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「・・・は!?キ、キス・・・!?えっ、今?ここで!?」
正気か、と小夏は素っ頓狂な声を上げた。
――放課後。
部活に所属していない小夏と遥は、出された宿題を帰宅前に終わらせようとそのまま教室に居残っていた。
こんな事はしばしばあって、そうした方が帰ってからの時間が有意義に過ごせるという単純な理由。
小夏にとっては成績優秀な遥に教えてもらえるありがたい機会でもあった。
問題の発言は、やるべき宿題を終えて帰宅準備をしていた時だった。
「だ、駄目・・・かな?」
色白の肌を耳まで真っ赤にして言う遥。
遥を失いたくない小夏にとって、拒むという選択肢はもうなかった。
「わ、わかった。ちょっと待ってて」
そう言うと小夏は周囲を見渡す。
それだけじゃ安心できず廊下に出て人気が無いことを確認すると、教室のドアの鍵も閉めて、ようやく遥の所に戻ってきた。
「・・・外すからな」
一応ひと言添えながら小夏は眼鏡のフレームを両手で持ち、それを慎重に外していくと遥の綺麗な瞳が露になる。
その普段から隠れがちな目をもう少し見たくなって、小夏は遥の長く伸ばされた前髪を撫でるようにそっとかき上げた。
「遥って、綺麗な顔してるよな」
きっと自分しか知らないであろう、眼鏡を取った時に表れる遥の顔立ちの良さ。
小夏は顔を近づけ、チュッと唇に軽く触れるとすぐに離れた。
「っ、あ・・・!も、もう一回」
あまりにも短いキスに、たまらず遥が咄嗟に小夏の手首を掴む。
「・・・っ!あと一回だけな!」
「んっ」
物欲しげで切なげな表情をした遥の要求に応えるように、今度は少し長めにキスをした。
口を閉じたまま唇を押し付けあうキス。
さっきより数秒長くキスをして、また離れようとした時。
「ん・・・んむぅっ・・・!?」
急に顔の輪郭を両手で押さえられ、小夏は驚いて身じろいだ。
それでも離そうとしない遥の胸元を両手で押し返し、ぷはっと息継ぎするように離れた。
「・・・ち、ちょっ・・・!くるしいって・・・っ」
腕で口を押さえながら、小夏は上がった息を整えつつ遥に訴えると目が合う。
「小夏、か、かわいい・・・。顔真っ赤だよ」
「そ、それは息が続かなかったからでって、・・・・・・っ!!?」
小夏は遥のズボンがパンパンに膨れ上がっている事に気づいてサッと目を反らす。
「どうかした・・・?小夏」
「い、いや!なんでもない・・・っ!帰ろ!」
気が付いてしまった事を遥に悟られてはいけないと、そう直感が働いて小夏は誤魔化した。
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