19 / 24
16
しおりを挟む
朝食をとってると殿下がテントから出てきた。
「ん? 美味しそうなのを食してるな」
殿下にいわれ1つサンドウィッチを渡す。殿下は躊躇いもなく口にした。
「殿下、毒味を……」
「構わん。それにしても美味い。これは何処で手に入れた?」
「神の御加護です。ですが、レシピをザンド商会に売っております」
「ザンド商会だな。王都にもあるから行ってみよう」
王都にもザンド商会があるのね。Aランク商会だし色んなところにあるのかな。
食事が終わり出発となる。殿下たちともお別れかと思ったが次の街まで一緒にいくらしい。
お昼休憩の後、盗賊が出てきた。
殿下の護衛たちが前に出る。
「私はどうしたらいいの?」
「とりあえず捕縛かな? その後は王子たちが決めるよ」
ハルトさんに言われて出てきた盗賊を捕縛した。
「ティナ嬢、素晴らしい!」
護衛の1人に褒められ照れてしまう。護衛たちにその後を任せた。連れていくようで縄で縛り上げている。しゃべれないよう口轡もされていた。
「んー、んー!」
「んー、んー、んー!」
盗賊たちは何か言いたいのか一生懸命に訴えてるが、それを無視していく。盗賊たちの呻き声を聞きながら街へ向かった。
すると突然粗相をしだす。驚いて凝視した。
「あれは逃げたいがためにしているんだよ」
「……盗賊も必死なのですね」
「犯罪奴隷に落ちたら2度と自由にはなれないからね」
私の捕縛魔法は気力も奪うためそんなことはなかったが、これが本来の姿なのかもしれない。
粗相したことで臭いがしてくるので洗浄魔法をかけた。盗賊たちは悔しそうな顔をしている。そんなに嫌なら何故盗賊なんかになったのだろうか。冒険者登録して細々と生きていけばいいのに。
街に到着して殿下たちと別れる。
私たちは冒険者ギルドへと向かった。
「定期馬車の護衛で2,000ポイント、事後依頼で50,000ポイントで100,000ギルになります。ポイントはクリアとなりまして冒険者学園の卒業でBランクとなります」
事後依頼のポイントと金額に目眩がする。
「……凄いポイントですね」
「相手が王族だからね」
「ハルトさん、王族だとポイントがいいんですか?」
「王族や貴族はプライドが高いからその分ポイントや金額も高くなるんだよ」
これだけ払えると自慢してるのか。相手が相手でこちらも気を遣うし高くないとやってられないかもね。
「ティナちゃんが、Cランクだからこれくらいだけど、ランクが高くなればもっと沢山貰えるからね」
「貴族や王族の依頼はラッキーということですね」
「マナーを気をつけないといけないから、喜ぶ人は少ないけどね」
でも冒険者学園でマナーも教わるし、身につけちゃえばいいだけだと思う。
「さて、王都に行くけどポイント貯まっちゃったね」
「王都まで後どれくらいなのですか?」
「後、街を3つ過ぎれば王都だよ。まったりと行こうか」
そんな話をしていたらハルトさんがギルドに呼ばれて奥に入っていった。暫くして帰ってきたハルトさんは難しい顔をしている。
「どうした?」
「依頼が来たんだけど、僕では無理そうでね」
「ハルトでも無理な依頼か……」
「白百合の会のSSSランクの治癒魔術師でも失敗した依頼でね。解呪の依頼なんだけど、彼女でも無理なのに僕では尚更だよ。解呪は彼女のほうが専門だからね」
「断れなかったのか?」
「相手が相手でね」
ハルトさんは悩んだ挙句、私を見た。
「ティナちゃんならいけるかも?」
「私ですか?」
解呪なんてしたことないよ。
「ティナちゃん、規格外だしね」
提案してみるとハルトさんはギルドの奥に入っていた。その後に私も呼ばれシルたちと向かう。
「今回の依頼は王女殿下の解呪だ。誰がやっても失敗してるため今回は失敗時のペナルティーはない」
「ティナちゃんはポイントがすでに貯まってしまってるから、持ち越し出来ないかな? またはその分報酬をあげてほしい」
「もし、彼女が解呪できたら5,000,000ポイント、10,000,000ギルの報酬にする。Cランクだとこれが限界だ」
それでも十分です。持ち越し可能なら条件さえクリア出来ればAランクになれる。最速じゃないかしら。
私も依頼を受けることになり、王都へと早速向かうことになった。王女殿下の具合はかなり悪くらしく時間がないということ。夜も交代で魔導馬車を動かしての行軍になった。
その中で1つの魔力を感じた。
「待って!」
馬車を停めて降りる。並走していたのは銀色の虎だった。
猫だ。にゃんこ!!
「にゃんにゃん、どうしたのですか?」
しゃがんで手を伸ばすと恐る恐る近づいてきた。
『僕は銀虎、聖獣の1体です。どうか貴女の僕にしてください』
「私とお友達になりたいのですね! 大歓迎です!」
テイムを発動して契約する。
『名前を付けてください』
「銀色だからギン。ギンちゃん、よろしくお願いしますね」
抱きついてわしゃわしゃと撫でた。触り心地よくていつまでも撫でていられる。
「ティナちゃん、そろそろ……」
そうだ。今急ぎだった。
「ギンちゃん、どうしましょう。大きから馬車の中に入れないです」
『大丈夫だよ』
そう言ってギンちゃんは小さくなった。子猫サイズになり可愛さがアップしている。
「可愛いー!!」
子猫サイズのため私でも抱っこが出来た。馬車の中に入り膝の上におく。
「シル、ギンちゃん可愛いねー」
「ティナの方が可愛いぞ」
ギンちゃんの可愛さには負けるよ。
「ん? 美味しそうなのを食してるな」
殿下にいわれ1つサンドウィッチを渡す。殿下は躊躇いもなく口にした。
「殿下、毒味を……」
「構わん。それにしても美味い。これは何処で手に入れた?」
「神の御加護です。ですが、レシピをザンド商会に売っております」
「ザンド商会だな。王都にもあるから行ってみよう」
王都にもザンド商会があるのね。Aランク商会だし色んなところにあるのかな。
食事が終わり出発となる。殿下たちともお別れかと思ったが次の街まで一緒にいくらしい。
お昼休憩の後、盗賊が出てきた。
殿下の護衛たちが前に出る。
「私はどうしたらいいの?」
「とりあえず捕縛かな? その後は王子たちが決めるよ」
ハルトさんに言われて出てきた盗賊を捕縛した。
「ティナ嬢、素晴らしい!」
護衛の1人に褒められ照れてしまう。護衛たちにその後を任せた。連れていくようで縄で縛り上げている。しゃべれないよう口轡もされていた。
「んー、んー!」
「んー、んー、んー!」
盗賊たちは何か言いたいのか一生懸命に訴えてるが、それを無視していく。盗賊たちの呻き声を聞きながら街へ向かった。
すると突然粗相をしだす。驚いて凝視した。
「あれは逃げたいがためにしているんだよ」
「……盗賊も必死なのですね」
「犯罪奴隷に落ちたら2度と自由にはなれないからね」
私の捕縛魔法は気力も奪うためそんなことはなかったが、これが本来の姿なのかもしれない。
粗相したことで臭いがしてくるので洗浄魔法をかけた。盗賊たちは悔しそうな顔をしている。そんなに嫌なら何故盗賊なんかになったのだろうか。冒険者登録して細々と生きていけばいいのに。
街に到着して殿下たちと別れる。
私たちは冒険者ギルドへと向かった。
「定期馬車の護衛で2,000ポイント、事後依頼で50,000ポイントで100,000ギルになります。ポイントはクリアとなりまして冒険者学園の卒業でBランクとなります」
事後依頼のポイントと金額に目眩がする。
「……凄いポイントですね」
「相手が王族だからね」
「ハルトさん、王族だとポイントがいいんですか?」
「王族や貴族はプライドが高いからその分ポイントや金額も高くなるんだよ」
これだけ払えると自慢してるのか。相手が相手でこちらも気を遣うし高くないとやってられないかもね。
「ティナちゃんが、Cランクだからこれくらいだけど、ランクが高くなればもっと沢山貰えるからね」
「貴族や王族の依頼はラッキーということですね」
「マナーを気をつけないといけないから、喜ぶ人は少ないけどね」
でも冒険者学園でマナーも教わるし、身につけちゃえばいいだけだと思う。
「さて、王都に行くけどポイント貯まっちゃったね」
「王都まで後どれくらいなのですか?」
「後、街を3つ過ぎれば王都だよ。まったりと行こうか」
そんな話をしていたらハルトさんがギルドに呼ばれて奥に入っていった。暫くして帰ってきたハルトさんは難しい顔をしている。
「どうした?」
「依頼が来たんだけど、僕では無理そうでね」
「ハルトでも無理な依頼か……」
「白百合の会のSSSランクの治癒魔術師でも失敗した依頼でね。解呪の依頼なんだけど、彼女でも無理なのに僕では尚更だよ。解呪は彼女のほうが専門だからね」
「断れなかったのか?」
「相手が相手でね」
ハルトさんは悩んだ挙句、私を見た。
「ティナちゃんならいけるかも?」
「私ですか?」
解呪なんてしたことないよ。
「ティナちゃん、規格外だしね」
提案してみるとハルトさんはギルドの奥に入っていた。その後に私も呼ばれシルたちと向かう。
「今回の依頼は王女殿下の解呪だ。誰がやっても失敗してるため今回は失敗時のペナルティーはない」
「ティナちゃんはポイントがすでに貯まってしまってるから、持ち越し出来ないかな? またはその分報酬をあげてほしい」
「もし、彼女が解呪できたら5,000,000ポイント、10,000,000ギルの報酬にする。Cランクだとこれが限界だ」
それでも十分です。持ち越し可能なら条件さえクリア出来ればAランクになれる。最速じゃないかしら。
私も依頼を受けることになり、王都へと早速向かうことになった。王女殿下の具合はかなり悪くらしく時間がないということ。夜も交代で魔導馬車を動かしての行軍になった。
その中で1つの魔力を感じた。
「待って!」
馬車を停めて降りる。並走していたのは銀色の虎だった。
猫だ。にゃんこ!!
「にゃんにゃん、どうしたのですか?」
しゃがんで手を伸ばすと恐る恐る近づいてきた。
『僕は銀虎、聖獣の1体です。どうか貴女の僕にしてください』
「私とお友達になりたいのですね! 大歓迎です!」
テイムを発動して契約する。
『名前を付けてください』
「銀色だからギン。ギンちゃん、よろしくお願いしますね」
抱きついてわしゃわしゃと撫でた。触り心地よくていつまでも撫でていられる。
「ティナちゃん、そろそろ……」
そうだ。今急ぎだった。
「ギンちゃん、どうしましょう。大きから馬車の中に入れないです」
『大丈夫だよ』
そう言ってギンちゃんは小さくなった。子猫サイズになり可愛さがアップしている。
「可愛いー!!」
子猫サイズのため私でも抱っこが出来た。馬車の中に入り膝の上におく。
「シル、ギンちゃん可愛いねー」
「ティナの方が可愛いぞ」
ギンちゃんの可愛さには負けるよ。
573
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる