大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

割愛と片付け

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巻き上がる粉塵、唸る剛槍、軽やかに舞う刃物ナイフ、空へ登る爆炎。文字にするとこんな所だろうか。
え?何がかって?一班と俺の攻防……かな?
流石に少しばかり疲れた…ってか疲れてるから割愛するが、イメージとしては…大型でひたすらタフでひたすら手数が多い魔獣と戦ってる気分だった。
今日はどデカイ盾を装備したラウクムくんが完璧に盾になり、リーザとクアイちゃんが絶えず攻撃、アーネが容赦ない魔法を撃つって形。
ラウクムくん、盾を使う様が決まってたなぁ…そういや、最初の自己紹介で何でもやる~みたいな事言ってたっけ?槌のイメージしかねぇんだけど…あれ?いつも槌なのに今回、わざわざ盾を使ってたってことは、俺ってよっぽどな扱い受けてねぇ?
具体的に、いつもじゃ手に負えないような、化けモン級の魔獣…?
「………」
考えてて悲しくなった。この思考は危険だ。
あぁもちろん、勝ちましたよ?勝ちましたとも。
ラウクムくんの盾を叩き割り、クアイちゃんを手刀で気絶させ、リーザとシエルの武器を弾き飛ばし、アーネを二連撃の戦技アーツで仕留めた。
「なんだか私だけ扱いがおかしくありませんの!?」
終了直後になんか言われたけど…。
「やかましい。致死級の魔法をバカスカ人に向かって撃ち込むバカタレにかける情けなんかねぇよ」
コイツ、普通に人が即死するようなサイズの火球を圧縮した上、それを複数個同時に撃ち込んできやがった。
いくら俺が魔法返しを保有してるからって、こいつは知らねぇはず…せいぜいが魔法が効きにくい体質ってぐらいの認識のはずだよな?
フィールドをブチ抜いて人体に直接ダメージを入れるような魔法を撃ち込みまくってた。
ってか、何個かフィールドから飛び抜けて周りに被害が及んでたんだが…。
先生、真っ青な顔してたぜ?
ちなみに今現在、その俺とアーネで後片付け中。
主に空いた穴に、破片を出来るだけ隙間なく入れる作業。
あとは地面がうぞうぞと動いて勝手に埋めてくれる。
「万が一直撃したらどうするつもりだったんだよ」
「その辺りは大丈夫ですのよ。貴女は殺しても死ぬようなタマじゃありませんの」
このアマぁ…言いやがるな…。
「………リーザの様子はどうだ?」
「一応、骨折には添え木をして、これ以上変に曲がったりしないようにはしてありますの。ただ、見た感じ訓練前に外してたかもしれませんわね…」
「やっぱりか…」
一段落したので立ち上がり、訓練場の隅に向かって歩きながらアーネに声をかける。
「なぁ、アーネ」
「はい?なんですの?」
「一つ、挑戦してみないか?」
「…何にですの?」
俺はそこに置いてあった本を広いながら答えを返す。
「特級魔法」
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