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本編 第2章

[番外編] 断罪の執行者 (1)

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真っ暗な世界、そこにゾロゾロと沢山の人が一例に並んでいる。
しかしどの人も目に生気がない。力が抜けたようにただ並んでいる。

その長い人の列の先に、巨大な神々しい天秤。その横の椅子には紅い髪の少女が座っている。

「はい次の君、そこに乗って。」

少女にそう言われた男は黙って天秤の片方の皿の上に乗る。

「天秤よ、この者の善と悪を計り、然るべき運命さだめを導け!」
少女の一声で天秤は眩く光った。

そして男の乗った皿が浮き、反対側の皿が沈む。

「なるほど、君は生前に行った善よりも犯した罪の方が重かった。

…よって、地獄行きね。」

すると、天秤の皿に乗っていた男の四肢を何処からともなく現れた鎖が縛り、拘束。そのまま闇の中へと静かに連れ去られた。

「まったく、今日は何人くるのぉ?人死にすぎぃ。

ここんとこ本当に忙しくて全然見れてないんだから~本当に萎える。

ヒトの魂を断罪して天国と地獄を振り分ける[執行者エンマ]の仕事なんてするんじゃなかったわ~。

…早く会いたいな。

待っててね、プレゼント持ってくから。


…七宮 生クン♪」

少女は暗闇の世界で1人、不敵に笑った。


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