大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

報告と労い

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座学も実戦も、結果が出るのは明後日らしい。で、明後日は午前の内にそれらを終わらせて、午後には終業式?とか言うのをしてそのまま夏季休暇となるそうな。
「お疲れ様、お前らはどうだった?」
夕食をとるために食堂に集まった一班のメンバーにそう聞いてみる。
「…結構、大変だったね」
「ありゃ、やっぱそうなのか」
ラウクムくんがそう言うと、みんなそれぞれが口を開き、愚痴が始まる。
タフで大変だったとか、攻撃が中々通らなかったとか、審査員が思った以上に邪魔だったとか、単純にサイクロプスがキモかったとか、まぁ実に色々と。
あ、ちなみにサイクロプスのサイズは平均サイズ。俺のだけ、デカかった。
そんな愚痴をしばらく聞いた後、
「合格出来そう?」
と聞いてみれば。
「「「「余裕」」」」
と頼もしい答え。
その後、少し遅れて。
「………よゆう」
シエルの答えも返ってきた。
「クアイもリーザも何とかなったっぽいな。シエルに関しちゃ何も心配して無かったけど」
「私は!?」「僕は!?」
「シンパイシテタヨー」
「レィアさん、酷いぐらい露骨に棒読みだね!?」
正直、アーネとラウクム君に関しちゃ知らね。魔法はさっぱりわからんし、ラウクム君は今回、武器を次々変えるという荒業をしてのけたし。
巨大な盾を使って攻撃をいなした後、すぐに盾を放棄して槌に持ち返る。一撃繰り出したあとはすぐに盾を装備し直して、次はでっかい斧とか取り出してたしな。
ちらりと見ただけだが、一番頑張っていたのは彼じゃないだろうか。
が、俺が気になるのは多少なりとも手ほどきしたこの二人。シエル?多分タマの取り合いだったら、この五人の中でダントツで一位だから心配はしてない。何となく、シエルは俺に似てるからな。
二人はかなり厳しいかもしれないと思っていた。
クアイちゃんは疲労でぶっ倒れた後、すぐに特級魔法の手伝いに駆り出されてたし、リーザはココ最近、ほとんど練習を出来なかった(させなかったとも言う)ので、鈍っている可能性もあった。
ただ、クアイちゃんは戦技アーツの習得に至ったし、リーザは本当の意味で万全の身体になったから、何とかなるか?とは少し思っていたが。
結果として、全員無傷で審査員も無傷。タイムは確か五分と十二秒と、俺を除けば一番早かったらしいから、さっきの余裕発言に繋がるのだろう。
俺?俺のタイムは確か…二分五十秒位だったか?解体に少し手間取ったかな。
「それじゃ改めて。試験終了、お疲れ様!」
「「「「お疲れ様!!」」」」
「………おつかれ、さま!」
俺達がそう言ったと同時に、周りでも似たような声が食堂の至るところで上がった。
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