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出航
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84-065
翌日、麻結は九州への墓参りの段取りを恐々話すと、浅子は「それで麻結の気持ちの整理が出来るなら行って来なさい!」と機嫌よく許した。
女の一人旅だが、フェリーでの移動に安心感を持った様だ。
誰か男と行くならフェリーを使う事は少ないと思った。
帰りは電車でないと、船だと仕事に間に合わない事も伝えると、遅くてもその日の間に帰れたら良いと言った。
浅子が許したのは、その麻結が留守の間に大森家を訪問して、今回の見合いの決着を付ける予定に成っていたからだ。
既に結婚が決まったと決めつけた浅子は、祖母に色々と聞きに行く。
祖母の志津は「鯖寿司の彼氏と結婚が決まったのかい?良かった!優しい男が一番だ!」と云うので、浅子は怒って教えて貰う予定だったが聞くのを辞めてしまった。
浅子と智光は毎日今後の段取りを話し合って、結納から結婚式の計画を話し合っていた。
麻結は次の日曜は友人二人と神戸で食事会をして、結婚を仄めかす話をした。
二人から母に話が伝わる事を警戒していたのだ。
翌週も母浅子と結婚の段取りの為の買い物に付き合わされる。
祐樹から誘われたが、婚約から結婚の準備で母に買い物につき合うので、、、、、と断る。
麻結は成るべく祐樹には会いたくないと思っている。
会えば必ず写真のモデルにされるだけで、楽しさは殆ど感じられない。
武史と会う事も非常に難しく成っているのも事実だ。
会うと必ず何故?と追及されるからだ。
会う気配を見せなければ、浅子は何も言わず「自然消滅?」と期待を持つ。
lineとか携帯では浅子の目を盗んで武史と連絡はしている麻結。
結局武史と会ったのも祐樹と会うのも、二月の中旬まで一度しか会わなかった麻結。
祐樹は姫路城で寒中撮影デートに成った。
カイロを隠し持って暖を取りながらのモデルをさせられた。
武史とは夕食を明石駅の近くで食べて別れる短い時間だったが、麻結には楽しい時間に成った。
麻結はぎりぎり両親に感ずかれる事無く2月の連休まで時間が過ぎた。
武史とは神戸駅で待ち合わせをしていたが、当日に成って智光がフェリー乗り場まで送ってやろうと言い出した。
変に断ると怪しまれるので「ありがとうお父さん!お願いします!」と言った。
浅子は「墓にお供えする花は準備したの?」と持ち物を見て言う。
線香は準備していたので、言い訳は出来たが、、、、
「向こうの日田で買う事にしているのよ!水が無いから枯れるでしょう?」
その受け答えで逃げる。
lineで父親が送ってくれるので、先にフェリーに乗って下さい!と送る。
だが予約の切符は麻結が持って居るので、武史は先に乗る事は出来なかった。
智光は機嫌よく九州に行くと、明日か明後日に姫路に行く予定にしているので、お互い腹の探り合いの様な状況に成っている。
しばらくして車は神戸港に向けて麻結を乗せて走り出した。
「これで伸一君との事は忘れる様にな!結婚して昔の男の事を気にされたら、面白くないのだよ!」
「判っているわ!私も過去を忘れる為に話に行くのだから、、、、、、」
第二神明から阪神高速に入った時、麻結は「あっ、忘れ物したわ!」
「えっ、何を忘れたのだ!戻ると遅れるぞ!」
「坂上さんへの手土産!忘れた!私の部屋に、、、、」
「大丈夫だ!売店に売っていると思う!着いたら買って来てやる!」
麻結は判っていたが、置いて来たのだ。
智光が送ってくれると言ったので、何かしなければ武史と一緒に行けないと思って咄嗟に思い付いた。
しばらくして神戸港に到着すると「売店を見て来る!乗船手続きをして来なさい!」
「それじゃ、お願いね!」
車を駐車場に止めると、麻結は乗船手続きの場所に向かう。
智光の動きを見ると直ぐに携帯で武史に連絡をした。
武史は既に乗船入り口の傍に待って居る。
手を振る麻結は乗船券に交換して武史の傍に向かう。
「先に乗って!お父さんが来ているから、見つかると大変よ!」
切符を受け取ると武史は直ぐに乗船口から船に入って行った。
携帯が鳴って「麻結!何処だ!」と父の声。
武史が見えなく成るのと殆ど同時に智光が土産を持ってやって来た。
「何を見ていたのだ!」そう言って船を見る智光。
「大きな船だなあ!と見ていたのよ!」誤魔化す。
「これで良いだろう?」菓子の箱を袋に入れて手渡す。
「ありがとう!じゃあ、行って来ます!」
「気を付けて行って来なさい!変な奴も多いから、、、、」
「じゃあ、ありがとう!」そう言うと、乗船口から入って振り返って手を振る麻結。
その麻結の姿を他の人々も綺麗な女性だと見ている。
麻結はその後振り返らず、切符に書かれた場所を探しながら向かった。
しばらくすると出航の知らせが、船内に放送されて動き始める。
「ふー」大きく深呼吸をして安心モードに成った。
部屋はプライベートシングルで、二人だけで過ごせる。
麻結が部屋を見つけてノックすると「はーい」と中から明るい武史の声が聞こえて、扉が開いた。
「まあまあの部屋でしょう?」中を覗く様に見る麻結。
「はい!二人で過ごせるから良い部屋ですよ!昔は雑魚寝の部屋でした!」
「昔乗ったの?」
「この船だったのかなあ?親父と4人で旅行に行った時、沢山居た様な!」
家族旅行の記憶が蘇っていた武史。
二人きりの部屋で初めて過ごすのは、お互い神経が高ぶるのかも知れない。
翌日、麻結は九州への墓参りの段取りを恐々話すと、浅子は「それで麻結の気持ちの整理が出来るなら行って来なさい!」と機嫌よく許した。
女の一人旅だが、フェリーでの移動に安心感を持った様だ。
誰か男と行くならフェリーを使う事は少ないと思った。
帰りは電車でないと、船だと仕事に間に合わない事も伝えると、遅くてもその日の間に帰れたら良いと言った。
浅子が許したのは、その麻結が留守の間に大森家を訪問して、今回の見合いの決着を付ける予定に成っていたからだ。
既に結婚が決まったと決めつけた浅子は、祖母に色々と聞きに行く。
祖母の志津は「鯖寿司の彼氏と結婚が決まったのかい?良かった!優しい男が一番だ!」と云うので、浅子は怒って教えて貰う予定だったが聞くのを辞めてしまった。
浅子と智光は毎日今後の段取りを話し合って、結納から結婚式の計画を話し合っていた。
麻結は次の日曜は友人二人と神戸で食事会をして、結婚を仄めかす話をした。
二人から母に話が伝わる事を警戒していたのだ。
翌週も母浅子と結婚の段取りの為の買い物に付き合わされる。
祐樹から誘われたが、婚約から結婚の準備で母に買い物につき合うので、、、、、と断る。
麻結は成るべく祐樹には会いたくないと思っている。
会えば必ず写真のモデルにされるだけで、楽しさは殆ど感じられない。
武史と会う事も非常に難しく成っているのも事実だ。
会うと必ず何故?と追及されるからだ。
会う気配を見せなければ、浅子は何も言わず「自然消滅?」と期待を持つ。
lineとか携帯では浅子の目を盗んで武史と連絡はしている麻結。
結局武史と会ったのも祐樹と会うのも、二月の中旬まで一度しか会わなかった麻結。
祐樹は姫路城で寒中撮影デートに成った。
カイロを隠し持って暖を取りながらのモデルをさせられた。
武史とは夕食を明石駅の近くで食べて別れる短い時間だったが、麻結には楽しい時間に成った。
麻結はぎりぎり両親に感ずかれる事無く2月の連休まで時間が過ぎた。
武史とは神戸駅で待ち合わせをしていたが、当日に成って智光がフェリー乗り場まで送ってやろうと言い出した。
変に断ると怪しまれるので「ありがとうお父さん!お願いします!」と言った。
浅子は「墓にお供えする花は準備したの?」と持ち物を見て言う。
線香は準備していたので、言い訳は出来たが、、、、
「向こうの日田で買う事にしているのよ!水が無いから枯れるでしょう?」
その受け答えで逃げる。
lineで父親が送ってくれるので、先にフェリーに乗って下さい!と送る。
だが予約の切符は麻結が持って居るので、武史は先に乗る事は出来なかった。
智光は機嫌よく九州に行くと、明日か明後日に姫路に行く予定にしているので、お互い腹の探り合いの様な状況に成っている。
しばらくして車は神戸港に向けて麻結を乗せて走り出した。
「これで伸一君との事は忘れる様にな!結婚して昔の男の事を気にされたら、面白くないのだよ!」
「判っているわ!私も過去を忘れる為に話に行くのだから、、、、、、」
第二神明から阪神高速に入った時、麻結は「あっ、忘れ物したわ!」
「えっ、何を忘れたのだ!戻ると遅れるぞ!」
「坂上さんへの手土産!忘れた!私の部屋に、、、、」
「大丈夫だ!売店に売っていると思う!着いたら買って来てやる!」
麻結は判っていたが、置いて来たのだ。
智光が送ってくれると言ったので、何かしなければ武史と一緒に行けないと思って咄嗟に思い付いた。
しばらくして神戸港に到着すると「売店を見て来る!乗船手続きをして来なさい!」
「それじゃ、お願いね!」
車を駐車場に止めると、麻結は乗船手続きの場所に向かう。
智光の動きを見ると直ぐに携帯で武史に連絡をした。
武史は既に乗船入り口の傍に待って居る。
手を振る麻結は乗船券に交換して武史の傍に向かう。
「先に乗って!お父さんが来ているから、見つかると大変よ!」
切符を受け取ると武史は直ぐに乗船口から船に入って行った。
携帯が鳴って「麻結!何処だ!」と父の声。
武史が見えなく成るのと殆ど同時に智光が土産を持ってやって来た。
「何を見ていたのだ!」そう言って船を見る智光。
「大きな船だなあ!と見ていたのよ!」誤魔化す。
「これで良いだろう?」菓子の箱を袋に入れて手渡す。
「ありがとう!じゃあ、行って来ます!」
「気を付けて行って来なさい!変な奴も多いから、、、、」
「じゃあ、ありがとう!」そう言うと、乗船口から入って振り返って手を振る麻結。
その麻結の姿を他の人々も綺麗な女性だと見ている。
麻結はその後振り返らず、切符に書かれた場所を探しながら向かった。
しばらくすると出航の知らせが、船内に放送されて動き始める。
「ふー」大きく深呼吸をして安心モードに成った。
部屋はプライベートシングルで、二人だけで過ごせる。
麻結が部屋を見つけてノックすると「はーい」と中から明るい武史の声が聞こえて、扉が開いた。
「まあまあの部屋でしょう?」中を覗く様に見る麻結。
「はい!二人で過ごせるから良い部屋ですよ!昔は雑魚寝の部屋でした!」
「昔乗ったの?」
「この船だったのかなあ?親父と4人で旅行に行った時、沢山居た様な!」
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