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本編
接し方と育ち
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「…ここまで来りゃ充分撒いたろ。…どうした?」
「い、いえ、なんでもありません」
「…?そうか」
何やら顔が赤い気がするが、まさか風邪とかじゃないだろうな?
まぁ、本人がそう言うのならそうなのだろう。多分。
「随分と…慣れていらっしゃるのですね」
「あ?何が?」
聖女サマをそっと地面に下ろし、キョロキョロと辺りをチェック。うん、見た感じ一般人しかいないな。
一応路地裏にいるから、すぐにはバレないだろうが…。
「その…女性の扱いの様なものが」
「あん?」
『普通、女に慣れてたら女抱えて屋根飛び回ったりしねぇけどな』
まぁ、そうだよな。
ぶっちゃけ、今も計りかねてるぐらいだし。
よっぽど怪訝そうな顔をしていたらしく、聖女サマが慌てて言い直した。
「えっと、その、遠慮がないと言いますか、接し方が乱雑と言うような…」
『なんだ、今代のを褒めているのかと思っていたら貶していたのか』
みたいだな。少なくとも褒めちゃいないな。
「あぁいえ!貶しているつもりはありません!」
「『なんじゃそりゃ』」
訳分からん。
「えっと…英雄で言うと、ハウナ様やレムナント様より、どちらかと言うとファルナ様の様な接し方と言うような…」
「あぁ、そういう事?」
なんつーか、性別的な無意識の反応の話か。
たとえばラウクムくんなどが他班の男子と喋ったりつき合ったりする時と、アーネやリーザと喋ったりつき合ったりする時の調子が微妙に違ったりする。
表現しにくいのだが、後者は薄い透明の壁を挟んで話したりしている気分になる。無意識に気を使ったりするからだろうな。
けど。
「俺は変な気遣いとかが無くて楽だと?」
「えぇ、まぁ…そういう事、ですかね?」
何故そこで疑問形になる。
まぁいい。それの理由は比較的単純だ。
「俺の故郷…って言うのも変だが、育った所知ってるだろ?」
「はい…あの時は私の力が及ばず…」
「あぁ。別にお前が気にする事じゃねぇよ」
悔しそうに唇を噛む聖女サマに一言そう言い、そう言えばあの時、こいつはこんなに人らしかっただろうかとふと思った。
「アイツに育てられちゃ、男も女も関係なく扱うようになるさ」
頭にはてなマークを山ほど飛ばしている聖女サマに幾つか例を上げていく。
「いつもタンクトップとホットパンツだけだとか、ぶかぶかのシャツ一枚とか、そもそも服着ないで下着だけとかで一つ屋根の下生活、風呂は分けられていたが、なんやかんやで同じ風呂に入れさせられ、その癖隠す物は一つもなく、むしろ豪快に見せてくる。恥じらいなんてとっくの昔に捨ててたんだろうな、アイツ」
どうでもいい余談だが、服もほとんど男物だったな。スカートは無くもなかったが、ロングスカートなどはなく、超ミニとかだったし。
「だ、男女という認識は…」
「あったっちゃあったが、それ以前に俺達ゃ『戦士』だったからな。ナナキ曰く、『戦士であるなら性別なんて無視無視』だそうだ」
湯船に浸かりながらひらひらと手を振るアイツの姿が思い出された。
「そんな中で育ったからな。接し方は誰も平等だ」
もちろん、女だから殴らないとかは一切ない。
「さて、アンタの質問はそれだったのか?別に交換会って訳じゃなかったから、まだ聞いてもいいが…」
「いえ!私が聞きたかったのはそれですから大丈夫です!」
やたら慌てる聖女サマに「そうか?」と言って手を引く。
「そら、次はどこをまわる?」
そう聞くと、フライナは満面の笑みを浮かべて次に行きたい所を口にする。
この瞬間が楽しくて仕方ないと言わんばかりに。
「い、いえ、なんでもありません」
「…?そうか」
何やら顔が赤い気がするが、まさか風邪とかじゃないだろうな?
まぁ、本人がそう言うのならそうなのだろう。多分。
「随分と…慣れていらっしゃるのですね」
「あ?何が?」
聖女サマをそっと地面に下ろし、キョロキョロと辺りをチェック。うん、見た感じ一般人しかいないな。
一応路地裏にいるから、すぐにはバレないだろうが…。
「その…女性の扱いの様なものが」
「あん?」
『普通、女に慣れてたら女抱えて屋根飛び回ったりしねぇけどな』
まぁ、そうだよな。
ぶっちゃけ、今も計りかねてるぐらいだし。
よっぽど怪訝そうな顔をしていたらしく、聖女サマが慌てて言い直した。
「えっと、その、遠慮がないと言いますか、接し方が乱雑と言うような…」
『なんだ、今代のを褒めているのかと思っていたら貶していたのか』
みたいだな。少なくとも褒めちゃいないな。
「あぁいえ!貶しているつもりはありません!」
「『なんじゃそりゃ』」
訳分からん。
「えっと…英雄で言うと、ハウナ様やレムナント様より、どちらかと言うとファルナ様の様な接し方と言うような…」
「あぁ、そういう事?」
なんつーか、性別的な無意識の反応の話か。
たとえばラウクムくんなどが他班の男子と喋ったりつき合ったりする時と、アーネやリーザと喋ったりつき合ったりする時の調子が微妙に違ったりする。
表現しにくいのだが、後者は薄い透明の壁を挟んで話したりしている気分になる。無意識に気を使ったりするからだろうな。
けど。
「俺は変な気遣いとかが無くて楽だと?」
「えぇ、まぁ…そういう事、ですかね?」
何故そこで疑問形になる。
まぁいい。それの理由は比較的単純だ。
「俺の故郷…って言うのも変だが、育った所知ってるだろ?」
「はい…あの時は私の力が及ばず…」
「あぁ。別にお前が気にする事じゃねぇよ」
悔しそうに唇を噛む聖女サマに一言そう言い、そう言えばあの時、こいつはこんなに人らしかっただろうかとふと思った。
「アイツに育てられちゃ、男も女も関係なく扱うようになるさ」
頭にはてなマークを山ほど飛ばしている聖女サマに幾つか例を上げていく。
「いつもタンクトップとホットパンツだけだとか、ぶかぶかのシャツ一枚とか、そもそも服着ないで下着だけとかで一つ屋根の下生活、風呂は分けられていたが、なんやかんやで同じ風呂に入れさせられ、その癖隠す物は一つもなく、むしろ豪快に見せてくる。恥じらいなんてとっくの昔に捨ててたんだろうな、アイツ」
どうでもいい余談だが、服もほとんど男物だったな。スカートは無くもなかったが、ロングスカートなどはなく、超ミニとかだったし。
「だ、男女という認識は…」
「あったっちゃあったが、それ以前に俺達ゃ『戦士』だったからな。ナナキ曰く、『戦士であるなら性別なんて無視無視』だそうだ」
湯船に浸かりながらひらひらと手を振るアイツの姿が思い出された。
「そんな中で育ったからな。接し方は誰も平等だ」
もちろん、女だから殴らないとかは一切ない。
「さて、アンタの質問はそれだったのか?別に交換会って訳じゃなかったから、まだ聞いてもいいが…」
「いえ!私が聞きたかったのはそれですから大丈夫です!」
やたら慌てる聖女サマに「そうか?」と言って手を引く。
「そら、次はどこをまわる?」
そう聞くと、フライナは満面の笑みを浮かべて次に行きたい所を口にする。
この瞬間が楽しくて仕方ないと言わんばかりに。
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