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懐かしいヤツら
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「ボビー船長。積荷の受取完了です。コレ依頼達成書」
駐機場に来ていた配送代理店のテラさん。
「こんごともご贔屓に」
こちとら、配送受託メインの傭兵だからね。せっかく出来た代理店とのご縁だ。
「よしっと。じゃあ管制塔へ連絡」
「ボビー、本日その前に通信が入っている」
前部スクリーンに新たなウインドウが開く。
「よ!久しぶりだなぁ、ボビー」
「エリック?」
操舵手、そして艦長候補として競い合った好敵手でもあり、得難い親友とも言えた同級生。貴族の端くれでありながらも俺等平民とも普通に友誼を持ってくれた。
彼の肩に少佐の金バッジが煌めいている。
「少佐になったんだね。おめでとう、エリック。それじゃ、自分の艦をもてた?」
「あぁ。エンバー級駆逐艦『ランサム』の艦長を拝命したよ」
「凄いや。出世頭だな」
「まさか。ライカーは巡洋艦『レストレイド』の副長で中佐殿だぜ。それはそうと、ボビー、お前時間あるか?」
「無いよ」
「おま?それ、酷くない?」
「マジで無いんだよ」
「ふーん。売れっ子は違うねー」
「じゃあな」
俺は通信を切ろうとした。
「待て待て待て!軍部からの要請として、海賊討伐依頼を請け負って欲しいんだよ」
「現時点で依頼請負中。タルマンド星系へ行かないとならないんだ」
「日程的余裕は?」
「ほぼ無い。コッチの巡航速度を考えてくれ」
タートル級と言う、誰に聞いても鈍足中型貨物船だと言える船なんだから。
だから、俺は話を打ち切るつもりで。
と、そこへ。
「ボビー、回線に割り込みだ」
新たなウインドウが開く。
「遅延の責任と損害は保障する。君のバトル・ロボ乗りとしての技量が、どうしても欲しいんだ」
「フロスト先輩」
「以前の様にディックでいいぞ、ボビー」
2つ上の先輩、フロスト侯爵嫡子ディック。
ランクピンが金星4つだから大佐だ。
「お断りします」
「何?」
「俺は組合所属の個人傭兵です。軍の要請であろうとも、それは任意でしかない筈」
「おい、ボビー」
エリックの表情が少し慌ててる。
まぁ、軍の要請を蹴るなんて確かに尋常じゃないんだけど。
「保障すると言ったのだが?」
「もう軍には関わりたくないんですよ。今の俺は、基本"運び屋"で生きてます。インパルスパワー始動。出港準備」
通信を切りはしないが、それでも俺は出立する素振りをみせる。
「軍に戻る気は無いのかよ、ボビー。メイスンもダンも復学して前線に戻っている。アリスやメアリーもだ。皆んな、ボビーを待ってる!」
「エリック。俺、今、それなりに楽しい生き方してるんだ。シレジア・ターミナル、出港許可を」
「こちらシレジア・ターミナル。スライダー号、出港を許可します。コース2-2-8、針路クリア」
宇宙港管制塔は、政府機関であるが故に軍からも独立してる。忖度はあるにしても、だ。
「会えて嬉しかったよ、エリック。皆んなにもよろしく言っといてくれ」
「仕方ない、か。ボビー、『貴船の航海の安全を祈る』」
通信は終わった。
4年前の、例の事故での退学者は、俺以外復学してた…って設定らしい。記憶だけの4年間。それでも、彼等は同期のサクラって訳で。
「よかったのかい、ボビー」
「お前まで何だよ」
船のAIにしちゃ、妙に人間くさいよね。
「出港!コース2-2-8。微速前進」
スライダー号は、ゆっくりと上昇して前進し始める。大賑わいのシレジア大宙港はひっきりなしに船の離発着があり、数隻とすれ違い、追い抜かれていく。
「インパルスパワー、ハーフスピードへ」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「行ってしまったか」
「艦長、司令より通達。18時よりミーティングとの事」
元々、快活だったアイツは本当に活き活きしてる様に見えた。俺にとってアイツは得難い親友で、超えるべきライバルだった。航海科でも群を抜いて成績が良かったアイツは、平民であるが故にヤッカミや中傷の対象に常になってた。
「楽しい生き方をしてる、か。あぁ言われてしまっちゃあなぁ」
スライダー号は、補修の痕が歴戦の風格って感じを漂わせ、それがまたアイツの傭兵としての格にも見えて。
「あの公子のせいで、軍は惜しむべき人材を失ったってのに」
軍の中でも、航海科出の筈なのに近衛騎団艦隊の事務方になったホールズは、今現在帝都から出る事は無い。その境遇を本人も満足してる様で。同期も「アイツを宇宙に出しちゃ大迷惑」と密かに言っていて。ホールズ公爵家も、跡取りを戦死する状況に無い現況をとやかく言わない事にしたみたいだ。
「とは言え、この説得失敗。さて、メイスン達は兎も角アリスが何て言うかなぁ」
原則的には、個人傭兵に対し軍は任意依頼しか要請出来ないんだが、結構強権発動って感じが多くて。ボビーが、ある意味あそこまで強気でいられるのは、彼が皇女のお気に入りであるからで。
知り合った経緯もあって、スライダー号は、偶にカレン皇女の個人的な依頼を受ける事もあるらしい。
そんな存在の傭兵に強権なんか使った日にゃ…。
確かに皇女は物分かりはいいんだけどね。敢えて皇家のご機嫌を損ねに行くバカなんて、軍にいる筈も無い。
「アリス…、お前さんのライバルは手強いと思うよ」
この頃はまだ、ボビーに相棒が現れるなんて知る由も無かったんだ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「そろそろワープポイントだ」
「インパルスパワー切替、ワープドライブ始動!行くぜ、ワープ2」
スライダー号は、シレジア星系を後にした。
駐機場に来ていた配送代理店のテラさん。
「こんごともご贔屓に」
こちとら、配送受託メインの傭兵だからね。せっかく出来た代理店とのご縁だ。
「よしっと。じゃあ管制塔へ連絡」
「ボビー、本日その前に通信が入っている」
前部スクリーンに新たなウインドウが開く。
「よ!久しぶりだなぁ、ボビー」
「エリック?」
操舵手、そして艦長候補として競い合った好敵手でもあり、得難い親友とも言えた同級生。貴族の端くれでありながらも俺等平民とも普通に友誼を持ってくれた。
彼の肩に少佐の金バッジが煌めいている。
「少佐になったんだね。おめでとう、エリック。それじゃ、自分の艦をもてた?」
「あぁ。エンバー級駆逐艦『ランサム』の艦長を拝命したよ」
「凄いや。出世頭だな」
「まさか。ライカーは巡洋艦『レストレイド』の副長で中佐殿だぜ。それはそうと、ボビー、お前時間あるか?」
「無いよ」
「おま?それ、酷くない?」
「マジで無いんだよ」
「ふーん。売れっ子は違うねー」
「じゃあな」
俺は通信を切ろうとした。
「待て待て待て!軍部からの要請として、海賊討伐依頼を請け負って欲しいんだよ」
「現時点で依頼請負中。タルマンド星系へ行かないとならないんだ」
「日程的余裕は?」
「ほぼ無い。コッチの巡航速度を考えてくれ」
タートル級と言う、誰に聞いても鈍足中型貨物船だと言える船なんだから。
だから、俺は話を打ち切るつもりで。
と、そこへ。
「ボビー、回線に割り込みだ」
新たなウインドウが開く。
「遅延の責任と損害は保障する。君のバトル・ロボ乗りとしての技量が、どうしても欲しいんだ」
「フロスト先輩」
「以前の様にディックでいいぞ、ボビー」
2つ上の先輩、フロスト侯爵嫡子ディック。
ランクピンが金星4つだから大佐だ。
「お断りします」
「何?」
「俺は組合所属の個人傭兵です。軍の要請であろうとも、それは任意でしかない筈」
「おい、ボビー」
エリックの表情が少し慌ててる。
まぁ、軍の要請を蹴るなんて確かに尋常じゃないんだけど。
「保障すると言ったのだが?」
「もう軍には関わりたくないんですよ。今の俺は、基本"運び屋"で生きてます。インパルスパワー始動。出港準備」
通信を切りはしないが、それでも俺は出立する素振りをみせる。
「軍に戻る気は無いのかよ、ボビー。メイスンもダンも復学して前線に戻っている。アリスやメアリーもだ。皆んな、ボビーを待ってる!」
「エリック。俺、今、それなりに楽しい生き方してるんだ。シレジア・ターミナル、出港許可を」
「こちらシレジア・ターミナル。スライダー号、出港を許可します。コース2-2-8、針路クリア」
宇宙港管制塔は、政府機関であるが故に軍からも独立してる。忖度はあるにしても、だ。
「会えて嬉しかったよ、エリック。皆んなにもよろしく言っといてくれ」
「仕方ない、か。ボビー、『貴船の航海の安全を祈る』」
通信は終わった。
4年前の、例の事故での退学者は、俺以外復学してた…って設定らしい。記憶だけの4年間。それでも、彼等は同期のサクラって訳で。
「よかったのかい、ボビー」
「お前まで何だよ」
船のAIにしちゃ、妙に人間くさいよね。
「出港!コース2-2-8。微速前進」
スライダー号は、ゆっくりと上昇して前進し始める。大賑わいのシレジア大宙港はひっきりなしに船の離発着があり、数隻とすれ違い、追い抜かれていく。
「インパルスパワー、ハーフスピードへ」
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「行ってしまったか」
「艦長、司令より通達。18時よりミーティングとの事」
元々、快活だったアイツは本当に活き活きしてる様に見えた。俺にとってアイツは得難い親友で、超えるべきライバルだった。航海科でも群を抜いて成績が良かったアイツは、平民であるが故にヤッカミや中傷の対象に常になってた。
「楽しい生き方をしてる、か。あぁ言われてしまっちゃあなぁ」
スライダー号は、補修の痕が歴戦の風格って感じを漂わせ、それがまたアイツの傭兵としての格にも見えて。
「あの公子のせいで、軍は惜しむべき人材を失ったってのに」
軍の中でも、航海科出の筈なのに近衛騎団艦隊の事務方になったホールズは、今現在帝都から出る事は無い。その境遇を本人も満足してる様で。同期も「アイツを宇宙に出しちゃ大迷惑」と密かに言っていて。ホールズ公爵家も、跡取りを戦死する状況に無い現況をとやかく言わない事にしたみたいだ。
「とは言え、この説得失敗。さて、メイスン達は兎も角アリスが何て言うかなぁ」
原則的には、個人傭兵に対し軍は任意依頼しか要請出来ないんだが、結構強権発動って感じが多くて。ボビーが、ある意味あそこまで強気でいられるのは、彼が皇女のお気に入りであるからで。
知り合った経緯もあって、スライダー号は、偶にカレン皇女の個人的な依頼を受ける事もあるらしい。
そんな存在の傭兵に強権なんか使った日にゃ…。
確かに皇女は物分かりはいいんだけどね。敢えて皇家のご機嫌を損ねに行くバカなんて、軍にいる筈も無い。
「アリス…、お前さんのライバルは手強いと思うよ」
この頃はまだ、ボビーに相棒が現れるなんて知る由も無かったんだ。
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「そろそろワープポイントだ」
「インパルスパワー切替、ワープドライブ始動!行くぜ、ワープ2」
スライダー号は、シレジア星系を後にした。
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