【R18】本能と本心〜

うちこ

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1話 失恋

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「ん……あぁん、イイ…」
梨花の大胆な喘ぎ声が室内に響いていた。

涼太は背後から彼女の腰を掴み、激しく自らを打ちつけていた。
梨花はシーツを掴み、脚を大胆に広げて腰を突き出している。
「あぁん…涼太っ、そこ…もっと突いてぇ……っ」

涼太は背後から豊満な胸元を揉みしだく。
大きめの涼太の手でも収まらない大きさだ。
「っ……梨花っ…はあ」

涼太は梨花の背中を抱きしめ胸を激しく揉みしだきながら果てた。

余韻を楽しむこともなく、涼太はシャワーを浴びにバスルームへ向かう。
その後「飲みに行ってくる」と言って梨花を置いて出かけて行った。






土曜日の夜、渋谷の居酒屋。個室のテーブルには、ミク、涼太、レオ、紗弥さやの4人が久々に集まっていた。

「さあさあ、乾杯だ!」
レオが両手を挙げてジョッキを掲げる。
「やっと週末だからな、ガンガン飲もうぜ!」

「ああ」
涼太は淡々とグラスを上げる。

「乾杯」
ミクはグラスを合わせるが、涼太の隣に座ると心臓の鼓動が早くなり、言葉が少しぎこちない。

「なあ、涼太、聞きたいことあるんだけどさ」
レオはニヤリと笑い、ミクの視線を意識しながら涼太を見た。
「おまえ、彼女できたって本当か?」

ミクの手が思わず止まる。
紗弥が思わずレオを睨んだ。

涼太は少しだけ目を細め、冷静さを保ったまま答える。
「ああ……そうだな」

「そうかそうかあ。まじかぁ!いいなぁ」
レオは陽気に笑い、グラスを傾ける。

紗弥は思わず目を細めた。
「涼太、、、本当に?」

涼太はしばらく黙った後に頷いた。

ミクは心臓の痛みで言葉が出なかった。

いつかこんな日が来ると予感はしていた。
——でも…私は……
ミクはギュッとスカートを握りしめた。

レオはミクのその様子に気づきつつも、あくまで自然に刺身をつまみ、彼女に話題を振る。

「ミクは最近どうよ?仕事忙しいのか?」

「うん、ぼちぼち……」
声は震えていた。

——涼太に彼女ができてしまった
ミクの頭の中はそれでいっぱいだった。

「こうやってみんなで集まるとやっぱり楽しいね」
紗弥が穏やかに話を振る。

皆で刺身や焼き鳥をつまみながら笑い合うが、ミクは完全に動揺していた。グラスを持つ手が震えている。

涼太はなんとなく彼女に目をやる。
ミクはすぐにその視線に気付くが思わず目を背けてしまう。

紗弥はミクの腰にそっと手を回した。
ミクは今にも泣き出したい気持ちをぐっと堪えるしかなかった。

「おい!ミク、今日のまつ毛くりんくりんで可愛いな」
レオがケラケラ笑いながら真正面に座る彼女のおでこを弾いた。
レオの陽気さ、紗弥の落ち着いたフォロー、そして涼太の安定した存在感。
ミクは自然に笑顔を作ろうと努めながら、手元のワインを喉に流し込んだ。

居酒屋の個室、ワインのボトルが3本も空になり、ミクの頬は少し赤くなっていた。

「ミク、大丈夫?」
紗弥が心配そうに肩に手を回す。

「あ、うん……ちょっと……酔ったかも」
小さく息をつき、紗弥に支えられながら座り直した。

レオは明るく笑った。
「おお、酔った顔も可愛いじゃん!ほら、もう一杯飲めよ」
そう言ってグラスを差し出す。

「や、やめて……もう十分だから……」
ミクは目を伏せる。

少し心配そうな顔をした涼太と視線が合い、心臓が跳ねる。しかし涼太には彼女がいることを思い出し、胸が痛んだ。

「ごめん、私……帰るね」
ミクはこの空間に耐えられなかった。
適当にお札を何枚か置き、ひとり居酒屋を出た。

渋谷の街に出るとすぐに涙で景色が滲んだ。

涼太に……彼女ができてしまった……

一年も片思いしていたのに、告白すらできずに終わってしまった。

「ミク!」

名前を呼ばれ、ハッとして振り返る。

紗弥が追いかけてきてくれた。
その姿を見た瞬間に涙が溢れる。

「紗弥……涼太に…彼女できちゃった……」
次々と大粒の涙が流れる。

紗弥は頷きながらギュッと抱きしめ、一緒に泣いてくれた。
「ミク……今日は一緒に泣こう」



一方居酒屋に残った涼太とレオ。
「彼女って……相手どんな子なんだ?」
レオが片眉を上げながら涼太に聞く。

「ああ、うちの子会社の女の子。先月飲み会で知り合った」
淡々と涼太は答える。

「先月知り合ってもう付き合い出したのか、早いな」
ケラケラ笑いながらグラスのワインを飲み干した。

——ミクは1年も前からお前のこと思ってるのに——
レオは心の中でそう呟いた。




涼太は居酒屋を出ると中目黒のマンションへ帰った。
夕方身体を重ねたばかりの梨花が嬉しそうに出迎える。

「涼太、おかえり、遅かったね」
梨花は涼太の首に腕を回して唇を重ねてきた。

「ああ、ちょっとな」

数時間前に抱き合ったばかりなのに、梨花はもう求めてきた。
涼太は彼女の腰を引き寄せて唇を重ね返した。
2人のキスはすぐに濃厚なものへと変わった。
涼太が梨花の衣服をめくり上げて、背中にあるホックを外すと、大きな胸元が揺れながら露わになる。

涼太は谷間に顔を埋めながら胸元を執拗に愛した。
「あっ…はぁん、涼太…もっと……ん…」

涼太の脳裏に一瞬先ほどのミクの戸惑った顔がよぎる。
(なぜミクの顔が……)
涼太はそれを打ち消すように梨花を激しく抱いた。

「あああぁぁぁっ涼太っ、いい……っ」
梨花も激しく乱れ、熱い夜は更けていった。




それから数日後、ミクは職場である渋谷の大手携帯電話ショップの店頭に立っていた。
10月に入りハロウィンの飾り付けをしていた。
バランスを見ながらポップを貼り付けていく。

涼太のことでいくら悩んでも仕事は毎日のことだ。仕事をしているときは涼太のことを考えないで済む…、ミクにとってはありがたかった。

「ミク!」

名前を呼ばれ、振り返るとそこにはレオがいた。

「制服姿も可愛いな、昼休憩まだだろ?飯食いに行こうぜ」
レオの相変わらずの軽口に、困ったような顔をして微笑んだ。

二人は彼女の働く店の近くのイタリアンに入った。

「おい、顔暗いぞ??涼太に彼女ができたからか?」

レオの言葉に思わず目を見開く。
「え……レオ、知ってたの?」

「おまえが涼太を好きなことなんて一年前から気付いてたよ」
レオはケラケラ笑ってジェノベーゼを器用にフォークに巻きつけた。

ミクは思わず両手で赤くなった頬を隠した。
レオはその仕草に思わず目を細めた。

「涼太も鈍感だよな?おまえの気持ちに気づかないなんて」

レオの言葉にミクは俯いて苦笑した。
「涼太は…私に無関心だから。一緒にいても、あんまり目が合わないの」
寂しそうに肩をすくめた。

レオはそんな彼女を、優しい目で見つめた。
「おまえ可愛いんだからもっと視野を広げろ、涼太のことなんて忘れちまいな」

その言葉にミクもフッと笑い頷いた。
「うん…。涼太のことはもう忘れる。他の人に目を向ける!」
海老ドリアを頬張ってレオを見つめた。

レオはその笑顔に胸の奥が締め付けられた。

「いいか?おまえは笑って過ごせ。メソメソするな。わかったな?」
そう言って、フォークでミクを指差した。

「うん、わかった。レオ、ありがとう」
微笑んで午後の仕事に戻った。



その日の夜、レオは涼太と中目黒のバーにいた。

「よっ!おつおつー!」
レオは明るく涼太を迎え入れた。

涼太はレオに軽く手を上げた。

「ロックで」
バーテンダーにそう伝えると、隣に腰掛けた。

「おまえさ、彼女紹介しろよ」
レオが涼太の肩に手を置く。

「そういうのいいよ。まだ付き合ってニカ月だ」

軽くかわすがレオは引き下がらなかった。
「今から呼べよ」

「なんでだよ…」

「いいから呼べ」

涼太は小さくため息を吐きながら梨花にメッセージを送った。

それから1時間後、梨花が現れた。

「涼太…、あ、こんばんは村田梨花です」
バーの扉を開けて小柄で可愛らしい女性が入ってくるなり涼太に笑顔を溢した。そしてレオに頭を下げた。

梨花はジャケットを脱いで店員に軽く会釈をしながら渡した。
カットソーに包まれた豊満な胸元がレオの目に飛び込んでくる。

フン…
小さな舌打ちをしながらその胸元を思わず見つめた。

「梨花、忙しいのに悪いな。友人のレオだ」
涼太は梨花をレオに紹介した。

「どうも、レオです。涼太にとって久々の恋人なので是非お会いしたくて。忙しいのにすみません」
レオは手を差し出した。

「いいえ。私もレオさんに会いたかったの」
梨花は余裕のある顔でレオの手を握った。


しばらく談笑が続いたが梨花は席を立つ。
「涼太、先にマンションに帰ってるね。…待ってるから」
梨花は期待を込めたように、目を細めて涼太を見つめ、レオに頭を下げてバーを出た。

レオは思わず苦笑した。
「待ってる、っておまえに抱かれる気満々だな」

「いいだろ、放っておけ」
涼太はウィスキーを飲み干した。

「涼太、おまえ…あの子の胸に惚れたのか?」
レオは煙草に火をつけて呆れたように言った。

涼太は顔色ひとつ変えずに答えた。
「まあな」

(確かに梨花も綺麗だ…、でもミクの方がずっと美人だろ…)
レオは心の中で舌打ちをした。



レオとバーを出ると涼太は梨花の待つマンションに戻った。

マンションの玄関を開けると、部屋着姿の彼女がソファに腰掛けていた。

「遅かったね」
柔らかい声とともに、梨花は腕を組みながら自分の胸に涼太の腕を押し当てる。
部屋着姿でもそのボリュームは目立ち、涼太の視線が自然にそこに向かう。

「ね…飲みすぎよ?」
梨花は軽く笑いながら涼太の腰に手を回し、そっと唇を寄せた。

「ふふ……ねぇ、今から抱いて?」
梨花は胸を押し付けるようにして、少し強引に身体を寄せる。

涼太は一瞬、その手の感触に意識が揺れた。
小さく息をつき、心の中で少し葛藤を覚える。梨花の積極的な仕草はいつも居心地がよく、彼女として不満はない。でも、それ以上の相手として考えることはできなかった。

梨花は涼太の腕に手をかけたまま、甘えるように顔を近づけて涼太の唇に自分の唇を押し付けた。

涼太がソファに腰を下ろした瞬間、梨花は笑みを浮かべながら彼を押し倒した。

「…涼太、触って?」
涼太の手のひらを自分の胸を押し付けながら、深いキスを求めた。
涼太は言われるがまま、揉みしだいた。何度触れても彼女の胸は圧巻のボリュームだった。

しかし、頭の片隅にはまたミクの顔が浮かぶ。
(なぜまた彼女の顔が……)

「はあ……あ……」
梨花の胸元のボリューム感と柔らかさに、涼太も思わず吐息を漏らす。
梨花はさらに積極的に距離を詰めてくる。
涼太は気づくと彼女の下腹部に手を伸ばし愛撫していた。

その夜、二人はいつものように身体を重ね、激しく愛し合った。
梨花の積極性は居心地がよく、満たされる一方で、涼太の頭の中にはミクの面影が離れず、かすかに胸を締め付けた。



翌朝、涼太は静かにキッチンに立ち、トーストを焼き、ハムエッグをフライパンで焼きながらコーヒーを淹れる。
目の前のカウンターには、昨夜梨花が飲みかけたマグカップが残っていて、少し乱雑な状態だった。

「できたぞ、梨花」

寝室から少し眠そうな顔をした梨花が現れ、涼太が淹れたコーヒーを受け取る。

香りを楽しむように一口飲み、柔らかく微笑んだ。
「今日は朝から大事な商談があるの」
梨花はそう言うと恥ずかしげもなく、涼太の前で大胆に下着のみになり、スーツ姿に着替える。
涼太は思わず軽く眉間に皺を寄せるが梨花は気にせずにストッキングを伸ばしていく。

もう一口コーヒーを飲んだ後に、涼太に軽くキスをした。
「じゃあね、行ってくる」

梨花が去った後のテーブルには、飲みかけのコーヒーと手をつけられなかったトースト、ハムエッグがそのまま残っていた。

涼太は小さくため息を吐き、それらを片付け、洗い物を済ませ、身支度を整えて品川のオフィスへ向かった。
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