初冬

杉山 実

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復讐の火種

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  92-045
月曜日の夕方、待ちに待った探偵社からの電話が順子の元に届いた。
「お待たせいたしました!戸籍を調べましたところ、本名は森田凛子さんです。本籍は岩手県の花巻市ですね!」
「岩手県花巻市!やはりね!年齢は?」
「もう直ぐ45歳に成りますね!」
「何処を見ているのよ!45歳の女を36歳って、馬鹿じゃないの」
「私は何も申しておりませんが、、、、、、、」
「他に」
「今回は再婚ですね!前のご主人は台湾の方ですね!周さんと言われる方ですね」
「離婚ね!」
「はい!5年程前に離婚されています!子供さんが二人居らっしゃいます」
「二人の子持ちで離婚なの?」
「余計な事だとは思いますが、元ご主人と子供さんの事もお調べしますか?」
「そうね、調べて頂戴!何かの役に立つわ」
「台湾への調査を致しますので、しばらくお待ち下さい」
「仕事はCAだったの?」
「はい!昔はCAの様ですが、今は地上勤務ですね!去年までアメリカで三年程仕事をされていますね!これ以上詳しく調べるには別料金に成ります」
「もう充分よ!台湾の別れた亭主の消息だけ調べて下さい」

電話が終わると不機嫌な顔に成って、娘の翔子に電話をする。
「再婚の相手、例の凛子だったわ!許せないわ!」
「援助交際していたの?」
「違うわよ!迎えの門田の叔母さんが凛子の歳を見誤ったのよ!」
「なーんだ、それなら普通だったの?」
「何が普通よ!もう19年も騙された私のも身も成ってよ!腹が立つわ!」
「どうしたいのよ!お母さん!」
「私の家を壊した女と幸せに暮らすのは許せない!」そう叫ぶと電話を切った順子。
娘の翔子は母順子の怒りに不安を覚えた。

翌日門田を近所の喫茶店に呼び出した順子。
「貴女何処に目を付けているのよ!」いきなり怒る順子。
「いきなり何よ!」
「凛子って女もう直ぐ45歳だって聞いたわ!何が36歳よ!」
「で、でも36歳多く見ても39歳位で、とても40代には見えなかったわよ!」
「貴女の言葉ですっかり安心していたのに、どうしてくれるのよ!」
「そんな事言われても、私は好意で調べてあげたのよ!」
「それが大きな間違いで、凛子本人だった!」
「そうは言いますけどね!貴女も彼女を見れば40歳、それも45歳には絶対に見えないわ!」
「一度決着を付けなければ、腹の虫が収まらないわ」
「どうする気よ!」
「頬でも一発ぶん殴ってやりたいわ!」
「それで気が収まるの?でも警察に訴えられたら捕まるわよ!」
「警察が怖くて恨みを晴らせますか?」
勢いに飲まれる門田初美は「な、何か私が出来る事有りますか?」
「そうね、殴るにしても機会を探さないとね!もう少し行動を調べて連絡頂戴!子供が居たら色々有るでしょう?」
「そうね!まだ生まれてひと月なら、お宮参りとかに行くわよね!」
「す、それよ!この辺りなら生田神社が有名よ!昔翔子を連れて参ったわ」
順子は決めつけた様に言って、門田に日取りを聞き出せと言った。
既に頭の中は凛子の頬を平手打ちしている勢いで話した。

数日後、門田は買い物に出る凛子を見つけて「この辺りのお店を教えてあげましょうか?」そう言って近づいて来た。
地理がまだ判らない凛子は「一緒に買い物に行きますから教えて下さい!」と同行する。
門田は途中で宮参りの話をしたが、凛子はまだ決めて無いので俊三と相談すると話した。
今は育休中なので混んでない平日に行く事に成るとも話した。

お宮参りは、赤ちゃんが無事に生まれたことを感謝し、健やかな成長を願う日本の伝統行事です。一般的には、男の子は生後31日目か32日目、女の子は生後32日目か33日目に行うとされていますが、最近では赤ちゃんと母親の体調や家族の都合、気候などを考慮し、柔軟に時期を決めることが増えています。

家に帰ると「宮参りか!行かないと駄目だな!」俊三は暦を見ながら「平日の方が空いているからな!来月の初めの大安」そう言いながら探す。
「天気の良い日が良いわよ!寒いと風邪をひくわ」
「それは困るな!一応1日か7日だな!」
「土曜日ね!連休で多いかも?」
「天気予報を見て決め様!」

門田は順子に宮参りに行く予定らしいと連絡をした。
場所も生田神社で予定を立てる様だと伝える。
話をしてから門田は「何故宮参りを尋ねたの?」
「めでたい日に嫌みの一言でも言ってやろうと思うのよ!それでなくては収まらないわ」
「それで態々子供の宮参りの日を調べたの?」
「向こうはめでたいけれど、こちらはむかつくわ!」と依然ご立腹の様子に怖く成る門田初美。

月末近く成って天気予報を調べ乍ら俊三が「1日に行こう❕数字も最高に良いからな!着物着て行くだろう?」
「美容院予約して着付けも頼まないと、ひとりで着られないわ!」
「美容院か、門田さんに聞いて見よう!」
俊三は門田の家に行き、近くの行きつけの美容院を教えて貰った。
この行動が宮参りの日を確定させてしまったのだ。
運命の出会いに成るのか?日にちを聞いた順子は復讐の段取りに入っていた。

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