ずっと君だけ。

しゅく

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酷い喪失感だった。


「・・・っはぁ・・・はぁ・・・っ」

目には涙を溜めて頬を上気させ、肩を上下させて呼吸しながら横たえる。


いつの間にか視界を遮っていたネクタイも緩んでいた。
緑川が外したのか、行為の合間でズレたのか。

緑川が薄く口を開け、手の平に白濁を少し吐き出す仕草をした。
残りをゴクッと飲み込んだのが視界の隅に入ったが、考えが及ばない。

「・・・次はこっち」

「な・・・っ!?ぅあっ・・・!」

緑川が先ほど口から出したものをあおるの後孔へ馴染ませるように塗り、中指をあてがう。
あおるは未知の経験に恐怖を覚え、脱力していた体が一気に強ばった。

「ま、待って緑川・・・!嫌だ!止めて!!」

「・・・痛い事はしないって言っただろ?」

今にも挿入しようとしていた手を止め、不満気にあおるに言う。

「こ、こわい・・・!緑川・・・嫌だ・・・うぅ・・・っ」

とうとうあおるの目に溜まっていた涙が溢れ出す。

「あおるの泣き顔って余計に泣かせたくなるって・・・・・・俺が言ったこと覚えてる?」

あてがった中指をグッと少し入れられた。
体液の滑りで痛みはないが、異物感が込み上げてきて気持ちが悪い。

「くっうあぁ・・・!!」

「まだ指の先しか入れてないよ」



―――酷い。

いつもそうだ。
自分が泣こうが喚こうが必死に懇願しようが、お構いなしで。
他の人には王子様って呼ばれるくらい優しいのに。

まるで自分の事を・・・ストレスの捌け口とでも思っているのではないか、と思う。

それが、辛い。


「・・・うっ・・・うぇっく・・・緑川・・・ひ・・・酷いよ・・・」

「・・・あおるは俺から離れようとしてんだろ?なんでも言う事聞くって言ったよな?」

緑川に問い詰められてもただただ泣くことしかできないあおるに、緑川がちっと舌打ちして指を引き抜き、あおるの腕に絡められていた制服のシャツを剥ぎ取った。

ようやく自由になった腕を引っ張られ体を起こされると、そのまま緑川に抱きしめられた。

「・・・っとに腹立つんだよ・・・・・・どうしようもなく・・・」

掠れた声で緑川が呟くと、あおるを抱きしめる力がギュッと強まった。


はじめて見る緑川に思わず涙が止まる程あおるは戸惑ったけれど、同時にやめてくれたことに対して、安堵の涙が出そうだった。
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