思ったが、15人しか居ないこのSクラスには女子が一人も居ないことに気が付いた。

それでも、同性からこんなに沢山の好意を持たれるって凄い・・・
純粋にそう思った。


「あっ!緑川くん!お疲れさま~」

中でも特に目立つ可愛い顔立ちをして、あおるに話しかけて来た唯一の彼もタタッと緑川の元へ駆け寄っていくのが見えた。

「ねぇねぇ緑川くん!今日午前で終わりでしょ?後でお部屋に行ってもいいかなぁ?」

「ちょっとごめんね」

緑川は頬を赤らめながら話しかける彼の言葉を軽く無視し、いつの間にか絡められていた腕をやんわりと退かせる。

「え・・・?」

彼は思いもしなかった緑川の言動に何が起きたか理解できないといった困惑の表情を浮かべている。

「み、緑川く・・・ん?」

名前を呼ばれているのにも関わらず、緑川はそれすらも聞こえないかのように無視してスタスタと歩きながら口を開いた。

「・・・あおる」


―――・・・っ!!?

不意に自分の名前を呼ばれ、驚きのあまり緑川を見ると、綺麗に微笑みながら近づいてくる緑川とバチッと目が合った。
直ぐに目を伏せ、あおるは聞こえない振りを決め込もうとした。
だが、緑川はそれを許さなかった。

「あおる。・・・ねぇ、あおる?」

優しく名前を連呼し、こっちに向かってまっすぐ歩いてくる。
激しく動揺しつつも頑なに目を伏せ続けるあおるの前まで来て緑川は止まった。

「・・・聞こえてるんでしょ?あおる、久しぶりだね」

両手で輪郭を捉えられ、顔を上げられれば間近で視線が交差する。

「・・・・・・っ!」

「すごく会いたかったよ、あおる。これからは・・・ずっと一緒にいれるね」

そう言う緑川の顔は誰もが見惚れる程、綺麗な笑顔だった。
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