異世界で俺はチーター

田中 歩

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{第三十七話} オレの過去

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こんなにも本気でダッシュしたのはいつぶりだろうか?
通学は基本チャリだし、体育にに走る事は無い...もし、走れと先生に言われても「だが断る!」と決め顔で言っただろう。
なにせ、中学の体育でグラウンドを10周走るとか言う授業があったが最初の「よーい、ドン!」から歩いた。
そんな事をしていたオレが自分から走ろうと思ったのは姫様と王妃のおかげだろう。
そんな事を考えながらオレは庭園の方に走る。

「ネラ、状況は?」
ネラは姫様と王妃を守りながら、警戒態勢に入っている。

「今のところは、何も起きていないですが...こちらに近づいて来ています」
姫様達を透明な板で囲う。

「ショウさん、コレは?」
少し驚いた様子で聞いてきた。

「この中に入れば、攻撃を受けないでしょう」

「そうですか、突然現れて驚きました」
そりゃあそうだ、こんな得体の知れないものに突然囲まれたら誰でも驚くだろう。

「ネラ、メイドを二人に」

「はい」
一応念のため、姫様達のところに居てもらって、オレとネラは森へと向かう。

「どうする?なにか良い作戦ある?」
森の近くの影に隠れ作戦?を練る。

「私が後ろに回って敵を倒していきますので、マスターはここで逃げて来た敵を倒してください」

「分かった、頼んだぞ」

「はい」
ネラが走っていってしまった。

オレの「色々聞きたいから何人か殺さないでね」は聞こえていただろうか?
きっと、聞こえていただろう。
きっと...


しばらくここで待っているが、誰一人森から出で来なかった。
変わりに森から敵だと思われる敵の悲鳴が聞こえてくる...
そんな悲鳴が数分続いていたが突然静かになったと思うと男が一人こちらに走ってきた。

「うわー!やめてくれ!」
敵に、しかも結構おじさんだ。
そんな人にこんな事を言わせるなんて森の中で何が起こっているのだろうか...
そんな彼はオレを見てさらに叫んだ。

「やめてくれ、殺さないでくれ!」
森の中で襲ってきた女と同じ格好をした男が目の前に出てくるとかドッキリにもほどがあるだろうw
敵ながら同情するよ...w

「どうも、出来れば暴れないでほしいのですが...」
その言葉を聴いて男は簡単に降参した。
本当に彼は森の中で何を見たのか。
その後すぐに、ネラがこちらに歩いてきた。
ものすごい殺気を放ちオーラが見えるくらいだった。
ネラ、怖い!絶対怒らせちゃいけない人間だよ!
ネラの強はオレの半分?ありえないだろ?w

「一人こちらに来ませんでしたか?」
普通に聞いてきたのだろうが、怖い!とにかく怖い!

「ここに居るよ」
オレは縄で縛った男の方を指差した。
ブルブル震えている、相当怖いのだろう。

「お手を煩わせてすいません」

「大丈夫だ、問題無い」
オレにも分かるぐらいの殺気を放っていた。
ネラ、恐い!

「では、お聞きします。あなたは誰に頼まれてこんな事を?」

「お、オレは悪くないんだ...」

「そんな事は聞いてません、誰に頼まれたのか聞いているんです」
その様子は一方的過ぎて男に同情したくなってきた。

「街の酒場で飲んでいるときに「ゼム」とか言う男にたのまれたんだ」

「酒場の名前は?

「な、名前は「カナレット」だ」

「そうですか、分かりました」

「だから、頼む殺さないでくれ!」

「どうしますか、マスター?」

「どうやら「ゼム」とか言う男に雇われたただけみたいだから騎士団長にでも身柄を渡せばいいだろ」

「分かりました」
話をしているとネラが急に黙った。

「敵がまたこちらに近づいています」

「なんだと?!」

「コレはどういうことですか?」
ネラはそう言い男をに睨む。
睨みすぎて男を睨み殺しそうなくらいだ。

「し、知らない!」
どうやら本当に知らないようだ。

「きっと「ゼム」とか言うやつがこいつらのほかにも雇ったんだろう」

「そのようですね」
ネラが銃を構える。
どうやらネラの武器は銃らしい。
見た感じ「M92F」だろう、しかもサイレンサーとフラッシュライトが着いている。

「今度はオレが行く!」
オレは銃を構える。
オレのは特に何もアタッチメントは無いが、とても使い古された感があるくらいだ。

「分かりました」
走って森の中に入って行くと額を打ち抜かれた男が木にもたれ掛かっていた。

「こ、コレは...」
良く見るといたるところに撃ち殺された男達の死体あった。

「おぇ、吐きそう...」
すべてヘットショット一発で殺されているためグロさはあまり無い。
しばらく森の中を進むと男達の集団を見つけた。
モブの中に一人いような殺気を放つ男が大声を上げた。

「おい!そこに居るヤツ!隠れてないで出て来い!」
やはりそこらへんのザコとは違うようだ。

「ど、どうも~...」
木の陰から出てくうオレを見た男が隣に居た部下らしき男を殴り飛ばした。
殴り飛ばされた男は木に強くぶつかり地面に倒れた。

「お前が情報を漏らしたのか!」
地面に倒れた男をさらに殴ったりけったりしていた。
やられている男は傷だらけだった。
そんな男を見てオレの中の記憶の奥底にカギを掛け仕舞い込まれた暗い記憶が顔を見せる。
やはり、忘れたと思っていた事でも何かのきっかけで思い出してしまうらしい...

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

中学時代のオレはいじめを受けていた。
殴られてけられるのは当たり前でそれだけですめばましな方だった。

「おい!昌!今日も来たのか?いつも悪いなw」

「お、おはよう...政宗くん...」
声を振り絞って挨拶をした

「持ってきたよな?」

「あ、あぁ...もちろんだよ...」
お金を取る事もたびたびあった。
昼休みになると「プロレスごっこ」と言う名の暴力が始まる。

「行くぞー!」
政宗の拳が腹に入って吐き気がした。
そこにもう一発入ったときには思いっきり給食を吐き出した。
そんな吐いたオレを見てクラスの女子が悲鳴を上げる。

「キャー!」「キモイ!」「汚い!」
オレがいじめられている時には何も言わず静かなくせにこういう時は一番に騒ぎ出す。
そんな女子の悲鳴を聞いて先生が駆けつけた。
先生達もいじめに気づいていたのだろう。
シャツを出したりベルトをつけなかったり第一ボタンを外しているのにはすぐに気づいて注意してくるくせに、いじめには気づいても気づかぬふりをする。
そんな先生達もいじめをしている政宗達と同じに見えた。
その日は吐いたのを理由に早退した。
母親には何故吐いたのかを聞かれたが心配を掛けまいと「食べ過ぎただけ」と答えた。
それでもオレは次の日も学校に行った。
学校に行くのをやめる事は正宗達のいじめに屈した事と同じと思ったからだ。
そんな謎の負けず嫌いを持っているくせに政宗達にやり返す勇気は出なかった。
そんなある日、事件は起こった...
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