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{第百十一話} ダミー
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カジノを出ると、町の建物や行き交う人々が沈みかける太陽によって赤く照らされていた。
昌達はとりあえず今回の出来事を振り返る為に、ブルーキャッツへと向かった。
ブルーキャッツの店内には落ち着くいつも変わらない独特の時の流れがあった。
昌達はテーブル席に座り、マスターのエイムが出してくれたコーヒーを一口飲んで話を始めた。
「俺はあのまま行っていれば、確実に負けていた」
「あんまり気にしないほうがいいわよ?」
「あの斬撃に頼りきっていた。途中から冷静さを大きく欠いていた」
「誰だって動揺しますよ、分身して攻撃してきたんですから」
「タグ・トロが言った通りだ。あんな戦い方じゃあ勝てるわけない。オレはもう二度とあんな戦いはしない!」
「その意気よ、家の地下スペースを使ってBCの特訓をしましょう」
そのまま昌達は家に向かった。
帰宅するとすぐに地下スペースで特訓を始めた。
昌達は時間の許す限りベックから貰ったデータを元に考えうるすべての状況を仮定し、その対応策を練った。
地下スペースには人型ロボットの「汎用型デジタルモックマン試作機」(Digital Utility Man Intelligent Exampie)通称「DAMMIE」が数体置いてあり、そこにあのデータをインプットすればダミーに搭載されたAIが色々な場面に対して選択された対戦相手の動きをできるだけ近い形で再現する。
そんなダミーを昌達はそれぞれ一対一で相手に戦っていた。
昌は新しくなり強化されたGOSに慣れつつ、剣一本に加えて盾を装備して防御面の強化を狙った。
ネラはWHBの最終調整をするべく、最初は的の中心を狙っていたが、ある程度調整が終わると的に弾痕で星型や顔を書いていた。
ネイは色々な種類の武器を装備ダミーを相手に短剣での近接戦闘を挑み、それに加えて中距離戦闘に対応すべく投げナイフの練習もしていた。
真面目に特訓をしれいるネラとネイを他所に、昌は剣を振り回して周囲に無数の斬撃を放っていたかと思うと、手から抜けた剣が天井に突き刺さった。
特訓も終えて夕食を食べたあと昌は体をシャワーで軽く流して熱い湯舟に浸かった。
「ふぅ~」
一日中イベントがてんこ盛りで心身ともに疲れ切った昌の体から力が抜けて脱力感に襲われていた。
重力に逆らえなくなった瞼がゆっくりと下がってきているのはわかていたが、昌にはそれに逆らう力も気力も残って無かった。
眠気に対して寝ないギリギリのラインで目を瞑ったまま耐えていたが、浴室に誰かが入ってくる事に気づきゆっくり瞼を開けるとネイがバスタオル一枚を体に巻いただけの恰好で入ってきていた。
「っちょ!おま、え?!」
「背中を流してあげるわ」
ネイは昌を手を引いて浴槽から引っ張り出すと、椅子に座らせた。
「そんなに緊張しなくてもいいのに、可愛いわね」
ネイは笑いながら昌の体を柔らかいスポンジで丁寧に洗った。
気づけば浴槽でミイが小さい姿で泳いでいる。
昌を洗い終わったネイは、今度は自分の体を洗ってほしいと、椅子に座って昌にスポンジを渡した。
スポンジを渡された昌は大きく深呼吸をして、ネイの背中をまじまじと見つめた。
きめ細かい肌、いつもは長い髪で隠れている「うなじ」に頬を赤くし水滴が流れて行く様子を目で追う。
「そんなに見つめられると照れちゃうな」
そんな昌の様子を正面にある鏡越しに見て、ネイも照れている。
ネイの言葉に我を取り戻してゆっくり泡立ったスポンジを背中に当てた。
「綺麗だ」
泡の隙間から見える肌につい言葉が漏れた。
「ありがとう、苦労したのよ?」
「苦労?」
「京一は確かに私とネラを作ったけど、作ったのは骨格だけで外見は私達が作ったのよね~。だから私達の体の作りが全く違うのよ?」
「いらないわ、そんな情報」
急に恥ずかしくなった昌は体を流すと急いで浴室から飛び出した。
「ヤバい、このまま行ってたら確実に一線を超えていた...あぶねぇ」
「私は一線を超えてもいいのよ?」
ネイは扉越しに昌をからかってとても楽しそうだった。
体を拭いて下着を着て、ドライヤーで髪の毛を乾かして歯を磨いていると、ミイが少女の大きさになって浴室から出てきた。
「マスタ~」
「おいおい、体を拭けって」
濡れた体で昌に抱き着いたミイをバスタオルで包んで捕まえた。
ミイの小さい体を丁寧に拭いて髪をさっきのドライヤーで乾かし、一緒に寝室へ向かった
「今日は久しぶりに一緒に寝るか?」
「はい!」
ベッドに座ると昌の膝の上にミイが座ってきたので、クリエイトで出した櫛で髪と梳かした。
昌は自分に娘がいたら髪の毛を梳かしてあげるのが日課になるんだろうと思い寝室に流れているほのぼのとした雰囲気に昌が浸っていると下着姿のネイが部屋に入ってきて、昌に髪をとかしてもらっているミイを見て嫉妬でもしたのか昌に背中を向ける形で座った。
「私の髪の毛も梳かして?」
ミイの髪を梳かすのと、ネイの髪を梳かすのとでは話が変わってくるのだが、断るわけにもいかないし少し、ほんの少しだけうれしい気持ちもあるのでミイの髪を梳かした後、ネイの髪をも梳かした。
髪を梳かし終わり、昌とミイがベットに入ると、ネイも同じく昌と同じベットに入ってきた。
「マスター、ぎゅってしてください!」
「いいぞ」
ニコニコ笑顔で言うミイの願を無碍にするわけにも行かず、いやなわけでもないのでミイを後ろから抱きしめたると、それを見たネイも後ろから昌を抱きしめた。
「ん?」
「いいでしょ?」
「え?うん、まぁ...ファッ!?」
「どうかしたの?」
「何でもない」
ネイに抱きしめられてつい、変な声が出てしまったが、理由は自分の中の奥深くにしまっておこう。
今ベットの中には右から「ミイ」「昌」「ネイ」の順で三人が川の字で寝ており、ミイを昌が、昌をネイが抱きしめていると言う、意味の分からない状況で、ミイは気持ちよさそうに小さな寝息を立てて眠ており、ネイも昌を抱きしめたまま静かに寝ていた。
そんな普通に寝ている二人に挟まれている昌は一睡も出来なかったが、背中にとても柔らかい物がずっと当たっていて幸せではあった。
昌達はとりあえず今回の出来事を振り返る為に、ブルーキャッツへと向かった。
ブルーキャッツの店内には落ち着くいつも変わらない独特の時の流れがあった。
昌達はテーブル席に座り、マスターのエイムが出してくれたコーヒーを一口飲んで話を始めた。
「俺はあのまま行っていれば、確実に負けていた」
「あんまり気にしないほうがいいわよ?」
「あの斬撃に頼りきっていた。途中から冷静さを大きく欠いていた」
「誰だって動揺しますよ、分身して攻撃してきたんですから」
「タグ・トロが言った通りだ。あんな戦い方じゃあ勝てるわけない。オレはもう二度とあんな戦いはしない!」
「その意気よ、家の地下スペースを使ってBCの特訓をしましょう」
そのまま昌達は家に向かった。
帰宅するとすぐに地下スペースで特訓を始めた。
昌達は時間の許す限りベックから貰ったデータを元に考えうるすべての状況を仮定し、その対応策を練った。
地下スペースには人型ロボットの「汎用型デジタルモックマン試作機」(Digital Utility Man Intelligent Exampie)通称「DAMMIE」が数体置いてあり、そこにあのデータをインプットすればダミーに搭載されたAIが色々な場面に対して選択された対戦相手の動きをできるだけ近い形で再現する。
そんなダミーを昌達はそれぞれ一対一で相手に戦っていた。
昌は新しくなり強化されたGOSに慣れつつ、剣一本に加えて盾を装備して防御面の強化を狙った。
ネラはWHBの最終調整をするべく、最初は的の中心を狙っていたが、ある程度調整が終わると的に弾痕で星型や顔を書いていた。
ネイは色々な種類の武器を装備ダミーを相手に短剣での近接戦闘を挑み、それに加えて中距離戦闘に対応すべく投げナイフの練習もしていた。
真面目に特訓をしれいるネラとネイを他所に、昌は剣を振り回して周囲に無数の斬撃を放っていたかと思うと、手から抜けた剣が天井に突き刺さった。
特訓も終えて夕食を食べたあと昌は体をシャワーで軽く流して熱い湯舟に浸かった。
「ふぅ~」
一日中イベントがてんこ盛りで心身ともに疲れ切った昌の体から力が抜けて脱力感に襲われていた。
重力に逆らえなくなった瞼がゆっくりと下がってきているのはわかていたが、昌にはそれに逆らう力も気力も残って無かった。
眠気に対して寝ないギリギリのラインで目を瞑ったまま耐えていたが、浴室に誰かが入ってくる事に気づきゆっくり瞼を開けるとネイがバスタオル一枚を体に巻いただけの恰好で入ってきていた。
「っちょ!おま、え?!」
「背中を流してあげるわ」
ネイは昌を手を引いて浴槽から引っ張り出すと、椅子に座らせた。
「そんなに緊張しなくてもいいのに、可愛いわね」
ネイは笑いながら昌の体を柔らかいスポンジで丁寧に洗った。
気づけば浴槽でミイが小さい姿で泳いでいる。
昌を洗い終わったネイは、今度は自分の体を洗ってほしいと、椅子に座って昌にスポンジを渡した。
スポンジを渡された昌は大きく深呼吸をして、ネイの背中をまじまじと見つめた。
きめ細かい肌、いつもは長い髪で隠れている「うなじ」に頬を赤くし水滴が流れて行く様子を目で追う。
「そんなに見つめられると照れちゃうな」
そんな昌の様子を正面にある鏡越しに見て、ネイも照れている。
ネイの言葉に我を取り戻してゆっくり泡立ったスポンジを背中に当てた。
「綺麗だ」
泡の隙間から見える肌につい言葉が漏れた。
「ありがとう、苦労したのよ?」
「苦労?」
「京一は確かに私とネラを作ったけど、作ったのは骨格だけで外見は私達が作ったのよね~。だから私達の体の作りが全く違うのよ?」
「いらないわ、そんな情報」
急に恥ずかしくなった昌は体を流すと急いで浴室から飛び出した。
「ヤバい、このまま行ってたら確実に一線を超えていた...あぶねぇ」
「私は一線を超えてもいいのよ?」
ネイは扉越しに昌をからかってとても楽しそうだった。
体を拭いて下着を着て、ドライヤーで髪の毛を乾かして歯を磨いていると、ミイが少女の大きさになって浴室から出てきた。
「マスタ~」
「おいおい、体を拭けって」
濡れた体で昌に抱き着いたミイをバスタオルで包んで捕まえた。
ミイの小さい体を丁寧に拭いて髪をさっきのドライヤーで乾かし、一緒に寝室へ向かった
「今日は久しぶりに一緒に寝るか?」
「はい!」
ベッドに座ると昌の膝の上にミイが座ってきたので、クリエイトで出した櫛で髪と梳かした。
昌は自分に娘がいたら髪の毛を梳かしてあげるのが日課になるんだろうと思い寝室に流れているほのぼのとした雰囲気に昌が浸っていると下着姿のネイが部屋に入ってきて、昌に髪をとかしてもらっているミイを見て嫉妬でもしたのか昌に背中を向ける形で座った。
「私の髪の毛も梳かして?」
ミイの髪を梳かすのと、ネイの髪を梳かすのとでは話が変わってくるのだが、断るわけにもいかないし少し、ほんの少しだけうれしい気持ちもあるのでミイの髪を梳かした後、ネイの髪をも梳かした。
髪を梳かし終わり、昌とミイがベットに入ると、ネイも同じく昌と同じベットに入ってきた。
「マスター、ぎゅってしてください!」
「いいぞ」
ニコニコ笑顔で言うミイの願を無碍にするわけにも行かず、いやなわけでもないのでミイを後ろから抱きしめたると、それを見たネイも後ろから昌を抱きしめた。
「ん?」
「いいでしょ?」
「え?うん、まぁ...ファッ!?」
「どうかしたの?」
「何でもない」
ネイに抱きしめられてつい、変な声が出てしまったが、理由は自分の中の奥深くにしまっておこう。
今ベットの中には右から「ミイ」「昌」「ネイ」の順で三人が川の字で寝ており、ミイを昌が、昌をネイが抱きしめていると言う、意味の分からない状況で、ミイは気持ちよさそうに小さな寝息を立てて眠ており、ネイも昌を抱きしめたまま静かに寝ていた。
そんな普通に寝ている二人に挟まれている昌は一睡も出来なかったが、背中にとても柔らかい物がずっと当たっていて幸せではあった。
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