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92-017
「森田さん!青木さんが花巻のお寺迄行ったって本当なの?聞いて驚いたわ!」
東京に戻った凛子に須藤課長が驚いて尋ねた。
「本当です!菩提寺の住職に聞きました!」
「本当に森田さんの事を心配しているのね!この前会った時もそう感じたけれど、お母さんが亡くなられた事を聞いて直ぐに花巻まで行く人は中々居ないわよ!お礼を言ったの?」
首を振る凜子。
「どうしてお礼の一言言わないと駄目でしょう?貴女まだ男と女として考えているの?65歳の初老のお爺さんよ!昔の事は忘れて素直にありがとうって言えば良いのよ!」
「、、、、、、、、、」
「10年の間に人は変わるのよ!でも青木さんは昔のままでしょう?」
「、、、、、、、、、、」黙って頷く凛子。
「話すのが怖いのです!」
「どうして?」
「自分の気持ちが壊れそうで、、、、、、、」
「色々有ったからね!」
「あり過ぎです!今ぎりぎりなのです、、、、、、、」
凛子は今の自分を支える限界を感じていたのだ。
「支えが必要だわね!誰か居ないの?」
首を振る凜子。
須藤課長もそれ以上何も言えなかった。
凛子が今青木さんに会ったら倒れ込むかも知れないと悟った。
俊三も元のバイト生活に戻り、一か月後を待つ事にした。
でも先日の夜、我が家を偵察していた女性は誰なのだろう?一人暮らしは物騒だと思う。
そんな時、バイトの仲間が小犬を飼わないか?と話た。
自分の事でも大変なのに子犬?用心には良いが、、、、、
でも生き物を飼うと家を留守には出来ないと思うと飼いたいが、飼えないと諦めた。
家庭ゴミを近所の収集場に持って行くと、近所の主婦門田初美が近寄って来て「青木さん!娘さんが嫁がれたのを最近知ったのですが、奥様も見ませんね!」と話しかけて来た。
顔は見た事が有る程度の俊三だったが、いきない嫌な事を聞くと生返事をすると「もしかして熟年離婚ですか?男一人は大変でしょう?」
「別に不住はしていませんよ!」それだけ言うと踵を返す俊三。
「先日二三日留守されていましたね!お仕事ですか?」
まるで監視をしている様な言葉を背中に投げかけた。
自宅に戻ると俊三は、結構見られているのだと不安に成る。
先日の深夜の女性は?家の様子を見に来たのだろうか?
その日から誰かに見張られている様な気分に成る俊三。
この門田初美は別れた妻順子と仲が良く、一緒に買い物とか町の行事とかをしていた。
順子は自分が去る事を以前から初美には話して居たのだ。
別れた後も何か変わった事が有れば教えて欲しいと頼んでいた。
「私、18年も浮気をされた女だけは許せないのよ!もしも私が離婚してもその女が家に来る事は我慢が出来ないのよ!何か有れば教えてね」そう云って頼み込んでいた。
「判ったわ!見張ってあげるわ!何か有れば直ぐに連絡する」好奇心の塊の様な初美。
そんな約束をしていた二人。
翌日、意外な人から俊三に電話が入った。
以前勤めて居た大同印刷の社長村永幸太郎からの電話だった。
内容は東京の大学教授で望月林太が臍を曲げてしまって困っていると云うのだ。
以前の担当の俊三になら原稿を頼むが、今の担当者は馬が合わないので嫌だと拒絶反応が凄いと云うのだ。
もう退職して半年以上経過しているので、仕事の事は忘れたと断る俊三だが、望月教授が4月から学長に成ると云う。
大學全ての印刷が他所の印刷屋に行く可能性を言われて、社長自ら俊三の説得に乗り出したのだ。
30年以上世話に成った会社の社長自らの頼みを断れない俊三。
今ののんびりした生活も捨てがたいと思う。
少し考えさせて欲しいとその場は凌いだが、決断が必要に成るのは間違い無い。
電話を切って数分後「月に一度で良い!望月学長の機嫌を損ねない様に会って欲しい!ホテルも良い所を準備する!頼むよ!」と懇願された。
月に二日だけなら、今の仕事の合間に行けるか?この時、俊三の頭に凛子の事は無かった。
この仕事が二人を再び引き寄せるとは、、、、、、
確かに、あの望月教授は堅物で、話が合う様に成るまで随分時間を要した。
だが一度心を許すと、信頼関係が構築されたのか俊三の事を酔っ払うと俊と呼んで親しみを感じさせた。
退職の挨拶では餞別迄くれたのだ。
上手く引き継げたと思っていたが、実情はそうではなかった様だ。
その望月教授が学長に成って、権力を持ったので教授達の書物の発行に口出す事は充分考えられる。
大學に近くて関西から行くのに便利な場所が理想的だと、翌日社長が準備したのは品川の駅前のホテルだった。
そこは凛子と初めて結ばれたホテルで、村永社長は全く知らずに俊三に連絡して来た。
18年前でも高級ホテルだったので、今でも同じで高いと思った。
「月に一度で良いので行って欲しい!10万の手当てでどうだ!奥さん喜ぶぞ!」
「、、、、、、、、、、、、」社長の傷口に塩の様な言葉は俊三の胸に突き刺さった。
「10万では不足か?」
「そうじゃないです!妻は居ません!」ぼそっと言う俊三。
「えっ、娘さんの結婚式の時は元気だったのに、病気だったのか?」驚く社長。
「違います!離婚です!結婚式の日に離婚を言われました!」
「えっ、あんなに嬉しそうだったのに?熟年離婚か?」
「まあ、そんな感じです!」
「今、君ひとりで暮らして居るのか?」
「は、はい!そうです」
「寂しい事だな!、、、、、、、、」言葉に詰まる村永社長。
結局俊三は村永社長の頼みを受け入れる事にした。
「森田さん!青木さんが花巻のお寺迄行ったって本当なの?聞いて驚いたわ!」
東京に戻った凛子に須藤課長が驚いて尋ねた。
「本当です!菩提寺の住職に聞きました!」
「本当に森田さんの事を心配しているのね!この前会った時もそう感じたけれど、お母さんが亡くなられた事を聞いて直ぐに花巻まで行く人は中々居ないわよ!お礼を言ったの?」
首を振る凜子。
「どうしてお礼の一言言わないと駄目でしょう?貴女まだ男と女として考えているの?65歳の初老のお爺さんよ!昔の事は忘れて素直にありがとうって言えば良いのよ!」
「、、、、、、、、、」
「10年の間に人は変わるのよ!でも青木さんは昔のままでしょう?」
「、、、、、、、、、、」黙って頷く凛子。
「話すのが怖いのです!」
「どうして?」
「自分の気持ちが壊れそうで、、、、、、、」
「色々有ったからね!」
「あり過ぎです!今ぎりぎりなのです、、、、、、、」
凛子は今の自分を支える限界を感じていたのだ。
「支えが必要だわね!誰か居ないの?」
首を振る凜子。
須藤課長もそれ以上何も言えなかった。
凛子が今青木さんに会ったら倒れ込むかも知れないと悟った。
俊三も元のバイト生活に戻り、一か月後を待つ事にした。
でも先日の夜、我が家を偵察していた女性は誰なのだろう?一人暮らしは物騒だと思う。
そんな時、バイトの仲間が小犬を飼わないか?と話た。
自分の事でも大変なのに子犬?用心には良いが、、、、、
でも生き物を飼うと家を留守には出来ないと思うと飼いたいが、飼えないと諦めた。
家庭ゴミを近所の収集場に持って行くと、近所の主婦門田初美が近寄って来て「青木さん!娘さんが嫁がれたのを最近知ったのですが、奥様も見ませんね!」と話しかけて来た。
顔は見た事が有る程度の俊三だったが、いきない嫌な事を聞くと生返事をすると「もしかして熟年離婚ですか?男一人は大変でしょう?」
「別に不住はしていませんよ!」それだけ言うと踵を返す俊三。
「先日二三日留守されていましたね!お仕事ですか?」
まるで監視をしている様な言葉を背中に投げかけた。
自宅に戻ると俊三は、結構見られているのだと不安に成る。
先日の深夜の女性は?家の様子を見に来たのだろうか?
その日から誰かに見張られている様な気分に成る俊三。
この門田初美は別れた妻順子と仲が良く、一緒に買い物とか町の行事とかをしていた。
順子は自分が去る事を以前から初美には話して居たのだ。
別れた後も何か変わった事が有れば教えて欲しいと頼んでいた。
「私、18年も浮気をされた女だけは許せないのよ!もしも私が離婚してもその女が家に来る事は我慢が出来ないのよ!何か有れば教えてね」そう云って頼み込んでいた。
「判ったわ!見張ってあげるわ!何か有れば直ぐに連絡する」好奇心の塊の様な初美。
そんな約束をしていた二人。
翌日、意外な人から俊三に電話が入った。
以前勤めて居た大同印刷の社長村永幸太郎からの電話だった。
内容は東京の大学教授で望月林太が臍を曲げてしまって困っていると云うのだ。
以前の担当の俊三になら原稿を頼むが、今の担当者は馬が合わないので嫌だと拒絶反応が凄いと云うのだ。
もう退職して半年以上経過しているので、仕事の事は忘れたと断る俊三だが、望月教授が4月から学長に成ると云う。
大學全ての印刷が他所の印刷屋に行く可能性を言われて、社長自ら俊三の説得に乗り出したのだ。
30年以上世話に成った会社の社長自らの頼みを断れない俊三。
今ののんびりした生活も捨てがたいと思う。
少し考えさせて欲しいとその場は凌いだが、決断が必要に成るのは間違い無い。
電話を切って数分後「月に一度で良い!望月学長の機嫌を損ねない様に会って欲しい!ホテルも良い所を準備する!頼むよ!」と懇願された。
月に二日だけなら、今の仕事の合間に行けるか?この時、俊三の頭に凛子の事は無かった。
この仕事が二人を再び引き寄せるとは、、、、、、
確かに、あの望月教授は堅物で、話が合う様に成るまで随分時間を要した。
だが一度心を許すと、信頼関係が構築されたのか俊三の事を酔っ払うと俊と呼んで親しみを感じさせた。
退職の挨拶では餞別迄くれたのだ。
上手く引き継げたと思っていたが、実情はそうではなかった様だ。
その望月教授が学長に成って、権力を持ったので教授達の書物の発行に口出す事は充分考えられる。
大學に近くて関西から行くのに便利な場所が理想的だと、翌日社長が準備したのは品川の駅前のホテルだった。
そこは凛子と初めて結ばれたホテルで、村永社長は全く知らずに俊三に連絡して来た。
18年前でも高級ホテルだったので、今でも同じで高いと思った。
「月に一度で良いので行って欲しい!10万の手当てでどうだ!奥さん喜ぶぞ!」
「、、、、、、、、、、、、」社長の傷口に塩の様な言葉は俊三の胸に突き刺さった。
「10万では不足か?」
「そうじゃないです!妻は居ません!」ぼそっと言う俊三。
「えっ、娘さんの結婚式の時は元気だったのに、病気だったのか?」驚く社長。
「違います!離婚です!結婚式の日に離婚を言われました!」
「えっ、あんなに嬉しそうだったのに?熟年離婚か?」
「まあ、そんな感じです!」
「今、君ひとりで暮らして居るのか?」
「は、はい!そうです」
「寂しい事だな!、、、、、、、、」言葉に詰まる村永社長。
結局俊三は村永社長の頼みを受け入れる事にした。
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