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誕生
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84-097
山陰の温泉地、湯村温泉に行った二人はそこで二泊してゆっくりする事にした。
「子供が第一のスケジュールですから、麻結が疲れるなら一泊で帰るよ!」
「大丈夫よ!温泉にゆっくり入りたいから来たのよ!客室露天風呂だから、気が根なく過ごせるわ」
「九州の露天風呂に比べると小さいけれど、充分よ!」
「少し伸びて来たでしょう?」鬘を外して湯船に浸かる麻結。
「本当だね!結構伸びているね!」
「普通の人より早いって思うのよ!月に一センチ平均が、私の場合二センチ近いのよ!」
「前のロングには成らないけれど、意外と鬘要らないのは早いかも?」
「美少年だね!」横顔を見て言うと武史の方に顔を向ける。
「こんな美少年は居ないでしょう?」そう言って湯船で立ちあがる麻結。
白い美しい乳房が湯を弾いて、武史の目の前に現れた。
「確かに!麻結の身体は綺麗よ!女性そのものだね!」
「でしょう?」そう言って武史の両腕の中に背中を向けて沈む。
既に5センチ程の髪が、温泉の湯にしっとりと色香を漂わせる。
「短いけれど、麻結の髪は本当に美しいね!」
「変態野郎に狙われた原因ね!」
「あの散髪屋のビデオ見せたら卒倒するよね!」
「それはもう言わないで!」そう言うと武史の唇を求めた麻結。
楽しい二人の新婚旅行は一日目の夜を迎えた。
麻生母子は、夫と祖父に叱られて漸く、自分達の行った事を反省した。
祖父の力で刑罰は免れたが、謹慎処分で二度と大森武史夫妻には近づかないと誓約書を書いて放免された。
「祐樹も今回で懲りたでしょう?もう直ぐ子持ちの女に未練は禁物よ!」
「爺ちゃんの顔を潰してしまった!後悔と反省はしている!二度と近づかない!」
「でも何故失敗したのよ!腹が立つわ!」久美子の方が未練が残って居た。
「俺が雇った女かも知れない」
「飼い犬に手を噛まれたの?」
「確たる証拠は無いのですが、刑事が女性二人の証言とか話したので、、、、」
「でももう止めなさい‼お爺様も恥ずかしい思いをして、各所に頼み込まれたのですよ!これ以上何か起こすと、命がって言われましたからね!」
「お爺さんが生きている間は何も出来ないよ!」そう言って諦めた様に言う祐樹。
武史と麻結の新居は姫路の駅前のマンションに成った。
父武男のお祝いとして買ったのだ。
驚いたのは結婚式に出席した福祉課の課長だった。
「あれ、誰?」麻結の花嫁姿を見て呆気にとられていた。
同席の莉子達が「落合麻結さんですよ!」と言っても信じられなかった。
その麻結は休みが終わって福祉課に出勤して、課内の空域が一変したのは言う迄も無かった。
「こんなに美人だったの?」
「女は化け物だな!」
「もう少し早く判って居たら、お付き合いを、、、、、」とか口々に言った。
「落差が大き過ぎだわ!」
「ご免なさい!昔色々トラブルに成ったので、変装をしていました、、、、これからは人妻なので、、、、」そう言って微笑む。
麻結の美形はその日の間に知れ渡る程大きな変化だった。
真夏に成って、睦が彼氏を連れて実家に帰って来た。
「睦!いつの間に彼氏を?」
小さな家に集まった家族は睦の彼氏に驚いた。
「彼ね!事故で入院していたのよ!それで知り合ったのよ!」
「お姉さんがとても美人だと、日頃から睦さんに聞かされていましたが、本当に美人ですね!」
「お口がお上手ですね!」
「大森の家も賑やかに成って万々歳だな!」武男が嬉しそうにビールを飲みながら言った。
「来年に成ったら、もうひとり増えるけれど、私は嫁に行きます!でも彼もう直ぐ相生に転勤するのよ!だから私達の住まいもこの近くに成るのよ!」
「じゃあ、武史のマンションに住めばどうだ?」
「高いでしょう?お父さんが出してくれるの?」
「頭金位は出してやる!」
「お兄ちゃんも?」
「武史のマンションは、全て出してやったぞ!お祝いだ!こんなに綺麗な奥さんと子供の為に奮発した!」
「頭金でも出して頂けるなら、買おうか?」
「えっ、俊彦さん!本当なの?」
「頑張って働く!」そう言って微笑むと「ありがとう、素敵!」抱きつく睦。
「人前で大胆な娘だ!」武男がその様子に笑みを漏らした。
秋も深まる頃に成ると、大きなお腹の麻結を車で病院に送る武史。
「美人もこのお腹では?」
「男の子でなくて残念ね!」
武史は跡取りが生まれると信じていたので、残念そうに最近では麻結の大きなお腹を見ると必ず言う。
今も小南産婦人科で定期検診を受けている。
普段は役所の帰りに寄れるので、場所的には便利だ。
例の事件が有ったので、麻結には事の他親切で細かい事まで医師自ら教えてくれる。
そんな麻結がクリスマスの夕方に、お腹が痛いと言い始めて小南医師に電話をした。
救急車の手配までして貰って、その日の夜に無事女の子を出産した。
「予定より早かったね!」
「湯布院の占いまた的中だわ!」
「本当だな!後ひとつの成功運って何だろう?これだけが判らないな!」
「私が武史と結婚出来た事じゃないの?成功したわよ!みんなに反対されて、邪魔までされたのに無事に子供も生まれたわ!本当は空蝉の様に生きている筈だったのに、武史が空蝉は次の飛躍と未来への殻だと、、、、、」
「そんな事話したか?忘れたよ!]
[私は蝉に成って大空へ羽ばたけたのよ!武史に支えられてね!」
「それは僕の方だ!結婚も子供も諦めかけていた時、麻結と出会った!先程子供見て来たけれど、猿だったな!」
「失礼な!武史に似たら嫁に行けないわ!」
「麻結に似た可愛い女の子なら、また変装させるのか?」
「いゃーね!」
「名前大森空ってどうだろう?」
「変わった名前ね!それ空蝉から考えたのでしょう?」麻結が言うと頷く武史。
「空って綺麗だろう?大きく羽ばたいて欲しいと思ったのだよ!」
「でも良い名前だと思うわ!」
翌日お互いの両親がお祝いを兼ねて空を見にやって来た。
「良い名前だよ!」と褒める両親に目を細めて喜びを噛みしめる麻結だった。
全国の障害者の方々に夢と希望を、幸が訪れます様に!!
完
2025.4.8
長編小説をお読み頂きありがとうございました!
山陰の温泉地、湯村温泉に行った二人はそこで二泊してゆっくりする事にした。
「子供が第一のスケジュールですから、麻結が疲れるなら一泊で帰るよ!」
「大丈夫よ!温泉にゆっくり入りたいから来たのよ!客室露天風呂だから、気が根なく過ごせるわ」
「九州の露天風呂に比べると小さいけれど、充分よ!」
「少し伸びて来たでしょう?」鬘を外して湯船に浸かる麻結。
「本当だね!結構伸びているね!」
「普通の人より早いって思うのよ!月に一センチ平均が、私の場合二センチ近いのよ!」
「前のロングには成らないけれど、意外と鬘要らないのは早いかも?」
「美少年だね!」横顔を見て言うと武史の方に顔を向ける。
「こんな美少年は居ないでしょう?」そう言って湯船で立ちあがる麻結。
白い美しい乳房が湯を弾いて、武史の目の前に現れた。
「確かに!麻結の身体は綺麗よ!女性そのものだね!」
「でしょう?」そう言って武史の両腕の中に背中を向けて沈む。
既に5センチ程の髪が、温泉の湯にしっとりと色香を漂わせる。
「短いけれど、麻結の髪は本当に美しいね!」
「変態野郎に狙われた原因ね!」
「あの散髪屋のビデオ見せたら卒倒するよね!」
「それはもう言わないで!」そう言うと武史の唇を求めた麻結。
楽しい二人の新婚旅行は一日目の夜を迎えた。
麻生母子は、夫と祖父に叱られて漸く、自分達の行った事を反省した。
祖父の力で刑罰は免れたが、謹慎処分で二度と大森武史夫妻には近づかないと誓約書を書いて放免された。
「祐樹も今回で懲りたでしょう?もう直ぐ子持ちの女に未練は禁物よ!」
「爺ちゃんの顔を潰してしまった!後悔と反省はしている!二度と近づかない!」
「でも何故失敗したのよ!腹が立つわ!」久美子の方が未練が残って居た。
「俺が雇った女かも知れない」
「飼い犬に手を噛まれたの?」
「確たる証拠は無いのですが、刑事が女性二人の証言とか話したので、、、、」
「でももう止めなさい‼お爺様も恥ずかしい思いをして、各所に頼み込まれたのですよ!これ以上何か起こすと、命がって言われましたからね!」
「お爺さんが生きている間は何も出来ないよ!」そう言って諦めた様に言う祐樹。
武史と麻結の新居は姫路の駅前のマンションに成った。
父武男のお祝いとして買ったのだ。
驚いたのは結婚式に出席した福祉課の課長だった。
「あれ、誰?」麻結の花嫁姿を見て呆気にとられていた。
同席の莉子達が「落合麻結さんですよ!」と言っても信じられなかった。
その麻結は休みが終わって福祉課に出勤して、課内の空域が一変したのは言う迄も無かった。
「こんなに美人だったの?」
「女は化け物だな!」
「もう少し早く判って居たら、お付き合いを、、、、、」とか口々に言った。
「落差が大き過ぎだわ!」
「ご免なさい!昔色々トラブルに成ったので、変装をしていました、、、、これからは人妻なので、、、、」そう言って微笑む。
麻結の美形はその日の間に知れ渡る程大きな変化だった。
真夏に成って、睦が彼氏を連れて実家に帰って来た。
「睦!いつの間に彼氏を?」
小さな家に集まった家族は睦の彼氏に驚いた。
「彼ね!事故で入院していたのよ!それで知り合ったのよ!」
「お姉さんがとても美人だと、日頃から睦さんに聞かされていましたが、本当に美人ですね!」
「お口がお上手ですね!」
「大森の家も賑やかに成って万々歳だな!」武男が嬉しそうにビールを飲みながら言った。
「来年に成ったら、もうひとり増えるけれど、私は嫁に行きます!でも彼もう直ぐ相生に転勤するのよ!だから私達の住まいもこの近くに成るのよ!」
「じゃあ、武史のマンションに住めばどうだ?」
「高いでしょう?お父さんが出してくれるの?」
「頭金位は出してやる!」
「お兄ちゃんも?」
「武史のマンションは、全て出してやったぞ!お祝いだ!こんなに綺麗な奥さんと子供の為に奮発した!」
「頭金でも出して頂けるなら、買おうか?」
「えっ、俊彦さん!本当なの?」
「頑張って働く!」そう言って微笑むと「ありがとう、素敵!」抱きつく睦。
「人前で大胆な娘だ!」武男がその様子に笑みを漏らした。
秋も深まる頃に成ると、大きなお腹の麻結を車で病院に送る武史。
「美人もこのお腹では?」
「男の子でなくて残念ね!」
武史は跡取りが生まれると信じていたので、残念そうに最近では麻結の大きなお腹を見ると必ず言う。
今も小南産婦人科で定期検診を受けている。
普段は役所の帰りに寄れるので、場所的には便利だ。
例の事件が有ったので、麻結には事の他親切で細かい事まで医師自ら教えてくれる。
そんな麻結がクリスマスの夕方に、お腹が痛いと言い始めて小南医師に電話をした。
救急車の手配までして貰って、その日の夜に無事女の子を出産した。
「予定より早かったね!」
「湯布院の占いまた的中だわ!」
「本当だな!後ひとつの成功運って何だろう?これだけが判らないな!」
「私が武史と結婚出来た事じゃないの?成功したわよ!みんなに反対されて、邪魔までされたのに無事に子供も生まれたわ!本当は空蝉の様に生きている筈だったのに、武史が空蝉は次の飛躍と未来への殻だと、、、、、」
「そんな事話したか?忘れたよ!]
[私は蝉に成って大空へ羽ばたけたのよ!武史に支えられてね!」
「それは僕の方だ!結婚も子供も諦めかけていた時、麻結と出会った!先程子供見て来たけれど、猿だったな!」
「失礼な!武史に似たら嫁に行けないわ!」
「麻結に似た可愛い女の子なら、また変装させるのか?」
「いゃーね!」
「名前大森空ってどうだろう?」
「変わった名前ね!それ空蝉から考えたのでしょう?」麻結が言うと頷く武史。
「空って綺麗だろう?大きく羽ばたいて欲しいと思ったのだよ!」
「でも良い名前だと思うわ!」
翌日お互いの両親がお祝いを兼ねて空を見にやって来た。
「良い名前だよ!」と褒める両親に目を細めて喜びを噛みしめる麻結だった。
全国の障害者の方々に夢と希望を、幸が訪れます様に!!
完
2025.4.8
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