ずっと君だけ。

しゅく

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何をされるのだろう・・・
何を言われるのだろう・・・

力ずくで連れて来られた。


緑川は部屋に入ると広いリビングに置かれた大きなソファーにドサッと腰を下ろし、こちらを見る。

「来いよ」

制服のネクタイを緩めながら言った緑川の声が広い部屋に響いた。
逆らう勇気もなく、言われたとおりに移動すると腕を引っ張られ、横に座らせられた。

緑川の機嫌は悪いようで目や表情が冷たい。

ない事を信じたいがこんな至近距離で殴りかかられたり八つ当たりされたらひとたまりもない。
あおるはピリピリとした雰囲気の中、息を殺すようにじっと座っていた。



「・・・あいつ何?」

暫しの沈黙のあと、緑川が口を開いた。

「あいつって・・・霧丘?」

「仲良いんだ」

「えっと・・・う、うん・・・」

「あんなに楽しそうなあおるの顔見たの・・・ずいぶん久々だったなぁ」

あおるが最初強がってた理由がよく分かった、と緑川は抑揚の無い声で言う。

「・・・中学校で仲良くなったんだろ?楽しかった?あいつと同じ高校で嬉しい?あいつが居れば他はどうでもいい?俺からも離れられるって思った?」

次々に投げかけられる問いかけ。
言ってしまえば全部イエスだ。

「なぁ、あおる・・・忘れてない?あおるは俺の言う事聞くしかないって事。必要ないだろ、あんな奴」

このままでは確実に霧丘との仲を引き裂かれる。
そう思ったあおるは慌てて答える。

「こ、これからもちゃんと緑川の言う事は聞く・・・!絶対・・・っ、だから霧丘だけは・・・取らないで・・・!」

あおるは無意識に緑川の上腕の服をギュッと握っていた。

今までの経験上、「無理」という言葉が返ってくるだろう。
それでも懇願せずには居られなかった。

「あー・・・・・・取らないでって言い方も、不快だなぁ」

縋るような目で見るあおるに、容赦なく緑川が冷めた視線を向ける。

「っ・・・もう緑川の前ではしゃいだりして不愉快にさせない!あと3年今まで以上に言う事を聞くから、だから・・・!!」


言った瞬間、緑川の表情が一変した。


「・・・3年?」

「――・・・っ!?」

ふいに緑川にドンッと肩を押され、そのまま視界が反転し、ソファーに押し倒されたのだと分かった。



 
「へぇ・・・あおるは、あと3年だと思ってたんだ?」

「・・・っ」

しまった・・・!
そう思ったが遅かった。


「ね、聞かせてよ・・・その3年後のこと」

綺麗な笑みを作り、さらに距離を詰めてくる緑川にあおるは慌てて答える。

「っ・・・こ、このままじゃ緑川家にも申し訳ないから!」

「ああ、出て行こうと思ってるんだ?」

卒業後は就職して一人暮らしがしたい。
大人になったら遠い所で一人で暮らすんだと、それは小学生の頃から思っていた事。

あおるは言葉にしなかったが、緑川にあっさりと見透かされる。


「・・・いま知れて良かったよ」

言いながら緑川はあおるの下顎を固定すると、強く押さえつけるようにキスをした。

「・・・んぅっ!?・・・な、なにして・・・っ!」

「・・・別の弱みでも握らないとなぁ」

緑川はそう言うと、あおるの首筋に噛み付いた。

「っうぁ!や、やめ・・・!」

チリッと痛みがして、あおるの肌に赤い痕を残す。

息つく間もなく緑川の手がシャツの裾からスルリと中に入り下腹部から脇腹をなぞった。
ふいに親指の腹で胸の突起を撫でられた事に驚き、あおるは身じろいで暴れようとする。

抵抗した際にあおるの手が思いのほか強く緑川の頬を掠めて、緑川の目が鋭くなる。

「っ・・・」

「・・・お互い、痛いのは嫌だろ?」

緑川はあおるの両手を強引に引き上げ、暴れないように来ていたシャツも捲り上げて頭の上で両腕に絡ませた。

「や、嫌だよ緑川・・・こんなのっ!なんで・・・なにす・・・」

手の自由を奪われ、あおるの目が不安と恐怖でゆらゆらと揺れる。

「・・・ふっ、怖い?痛いことはしないよ」

暴れなければ、と緑川が耳元で優しく囁く。
平たい胸を撫でられ、小さな突起をつつかれるとあおるはピクッと体を揺らした。

「・・・っやだやだ・・・嫌だってば・・・っ!」

そのまま突起を指の腹でくにくにと押しつぶしたり、くるくると回すように弄られ、その刺激にツンっと立ち上がる。

もう片方も同じようにされ、両側の突起をきゅっと摘まんだりこねたりされる。



いくら嫌だと言っても止めてくれない。
足をばたつかせようにも緑川がのしかかっていて動けない。


―――信じられない。

緑川からこんなことをされるなんて。
同性でこんなこと・・・緑川はおかしいと思わないのだろうか。

ああ、きっと男女問わずモテる緑川の感覚は自分とは違うのかも知れない・・・。



頭の片隅であおるはそう思った。
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