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本編 第1章
ヒーロー。
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生は燃え盛る一軒家に向かって走り出した。
「待ちなさい君!!そんな格好で死ぬつもりか!!戻って来なさい!!」
消防士が生に怒鳴るも、炎の影響で迂闊に近づけない。
「あぁ、これで死ねるなら死にてぇよおおおっ!!!」
そう言って生は燃え盛る一軒家の一階の窓に向かって全速力で走った。
ドンッ!!バリーーン!!!
生は走った勢いでダイナミックに体当たりをして窓ガラスを割り、家の中へ入った。
「サウナみてぇに[暑い]けど、[熱く]はない…そして痛みもない。これなら炎なんてただのイルミネーションだぜ…上手くないな。ってかそんな場合じゃねぇ!」
周りを見渡すと廊下の奥に上へと続く、階段があった。
「よし!あそこから上に行ける!!」
階段の目の前を燃え盛る炎が通せんぼしていたが、生はお構いなく炎の中を走り抜けた。
2階へ駆け上がった生は炎の中を走り周って取り残された子どもの居る部屋を探す。
「くそ、何処だ!いくら不死身とは言え、煙とすすでよく見えねぇよ!!」
走り周っていると[しょうたのへや]と可愛い装飾が施されている木のプレートが掛かったドアを見つけた。
「ここか!!助けに来たぞ!!居たら返事してくれ!!」
ドカッ!!
ドアを蹴破って部屋の中に入った。
すると部屋の隅で小さくうずくまって倒れている5歳くらいの男の子がいた。
生はその子が炎に当たらないよう、少し姿勢を丸め、彼を身体と手で包みこむようにしっかりと抱えると、来た道を走って戻った。
1階へ降りる階段まで来た時に生はある事に気づいた。
「なっ…階段が燃えて崩れてる!これじゃあ下へ戻れない…!くそッ、このままだと俺は大丈夫でもこの子の命が危ない。」
数秒考えた生は踵を返し、今度は二階の廊下の窓目掛けて走った。
「うおおおおおお!60階を征した俺は2階ごときの高さじゃ、ひるまねぇぞおおおっ!!」
そう叫びながらガラスをライダーキックのように蹴破り、外へ飛び出した。
そのまま地面にドンッ!!と着地。
「お、おい!一般人が、火事の家から子どもを助けたぞぉーーー!!」
誰かが叫んだ。
「奇跡よ!奇跡!!」
「うおーー!すげえ!!しかも無傷じゃん!神かよ!」
火事の見物人達が生と生の抱えた子どもを見て次々と騒ぎ始める。
先ほど怒鳴った消防士が生に近づいて来た。
「ありがとう…君は凄いな。信じられないよ。子どもは気を失っているが、外傷は無いみたいだ。こちらで預かるよ、本当にありがとう。」
生は人生で一番褒められた気がした。
「い、いえ…とんでもないです。」
「いや…君はヒーローだ。」
生は消防士に言われたこの言葉を一生忘れなかった。
「待ちなさい君!!そんな格好で死ぬつもりか!!戻って来なさい!!」
消防士が生に怒鳴るも、炎の影響で迂闊に近づけない。
「あぁ、これで死ねるなら死にてぇよおおおっ!!!」
そう言って生は燃え盛る一軒家の一階の窓に向かって全速力で走った。
ドンッ!!バリーーン!!!
生は走った勢いでダイナミックに体当たりをして窓ガラスを割り、家の中へ入った。
「サウナみてぇに[暑い]けど、[熱く]はない…そして痛みもない。これなら炎なんてただのイルミネーションだぜ…上手くないな。ってかそんな場合じゃねぇ!」
周りを見渡すと廊下の奥に上へと続く、階段があった。
「よし!あそこから上に行ける!!」
階段の目の前を燃え盛る炎が通せんぼしていたが、生はお構いなく炎の中を走り抜けた。
2階へ駆け上がった生は炎の中を走り周って取り残された子どもの居る部屋を探す。
「くそ、何処だ!いくら不死身とは言え、煙とすすでよく見えねぇよ!!」
走り周っていると[しょうたのへや]と可愛い装飾が施されている木のプレートが掛かったドアを見つけた。
「ここか!!助けに来たぞ!!居たら返事してくれ!!」
ドカッ!!
ドアを蹴破って部屋の中に入った。
すると部屋の隅で小さくうずくまって倒れている5歳くらいの男の子がいた。
生はその子が炎に当たらないよう、少し姿勢を丸め、彼を身体と手で包みこむようにしっかりと抱えると、来た道を走って戻った。
1階へ降りる階段まで来た時に生はある事に気づいた。
「なっ…階段が燃えて崩れてる!これじゃあ下へ戻れない…!くそッ、このままだと俺は大丈夫でもこの子の命が危ない。」
数秒考えた生は踵を返し、今度は二階の廊下の窓目掛けて走った。
「うおおおおおお!60階を征した俺は2階ごときの高さじゃ、ひるまねぇぞおおおっ!!」
そう叫びながらガラスをライダーキックのように蹴破り、外へ飛び出した。
そのまま地面にドンッ!!と着地。
「お、おい!一般人が、火事の家から子どもを助けたぞぉーーー!!」
誰かが叫んだ。
「奇跡よ!奇跡!!」
「うおーー!すげえ!!しかも無傷じゃん!神かよ!」
火事の見物人達が生と生の抱えた子どもを見て次々と騒ぎ始める。
先ほど怒鳴った消防士が生に近づいて来た。
「ありがとう…君は凄いな。信じられないよ。子どもは気を失っているが、外傷は無いみたいだ。こちらで預かるよ、本当にありがとう。」
生は人生で一番褒められた気がした。
「い、いえ…とんでもないです。」
「いや…君はヒーローだ。」
生は消防士に言われたこの言葉を一生忘れなかった。
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