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本編 第1章

[番外編]天国と地獄の間からこんにちわ(2)

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「フン♪フフフンフン♪フ~ン♪」

黒いフードを被った少女が鼻歌をしながら向かった先、
それはごうごうと炎の立ちのぼる火事の火元である一軒家。その周りを囲む野次馬に紛れて火事と[七宮 生]を見物しに来たのだ。

「あれ?私、火遊びの後始末ちゃんとしなかったのかな?家が燃えちゃった♪…さてさて、生クンは子どもを助けられてるのかなぁ~?」

バリーーン!

燃え盛る家の2階の窓ガラスが割れると、子どもを抱えた[七宮 生]が飛び出して来た。

「アハハ、ちゃんと子どもを助けてあげられたみたい♪ 私のかけてあげた呪いのお陰ね~♪」

野次馬達が取り残された子どもを助けた生に驚き、次々と歓声を上げる。

「あーーーうるさいうるさいっ!…でもやっぱりなかなか良い男ね~生クンは♪もっと、虐めてあげたいな♪」


「次からはもっと凄いサプライズをするから楽しみにしててね♪ 」

遠くにいる生にそう呟くと黒いパーカーの少女は夜の闇に消えていった。
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