7 / 48
高速警察へ
しおりを挟む
92-07
でも何故?空港に勤務していないのだろう?
周と結婚する前、凛子は地上勤務を申し出ていた筈だ。
俊三にもその様な話をしていたので、地上勤務の方が危険も減るね!それに不規則な生活から解放されるから良いと話した。
10年の歳月の長さを感じながら、自分も今頃10年前の事を探している。
しばらくして仲居がやって来て、大浴場の時間と食事処の順番を紙に書いて渡した。
「部屋食ではないのか?」
「人手不足で中々手が回らいので、団体さん以外は夕食も朝食も食事処でお願いしています」事務的に答えて部屋を出て行く。
俊三は取り敢えず大浴場に行く事にして、タオルセット持って向かった。
大浴場には数人の客が居て日本語では無い言葉で何か話して居る。
中国の人の様なイントネーションの言葉。
三人の男性は楽しそうな話し方では無かった。
インバウンドでの旅行の様には思えない。
三人の内の二人は俊三より少し上の様に見えるので、70代半ばか?一人は40代で息子の様だ。
一番若い男性が俊三の方を向いた時、俊三は「あっ!」と小さく声を出した。
そして思わず反対側を向いてしまった。
その顔が周文雄に似ていたからだ。
もしかして、台湾から親兄弟が花巻に遺体を引き取りに?葬儀の為?勝手な想像が俊三の頭を巡る。
声をかけようと思ったが、寸前のところで思いとどまる俊三。
10年も前の顔が似ているのも変な話で、自分の記憶に自信が無くなった。
しばらくして三人は大浴場から上がって行った。
その後食事処でも近くに成ったので仲居に尋ねると、周さんでは無かったので声をかけないで良かったと胸を撫で下ろした。
俊三は自分が予想していない事が起こって動揺していると思った。
凛子は何処に行ったのだろう?事故は本当に凛子の旦那と子供達なのか?
疑問が次々と浮かんでは消えて行く。
眠れる様にビールを一本飲んで食事を終わって、部屋に帰るとテレビを点けた。
偶然か、先日の事故のニュースが流れている。
大型トラックの運転手の大北聡45歳の居眠り運転が事故の直接原因だと伝えて居た。
地元の放送局なので亡くなった方の葬儀の様子や、関係者のコメントが放送されて俊三の目は画面に釘付けに成ったが、周のニュースは三人の名前だけで、写真は無かった。
「周さんの写真が無いのか?」独り言の様に呟く俊三。
その後しばらくテレビを見ていたが、明日の行動予定を考え始める。
警察に行くのが一番手っ取り早い、
寝ながら凛子は何処に行ったのだろう?
上の女の子が8歳、下が6歳と新聞には書いて有った。
少なくとも5~6年前までは一緒に住んでいる筈だ。
亭主と子供を残して凛子は別れたのだろうか?普通では子供を残して消えるとは考え難い。
付き合って居た時も凛子は優しい性格だった。
障害の有る弟の為に風俗でバイトをする様な性格だ。
自分の子供を置いて離婚するとは考えられない。
CAから地上勤務に成って、時間が決まると安定するから良いと別れる寸前聞いた記憶が有る。
九州一週旅行に行った時を思い出す俊三。
二泊三日で福岡空港からレンタカーを借りて、鹿児島から宮崎、大分とドライブをした。
宮崎で都井岬に行こうとドライブ中、足を引きずる女性を見つけ最寄りの駅まで車に乗せてあげた事が有った。
その為、都井岬には行けなかった。
代わりに近くの鵜戸神社に行く事に、そんなに期待していなかった二人はその絶景に「綺麗ね」
「素晴らしい」を連発していた。
海の青と海岸の美しさ、神社の朱色が鮮やかだった。
本殿は海に面した断崖の洞窟の中にあり、神秘な雰囲気だった。
岸壁に運玉投げが、早速凛子が投げたいと言い出した。
眼下の絶壁の亀の形の石に枡形の窪みが有って、この窪みに運玉を男性は左手、女性は右手で五個を投げて一個でも見事入れば願いが叶うと云う。
俊三は左手だから、まるで異なる方向に、それを見て凛子は大笑い。
自分は真剣に投げて「入った」と大きな声を上げたが、バウンドして外に「ああー」と残念そうな声、観光客も次々と投げるが中々入らない。
「ほら、私の一度は入ったよ」と自慢げに言うのだった。
駐車場から結構の距離と登り坂、休憩をしながら、暑さで寝そべる猫に悪戯をして遊ぶ凜子は楽しそうだ。
俊三は凛子の優しさを見た様な気がして、二人の仲が近づいた時に成った。
この時まで二人の関係は依然デリヘルの客とデリ嬢の域を出て居なかったが、不倫の恋人同士に成ったのかも?その夜は宮崎のホテルに泊まったが、二人は燃えた様な気がお互いにしていた。
眠れない夜を過ごして翌日、タクシー運転手石崎が迎えにやって来た。
「高速道路の警察に行こうと思うのだが?」
「高速道路警察隊だね!盛岡南インターの処に在るな!ここから半時間程度で行けますよ!」
旅館を後にタクシーは高速道路に入った。
事故のトンネルは一関なので、ここに行けば大体の事は判ると思う俊三。
到着して係りの人が来るまで随分待たされる。
「何方の家族の方?」ぶっきらぼうに言う。
「周さんの事に付いてお聞きしたいのです!」
「10日程前の一関の事故だな!可哀そうな事故だったな!でも青木さんは関西だね!どんな関係?貴方も台湾の人?」不思議そうに尋ねる警察。
でも何故?空港に勤務していないのだろう?
周と結婚する前、凛子は地上勤務を申し出ていた筈だ。
俊三にもその様な話をしていたので、地上勤務の方が危険も減るね!それに不規則な生活から解放されるから良いと話した。
10年の歳月の長さを感じながら、自分も今頃10年前の事を探している。
しばらくして仲居がやって来て、大浴場の時間と食事処の順番を紙に書いて渡した。
「部屋食ではないのか?」
「人手不足で中々手が回らいので、団体さん以外は夕食も朝食も食事処でお願いしています」事務的に答えて部屋を出て行く。
俊三は取り敢えず大浴場に行く事にして、タオルセット持って向かった。
大浴場には数人の客が居て日本語では無い言葉で何か話して居る。
中国の人の様なイントネーションの言葉。
三人の男性は楽しそうな話し方では無かった。
インバウンドでの旅行の様には思えない。
三人の内の二人は俊三より少し上の様に見えるので、70代半ばか?一人は40代で息子の様だ。
一番若い男性が俊三の方を向いた時、俊三は「あっ!」と小さく声を出した。
そして思わず反対側を向いてしまった。
その顔が周文雄に似ていたからだ。
もしかして、台湾から親兄弟が花巻に遺体を引き取りに?葬儀の為?勝手な想像が俊三の頭を巡る。
声をかけようと思ったが、寸前のところで思いとどまる俊三。
10年も前の顔が似ているのも変な話で、自分の記憶に自信が無くなった。
しばらくして三人は大浴場から上がって行った。
その後食事処でも近くに成ったので仲居に尋ねると、周さんでは無かったので声をかけないで良かったと胸を撫で下ろした。
俊三は自分が予想していない事が起こって動揺していると思った。
凛子は何処に行ったのだろう?事故は本当に凛子の旦那と子供達なのか?
疑問が次々と浮かんでは消えて行く。
眠れる様にビールを一本飲んで食事を終わって、部屋に帰るとテレビを点けた。
偶然か、先日の事故のニュースが流れている。
大型トラックの運転手の大北聡45歳の居眠り運転が事故の直接原因だと伝えて居た。
地元の放送局なので亡くなった方の葬儀の様子や、関係者のコメントが放送されて俊三の目は画面に釘付けに成ったが、周のニュースは三人の名前だけで、写真は無かった。
「周さんの写真が無いのか?」独り言の様に呟く俊三。
その後しばらくテレビを見ていたが、明日の行動予定を考え始める。
警察に行くのが一番手っ取り早い、
寝ながら凛子は何処に行ったのだろう?
上の女の子が8歳、下が6歳と新聞には書いて有った。
少なくとも5~6年前までは一緒に住んでいる筈だ。
亭主と子供を残して凛子は別れたのだろうか?普通では子供を残して消えるとは考え難い。
付き合って居た時も凛子は優しい性格だった。
障害の有る弟の為に風俗でバイトをする様な性格だ。
自分の子供を置いて離婚するとは考えられない。
CAから地上勤務に成って、時間が決まると安定するから良いと別れる寸前聞いた記憶が有る。
九州一週旅行に行った時を思い出す俊三。
二泊三日で福岡空港からレンタカーを借りて、鹿児島から宮崎、大分とドライブをした。
宮崎で都井岬に行こうとドライブ中、足を引きずる女性を見つけ最寄りの駅まで車に乗せてあげた事が有った。
その為、都井岬には行けなかった。
代わりに近くの鵜戸神社に行く事に、そんなに期待していなかった二人はその絶景に「綺麗ね」
「素晴らしい」を連発していた。
海の青と海岸の美しさ、神社の朱色が鮮やかだった。
本殿は海に面した断崖の洞窟の中にあり、神秘な雰囲気だった。
岸壁に運玉投げが、早速凛子が投げたいと言い出した。
眼下の絶壁の亀の形の石に枡形の窪みが有って、この窪みに運玉を男性は左手、女性は右手で五個を投げて一個でも見事入れば願いが叶うと云う。
俊三は左手だから、まるで異なる方向に、それを見て凛子は大笑い。
自分は真剣に投げて「入った」と大きな声を上げたが、バウンドして外に「ああー」と残念そうな声、観光客も次々と投げるが中々入らない。
「ほら、私の一度は入ったよ」と自慢げに言うのだった。
駐車場から結構の距離と登り坂、休憩をしながら、暑さで寝そべる猫に悪戯をして遊ぶ凜子は楽しそうだ。
俊三は凛子の優しさを見た様な気がして、二人の仲が近づいた時に成った。
この時まで二人の関係は依然デリヘルの客とデリ嬢の域を出て居なかったが、不倫の恋人同士に成ったのかも?その夜は宮崎のホテルに泊まったが、二人は燃えた様な気がお互いにしていた。
眠れない夜を過ごして翌日、タクシー運転手石崎が迎えにやって来た。
「高速道路の警察に行こうと思うのだが?」
「高速道路警察隊だね!盛岡南インターの処に在るな!ここから半時間程度で行けますよ!」
旅館を後にタクシーは高速道路に入った。
事故のトンネルは一関なので、ここに行けば大体の事は判ると思う俊三。
到着して係りの人が来るまで随分待たされる。
「何方の家族の方?」ぶっきらぼうに言う。
「周さんの事に付いてお聞きしたいのです!」
「10日程前の一関の事故だな!可哀そうな事故だったな!でも青木さんは関西だね!どんな関係?貴方も台湾の人?」不思議そうに尋ねる警察。
0
あなたにおすすめの小説
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
断罪された薔薇の話
倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。
ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。
とても切ない物語です。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ローザとフラン ~奪われた側と奪った側~
水無月あん
恋愛
私は伯爵家の娘ローザ。同じ年の侯爵家のダリル様と婚約している。が、ある日、私とはまるで性格が違う従姉妹のフランを預かることになった。距離が近づく二人に心が痛む……。
婚約者を奪われた側と奪った側の二人の少女のお話です。
5話で完結の短いお話です。
いつもながら、ゆるい設定のご都合主義です。
お暇な時にでも、お気軽に読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる