異世界で俺はチーター

田中 歩

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{第四十五話} 3つの赤い点が動く地図

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この構図は良く分からんが、これしか方法は無いのだろう。
きっと....そうであると願いたい...

「ちなみに、何人探せばいい?」
族長に手紙を渡した。

「この手紙に着いた魔力反応がある5人のうちの2人はオレと騎士団長の物なので」
「ほかの3人を頼みます」

「しかしな...」
族長は少し眉をひそめる。

「どうしました?」

「ショウの魔力は分かるのだが、その「騎士団長」とか言うヤツの魔力がどれなのか分からない」
「それが分からないわけには、3人に絞れないぞ?」

「そうですか...」

「もしかして、ショウの2番目に新しいこの魔力が「騎士団長」の物か?」
「それなら話が早いのだが」

「2番目に新しい?」
「魔力に新しい、古いがあるのか?」
あ、さっき新鮮さがどうとか言ってたな...

「魔力は人の体を離れると次第に古くなる」
「時間が経つにつれてだ」
「つまり、騎士団長がこの手紙に触れた人物の中でショウの次なら」
「これは、騎士団長の魔力になる」

「なるほど...」
「そう言う事なら、それが騎士団長の魔力で間違いないと思います」

「そうか分かった」
「では、はじめるぞ」
族長は地図に両手を置いた。

「いきますよ」
地図に両手を置いた族長の背中にオレは両手を置いき魔力を流した。
なんともいえないこの構図...

「ショウ、魔力の量が足りない」
「もっと勢い良く大量に流せ」
そう言う族長は汗を大量に掻いていた。

「これでも、めいっぱい送ってるつもりですよ」
「これ以上となると...どうすれば...」
がんばって「これでもか!」って位、送ってるつもりなんだけどな...

「あわてるな、落ちつけ」
「深呼吸をして、感覚を研ぎ澄ませろ」
「そして、イメージしろ」
「自分の魔力が大量に勢い良く私の体の中に流れ込む様子を想像しろ」
そう言われてもな...
まぁ、やってみるしか無いんですけどね。

「やっては見ますが...」
言われた通りに深く深呼吸をし、目を閉じ感覚を研ぎ澄ませイメージする。
(イメージ...イメージ...)
難しい...
そうだ、氾濫した川の水を魔力に置き換えて想像すればよいのでは?
氾濫した川なら、流れは早いし量も多い。
(氾濫した魔力の流れる川...その先は族長の体内...)
いける気がするぞ!

「魔力が増えてきたな、その調子だ」
「もっと、もっとだ」
「その程度では足りないぞ?」
流し込む魔力の量が増えるにつれ、族長の汗は次第に減っていった。
オレのせいでそれほど、族長に負担をかけていたと言う事なのだろうか。

「行くぞ」
族長がその一言を放った瞬間衝撃波の様な物は放たれた様に見えた。
しかしネラや王、モニカ達の様子を見るに彼女達には見えていないのか、特に驚いた様子も無い。
もしかして、オレが幻覚を見ただけとか?

「あの...」

「出来たぞ!」
オレの「あの...」はかき消された...

「ショウ、これが注文の品だ」
「地図に赤い点が3つかあるだろ?」
「これが、対象の位置だ」
「この赤い点はヤツらの動きに合わせて動く」
「この地図さえ見ればいつどこにヤツらが居るのか一目瞭然だ」
族長に渡されたその地図には確かに赤い点が3つ表示されそれぞれ動いていた。
リアルタイムで相手の位置が見れるなんて便利だな...

紫色のゲートが出現した。
「では、私はこれで」
「礼はまた後日たっぷりとしてもらうぞ?」
「私はわざわざこの世界に足を運ぶなどめったに無いからな」
「まぁ、この国の国王にもあえてどんな人間なのかも見れたのはよかった」
「またな、ショウ」

「おう!」
たっぷりか...何をさせられるんだろう...

「王、貴様もだ」

「ああ、その時はショウ殿を呼ぶ事にしよう」

「それは、名案だ!」
「そうしよう!」
え?マジで?
「では、また」
「お前達も問題は起こすなよ、それとショウの事は頼んだぞ」
「もし、何かあって死ぬような事があったら...」
「分かっているよな?」
モニカとモニアをにらみつける。

「はい!」
「もちろんよ!」
モニアはいつもと同じ感じの返事だが、モニカはビビッて居る。
その二人の返事を聞いて族長はゲートの向こうへと消えていった。

「ふ~」
「怖かったわ~」
族長が居なくなった瞬間、2人の緊張解けたようだ、特にモニカ。

「2人でも怖いのか?」
付き合い長そうに見えるが...

「当たり前です!」
「当たり前よ!」
あ、やっぱり?w

「そ、そうだよな...」
2人に距離を詰められあせるオレ。

「でも珍しいですね」
「そうね~」

「何が?」

「初対面のそれに人間をあそこまで気に入るなんて...」
「相当気に入られたわね、ショウくん」
少しや気持ちを焼いているようにも見えない事も無い?

「そうなのか...?」
「よくわからん...」
本当によくわからん...

「そうですか、では」
「私達は帰るわね~」
そう言うとゲートが現れ。
2人はゲートの中へ消えていった。

「おう、またな~」
何かあったらまた呼ぼう。

「ショウ殿、私にもその地図を見せてもらえるか?」
そう言えば王には見せてなかったな...
この地図には地名が書いていないため、王に地名を聞いておくか。
スマホのマップと照らし合わせれば分かる事なのだが。
「そうか、やはりこの地域にこういった輩は集まるのか」
王の目線の先は地図の左上、北西の方角にある中心街から離れて居る辺りだ。

「ここの赤い点が2つあるこの場所は...?」
ちなみに残りの1つは、中心街をうろうろしている。

「ここは「バラスク」と言う名前の場所で、24時間眠らない場所だ」
「行くつもりならやめた方がいい...まぁ、京一と同じタイプなら私の忠告は無意味だからな」
「君達の世界で言うところの「ラスベガス」に近いのかもしれない」
ラスベガスか、カジノとかあるのか。
麻薬とかそこらへんの人の持ち物を調べたら出てきそうだな。
ラスベガスはおかしなヤツらの博覧会らしいな、きっと「バラスク」もおかしなヤツらが多いんだろうな。

「今日は少なくとも行かないな」
「今日は王の護衛が優先だからな」
「団長の暗殺もオレが居る場面なら、団長を守りますがオレが守る必要があるほど弱くは無いだろう」
「オレの予想なら夜の誕生パーティーで襲われる可能性が高い」
オレが殺し屋ならそこを狙うな。

「夜のパーティーは城のいつも舞踏会で使われる大きな部屋だ」
「そこに貴族などの客人ならびに私達も全員そろう」
「もちろん、騎士団と騎士団長もな」
「もしその場で国の騎士団の騎士団長が殺されるような事があれば、帝国の地位が揺るぐ」
「そんな地位はどっちでもいいのだが、ほかの国が帝国になるのはろくな事にはならないだろう」
「だから、この国が帝国のイスに座っている」
「今日がこの国の危機になるとは思ってなかったがな」
この国の危機、つまり王の危機でもあるのに、王はとてもうれしそうだ。
おじさんと仲の良い人はみんなこんな感じだ。

「どうしたんですかwうれしそうですね」
「王の危機でもあるんですよ?」

「ああ、そうだな...私の危機でもある」
「この帝国の王になってから、こんな事は久しぶりだ」
やはり、どこかうれしそうだ。
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