【完結】竜王の息子のお世話係なのですが、気付いたら正妻候補になっていました

七鳳

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第8話

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 ――まどろみの深い闇から浮上するように、ゆっくりと意識が戻ってくる。
 身体の奥にじんじんとした熱があり、思うように動かせない。けれど、どこかで感じる安堵の気配に、私は薄く目を開いた。

「……ルナ! 良かった、目が覚めたんだな」

 ぼんやりと視界に入ったのは、銀色の髪を揺らすセイル殿下の姿。まだ若い王太子の面差しが、不安そうに歪んでいるのがわかった。
 私は慌てて状況を確かめようとするが、すぐには体を起こせず、そのままベッドに横になったまま口を開く。

「……ここは……医務室……ですか?」
「うん。あの後、フィリス姉上やエヴァ姉上がすぐに人を呼んでくれて、ここまで運んだんだ。……一晩、ずっと眠ってたんだよ」

 一晩――私はあの呪われた兵士と対峙してから、まるまる一日ほど寝ていたらしい。そういえば記憶が途中で途切れている。
 まだ体がだるく、腕の痛みも鋭く残っているのを感じる。なんとか自分の腕に視線を向けると、包帯が巻かれており、ところどころに薬草の湿布のような香りが漂っていた。

「ごめんなさい、殿下の前で倒れてしまって……。あの後は、大丈夫だったんですか?」
「それより、ルナこそ無理しないで。……あの兵士は呪いを解除されたあと意識を取り戻したけど、まだ安静にしてるんだ。詳しい事情は、まだ分からない。でも、とにかく今は君が元気になってくれないと」

 殿下は私の包帯を見つめ、悔しそうに眉を寄せる。自分がもっと早く対処できていれば、私が傷を負うこともなかった――そう思っているのだろうか。

「……呪いの痕跡は残っていませんか? この腕、まだじんじんしていて……」
「多少は闇の力が残留していたみたいだけど、姉上たちが協力して術をかけてくれた。あとは自然治癒と薬草の効果で消えるはず、って侍医が言ってるよ」

 それを聞いて少しほっとする。最悪の場合、呪いが深く浸透して“魔力喪失”や“身体機能の低下”などが起こる可能性もあると聞いたことがあるからだ。
 ――けれど、安堵したのも束の間。突然、扉が開いて厳かな足音が医務室に響いた。

「……セイル。勝手に医務室に入り浸って、姉上たちの許可は得ているの?」

 低く通る声音――入ってきたのは長女のフィリス様だった。彼女はいつもどおり鋭い眼差しをしているが、その奥にはどこか安堵の色が見え隠れしている。
 セイル殿下は眉をひそめつつも、素直に椅子から立ち上がる。

「一応、侍医からは『今なら面会してもいい』って許可をもらってるよ。ルナが目を覚まさないかずっと見てたんだ」
「ならいいけど……。ルナ、具合はどう? 腕の痛みは強い?」

 フィリス様が私に問いかける。私は慌てて上体を少し起こし、頭を下げる。

「ご心配をおかけして申し訳ございません。痛みはありますが、なんとか耐えられないほどでは……」
「そう。あまり無理せずに、しばらくはベッドで休むことね。祭典が近いからって焦って動き回る必要はないわ。姉として、これ以上セイルに迷惑をかけられたら困るもの」

 最後の言葉は彼女なりの気遣いだろうか。相変わらず表情こそ厳しいが、“弟が大切に思っている乳母”として少しは認められたような気もする。
 一方、殿下は「姉上、その言い方は……」と小声で反論しかけるが、フィリス様は軽く手を上げてさえぎった。

「……で、セイル。あなたもそろそろ事情聴取に同行してもらうわよ。あの兵士が何者かに操られていた形跡が濃厚なの。私とエヴァが術式を調べたところ、“外部からの呪詛”をかけられていた可能性が非常に高い」
「外部から……。つまり、兵士自身の意思で襲ってきたわけじゃなかったんだな」
「ええ。詳細はこれから話を聞くけど、王城の中にいる誰かが仕組んだ……もしくは外部と内通している可能性がある。いずれにせよ、祭典を前に不穏な動きがあるってこと。あなたは次代の竜王なんだから、きちんと現場を見ておきなさい」

 フィリス様の言葉に、殿下は苦々しい表情でうなずく。
 たしかに“兵士が呪術に操られて王太子を襲う”などという事態が起きたら、国の安定にも関わる重大問題だ。誰が、何の目的でこのようなことを企んだのか――今後の調査は必須だろう。

「分かったよ。……ルナ、少しだけ行ってくる。すぐ戻るから、ちゃんと休んでて」
「は、はい……殿下もどうかお気をつけて……」

 私が布団の上から一礼すると、殿下は一瞬、不安そうに目を伏せる。しかし、フィリス様に背を押されるようにして医務室を出ていった。
 ――残された私は、寂しさと安堵が入り交じった感覚に包まれる。彼が傍にいてくれると心強いが、王太子としてやらねばならない役目もある。私はただ回復に専念しよう、と決めた。

◇◇◇

 夕刻、医務室の窓から差し込む橙色の光が部屋の中を照らす頃、再び扉の開く音がした。
 今度はメイドか侍医かと思ったが、入ってきたのはエヴァンテ様だった。第二王女である彼女は、落ち着いた雰囲気を纏いながら私のベッド脇に近づいてくる。

「……眠っていないのね。体調はどう? 侍医の話じゃ、熱は引いてきてるみたいだけれど」
「はい。おかげさまで、まだ腕に痛みはあるのですが、意識ははっきりしています。ご心配をおかけしてすみません……」

 エヴァンテ様はやさしく微笑むと、布団の端に腰かけ、そっと私の包帯を見やった。

「呪いが深く根付く前に処置できたのは幸いだったわ。あの場でフィリスと私がすぐ駆けつけられたのも、あなたとセイルが頑張って兵士を抑えていたからよ。……ありがとう。あなたがいなければ、彼はもっと酷い状態になっていたかもしれないわ」
「いいえ、私なんか……結果的に殿下を危険にさらしてしまいましたし、結局は姉上様方が解呪してくださったのに……」

 自分の不甲斐なさを思うと、どうしても俯いてしまう。エヴァンテ様はそんな私を諭すように首を振った。

「謙遜しすぎる必要はないの。呪われた兵士はすでに正気を取り戻していて、少しだけど言葉を交わすことができたのよ。あの人、『ルナというエルフがずっと呼びかけてくれたおかげで、俺は完全に闇に飲まれずに済んだ』って言ってたわ」
「え……」

 私が目を見開くと、エヴァンテ様はほんのり笑みを深める。

「あなたの“竜導”が間違いなく効果を発揮していたのだと思う。もちろん、完成された解呪術が必要だったけれど、もしあなたが引き止めていなければ兵士は暴走したまま外へ飛び出していたかもしれない。その場合、周囲に被害が及んでいた可能性だってあるわ」
「……私が……役に立てた、のでしょうか」

 兵士がそう言ってくれたのは嬉しく、ほっとする気持ちがある。けれど同時に、私がやはりまだ力不足なのも事実。あの呪いの闇を最後まで抑え切れず、結局は姉上たちに解呪を依頼することになってしまった。
 ――でも、エヴァンテ様はそんな私の顔を覗き込み、まるで内心を見透かすように言った。

「自分を過小評価しすぎるのは良くないわよ。セイルだってあなたを頼りにしているのだから。……あの子、あなたが倒れたとき、本当に取り乱していたのよ。『どうして俺はもっと早く助けられなかったんだ』って、あの子があそこまで動揺するのは珍しいわね」
「殿下が……」

 想像はしていたが、やはり私が倒れたときに彼が取り乱したのだと思うと胸が痛む。自分が彼を心配させるなんて、本末転倒ではないか。
 ――そんな私の思考を察したのか、エヴァンテ様は立ち上がりながら、やわらかく笑った。

「姉としては、あの子の心が育っていることを実感して嬉しくもあるの。甘えん坊だったセイルが、誰かを本気で大切に思うようになるなんて……ね」
「えっ……?」

 一瞬、何を言われているのかわからなかった。けれどエヴァンテ様はそれ以上踏み込まず、「ゆっくり休んでね」と声をかけて部屋を出て行く。
 まるで何か意味深な言葉を残されたようで、私は心臓をどきどきさせながら、その場に取り残された。

(“誰かを本気で大切に思う”……私、のこと? そんな、ありえない……。でも……)

 思考が堂々巡りしそうになるのをこらえ、私はそっと目を閉じる。姉上たちがこうして親身になってくれるのは、殿下がそれだけ私を重要視しているからなのだろうか――。
 まだ答えは見えない。ただ、早く回復して殿下の側に戻らなくちゃ。そう思うと、少しだけ熱い思いが胸に広がるのだった。

◆◇◆

 翌朝。
 痛みはだいぶ和らいだものの、まだ本調子ではない私に対し、侍医は「三日は安静にしておきなさい」と言い渡した。
 しかし、祭典の準備は迫っている。王都では今まさに各地から貴族や関係者が到着しており、王城も慌ただしさを増しているはずだ。今ごろ殿下は、姉上たちとともに“呪術事件の調査”や“来賓の対応”に追われているに違いない。

(こんなときに寝込んでいるなんて……。せめて殿下に何か手伝えることを)

 ベッドの中でそわそわとしていると、扉が開いてセイル殿下が姿を見せた。今日は朝から公務があると聞いていたはずなのに、早々に顔を見せてくれるとは思わなかった。

「殿下……。朝早くから、すみません。公務は大丈夫なんですか?」
「少し空き時間ができたから、来たんだよ。調査の進捗とか、報告したくて……あと、君の様子も見たかったし」

 殿下は手に小さな籠を抱えている。中にはフルーツと、薬効のあるハーブを煮込んだ飲み物が入っているようだ。見るからに疲労回復と栄養補給に良さそうだ。

「これ、姉上たちが『ルナに飲ませてあげて』って用意してくれたんだ。……無理しないで、少しずつでも口にして」
「あ、ありがとうございます。いただきますね」

 おとなしくカップを受け取り、暖かな香りと酸味のある液体を口に含む。するとすっと身体が楽になるような気がした。
 ――ふと顔を上げると、殿下が私の腕の包帯をじっと見つめているのに気づく。その瞳に宿った暗い色合いに、胸が痛んだ。

「……痛い?」
「いえ、もうほとんど痛みは引いてます。少しじんわりする程度で……」
「そっか、よかった。……でも、あのとき君が怪我をするくらいなら、俺がもっと早く竜形態になって止めればよかったのにって、ずっと後悔してるんだ」

 殿下は拳を強く握りしめる。私が慌てて首を振る。

「そんなことありません。あの場所で殿下が完全に竜化してしまったら、むしろ呪いの力で殿下が暴走した可能性だって……。だから、あれでよかったんですよ。私たちの判断は間違っていません」
「でも、結果的に君が傷ついたのは事実で……」
「私なら回復できます。……ほら、こうしてもう声も普通に出せますし。心配しないでくださいね」

 精一杯の笑みを作ってみせる。すると、殿下は複雑そうに眉を下げながらも、すこしだけ息を吐いて表情を緩めた。

「ありがとう、ルナ。……そう言ってくれると、少しは気持ちが楽になるよ」
「いえ、私こそ。殿下が無事で何よりです」

 二人して安堵の微笑みを交わした、まさにその瞬間――外の廊下から急ぎ足の足音が聞こえた。扉がノックされ、侍女が慌ただしく顔を出す。

「殿下、失礼いたします! フィリス様、エヴァンテ様がお呼びです。先ほど捕らえた兵士への尋問結果が出たようで、至急殿下にもご覧いただきたいとのことです!」
「わかった。すぐ行くよ。……ルナ、ごめん。俺、また行かなきゃならない」
「大丈夫です。殿下のお仕事ですから、どうぞお気になさらず」

 殿下は気がかりそうに私を見つめるが、私は笑って首を振る。こうした国の重大事を放置するわけにはいかない。彼も理解しているが、私を放っておくのが辛そうだ。
 最後に「また来るから」と小さく告げて、殿下は足早に部屋を出て行った。

 ――どうやら、いよいよ呪術事件の真相が明らかになるのだろうか。
 あの兵士は何を語ったのか。誰が彼に呪いをかけ、王太子を襲わせたのか。そこに竜族の内部事情や、外部からの陰謀が絡んでいるとしたら……。
 考えるほどにきな臭い雰囲気を感じつつ、私は早く治って殿下の力にならなければ、と強く思うのだった。

◆◇◆

 夜になり、また私は医務室のベッドで横になったまま天井を見つめている。
 殿下からはまだ何の連絡もないが、彼は今きっと姉上たちとともに事件の解決へ奔走しているのだろう。私ができることといえば、せめて早く体を治すことくらい。
 ――だが、心はザワザワと落ち着かない。

(結局、私が強くならないと、殿下を守れない……。ただでさえ落ちこぼれのエルフなのに……)

 腕の痛みを感じるたびに、自分の無力さを思い知らされる。あの呪いに対して、もしももっと強力な“竜導”や治癒魔法を使えたなら、誰も傷つかずに済んだかもしれない。
 ふと、エヴァンテ様の言葉が脳裏に蘇る――「自分を過小評価しすぎないほうがいい」。わかっている。私なりに頑張っている。けれど、まだ足りない。

(落ちこぼれだとしても……殿下にとって本当に役に立てる存在になりたい)

 次代の竜王としての道を歩み始めた彼にとって、私はほんの一瞬傍らにいるだけの“乳母”なのかもしれない。祭典が終われば、彼に正妻の候補が現れ……私の役目も変わっていく。
 それでも、もし彼のそばにいることを許されるなら、もっと力をつけて支えたい。――その想いだけが私の中で揺るぎなく残っていた。

 夜が更け、遠くから聞こえる王城の夜警の声や、巡回の足音が静かに響く。
 私は痛む腕をかばいながらそっとベッドに身を沈め、瞼を閉じる。頭の中には殿下の笑顔と、あのとき必死に自分の名を呼んでくれた声が焼きついていた。

(殿下……私はもっと頑張ります。だから、必ずお元気で……)

 祈るような気持ちで、眠りに落ちていく。
 ――まるで、それが次に訪れる“試練”の予兆だとも知らずに。
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