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第一章
5.第2王子の逆襲!
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アギニス侯爵家の夜会で、アリスは第1王子ユーリルと出会う。彼もまた、前世のアリスの恋人、高島和貴の転生体だった。
ダンスを踊る2人の様子は、あまりにもお似合いであり、第1王子派の貴族にとって、またとない僥倖。直ぐに口コミで広げるべく画策し始めたのである。
また、ユーリル殿下とアリスを引き合わせる切っ掛けとなった舞台を整えたアギニス侯爵は、ユーリル殿下の覚えめでたく、第1王子派の中でも、ますます良い位置にある貴族との認識が、派閥内でも出来上がった。嫡男のドイル公子も、ユーリル殿下の親友であり後の側近と呼ばれるようになる。
今回の夜会は、第1王子派にとっては勿論、アギニス侯爵家にとって実りあるものとなった。
当然、第2王子派には面白くない話である。
何故、アリス嬢の夜会デビューがアギニス侯爵家なのか? つまらぬ言い掛かりを考える貴族もいたが、面と向かっては言えない。宰相に喧嘩を売るのは愚の骨頂というくらいの頭はある。
そもそも最初の夜会参加の返事は、フォルティス辺境伯家の夜会が先なのだ。中立派でガーランド公爵と仲の良いフォルティス辺境伯には、同世代の娘がおり、彼女の誕生日パーティーが先約だった。
後で決まったアギニス侯爵家の夜会が、日程上先だっただけである。
「やってくれたな、アリス」
「あら? 私のせいですか? お父様」
すまし顔の娘に、やや困った顔のバルト。宰相として中立派といっていたのだが…。
「まあ、いい。今年の太陽感謝祭は王都のものにしろ。王家主宰の祭に出てもらうぞ」
「わかりました、お父様。それはユリアン殿下とも踊れ、と仰有っているのですよね」
「いや、それは任せる。お前自身の判断で決めよ。ゆくゆくは将来にも関わる事だ」
「…、それはお父様も、私が王家に嫁げば、と思ってらっしゃると」
「いや! まだ嫁にはやらん!!」
今すぐ嫁ぐとは言ってない! 思いっきり突っ込みたいのを堪え、アリスは言葉を飲み込む。
「時にユーリル殿下は、どうであった?」
「素敵な方でした。憧れ、お慕い出来るお方と思います」
まさか前世の恋人とも言えず。とはいえ、やはり恋する乙女の雰囲気はにじみでてしまう。
「そうか」
何となく父は察したようである。
フォルティス辺境伯の夜会は、中立派である分いろんな派閥の者がおり、社交の場としてなかなか忙しい身になってしまった。
伯爵令嬢テレーゼ=フォルティスとは同世代であり、仲良くなることができた。来年からのジュニアスクールも同じ学び舎になりそうであり、アリスにとって、同じ立場の少女がいるのは、色々有難い話である。
また、第2王子派との繋ぎが出来たのも有り難かった。
「アリス様はユーリル殿下と踊られたとか? 如何思われました?」
「お会いしたばかりなので何とも…。殿下に望まれては、お手をとるしかありませんし」
「確かに。ではユリアン殿下にお会いしたことは?」
「いえ。今度の太陽感謝祭を楽しみにしているところですわ」
言外に、『ユリアン殿下とも踊りますわ』とのメッセージを発しているのだ。繋ぎとしてアリスと接触した第2王子派のオルドラム伯爵令嬢クラリスは、無事役目を果たせたと、ホッとしたのだった。
太陽感謝祭。
毎年国中が賑わうこの時期。前日より王都の別宅に入るアリス。公爵領本宅より、宰相として王都別宅にいる方が多い父は、娘の来訪を心待ちにしていた。
「まさか? その為に私を呼んだということはありませんよね? お父様」
「娘会いたさだけではないな。そろそろ王都を活動拠点にして貰わねばならんのでな」
そうは言っても図星なのが見え見えの父に、呆れつつも、一緒に過ごして孝行しようと誓うアリスだった。
「で、お前は中立でいくのか? それとも?」
「お許し戴けるのならば、ユーリル殿下の元へ行きたく存じます。色々聞こえてきますが、私にはユリアン殿下が王の器とは、とても」
父親としての確認。バルトは首肯くと、
「ならば、それも良かろう。だか、お前の言動は、下手すれば王位継承まで左右する。その重みをしっかり考える事だ。それと、今年は王都にクロイス王国のヘンリー王子も来られている。客人への対応もよろしくな」
「わかりました、お父様」
「では、難しい話はここまでだ。街へ繰り出すか? 珠には私とデートも良かろう?」
「勿論ですわ! フフ、まだ、私の理想の男性なのですよ? お父様」
「それは光栄だ。フム、まだ王子にもその役は譲れんな」
2人は笑い合い、街に繰り出したのだった。
感謝祭の夜。
庶民平民は王城前の広場で賑わい、王族貴族は城内で夜会を楽しんでいた。
宰相バルト=ガーランド公爵にエスコートされて、アリス=ガーランドが入場すると、全ての視線を釘付けにしたのである。
「おう、宰相が来るとは珍しい。やはり息女の自慢かな?」
「無論です、陛下。これが私の自慢の娘です」
「国王陛下にはご機嫌麗しく、アリス=ガーランドでございます」
「フム。成る程。これは宰相が自慢するのも頷ける。ユーリルからも聞かされていたが、確かに美しい! 今後ともよろしくな」
「有り難き御言葉」
陛下との謁見を済ませた後、アリスはユーリルの元へ向かう。
「アリス嬢、ようこそ」
「ユーリル殿下、先日は有り難うございました」
少し甘い雰囲気が見える2人に、口コミは真であったか、と周りからこそこそ声が聞こえてきた。
と思ったら、型通りの挨拶で終わり、アリスは王妃並びに第2王子ユリアンの元へ向かったのだ。
「セレナ王妃殿下、ユリアン殿下。初めてお目にかかります。アリス=ガーランドでございます」
「おぉ、そなたには会いたいと思うておりました。ウム、噂に違わぬ美しきご息女。さぞ、宰相閣下も自慢なのであろうな」
「初めまして、アリス嬢。私とも1曲お願いしたいが?」
「有り難き幸せ。慎んでお受け致します」
今度はユリアン殿下にエスコートされて、広間中央へ。そのまま1曲踊る2人。アリスは、確かに笑みを浮かべているのだが、ユリアンの表情はそうでもない。
「私の元へ来ないか? アリス嬢」
「初対面で口説かれるのですか? 私の何をご存知なのです? まだ、お役にたてるかどうかもわからないはずでは?」
「宰相のご息女というだけで充分だ。貴女は自分の価値を知らないのか?」
睨むように責めるように。とても口説かれてるとは思えない。アリスは心の中でタメ息をつく。
「まだ、とてもお返事できません」
曲が終わり、礼をして別れる。ユリアンの元へ令嬢が数人訪れ、アリスの処へユーリルともう1人。
「アリス嬢。こちらクロイス王国のヘンリー殿下」
「初めまして。アリス=ガーランドでございます」
「ヘンリー=クロイス3世です。よろしく、アリス嬢。よければ、次は私にダンスを申し込ませて欲しい」
「光栄ですわ、ヘンリー殿下」
再び流れる曲に合わせ、数組のカップルが踊り出す。
「素晴らしいな。笑顔は勿論、動きも素晴らしい」
「恐れ入ります。ヘンリー殿下も、リードが凄いです。こんなに巧く踊れたの、初めてかもしれません」
「それは光栄です。成る程、確かに青い瞳だ。私達王家の誰よりも美しい青だと思うよ」
「そのような事はないと思いますよ? でも、嬉しく思います。有り難うございます」
微笑むアリスに、
「ヤバいな! 国に連れて帰りたくなってしまった」
「はい? 嬉しい言葉ですが、少し強引ですよ?」
「全くだ。フム、まだ会う機会はあるかな?」
何て答えよう? アリスが考え込む内に、曲が終わってしまった。
「では、まずは手紙を送らせてもらおうかな?」
微笑みながら別れる2人。そこへユーリルの指示で、ウェイターが飲み物を持ってきた。
「有り難うございます、ユーリル殿下」
「貴女の参加で、素晴らしい夜会になった。感謝するよ、アリス嬢」
「あら? 殿下は誘ってくださらないのですか?」
「まさか? アイツに見せつけないとな」
また曲が始まり、踊り出す2人。
息の合い方は勿論、溢れ出る甘い雰囲気。前の2人とは明らかに違うアリスの表情は、広まった噂の正しさを如実に表していた。
「渡さない! アイツには、ユーリルにはアリスも、王位も絶対渡さない! おい! 奴等は呼んでいるな! ヤレ!!」
「やはり分が悪いな。今はユーリル殿下が1歩リード。だが、まだ決定的な差はないハズだ」
そんな華やかな夜会の裏で、何かを企む者達。
少し所用を済ませて、と広間を出たアリスに、数人の男達が現れた。
「何かご用ですか?」
「来て欲しい処があるのです。アリス嬢」
ダンスを踊る2人の様子は、あまりにもお似合いであり、第1王子派の貴族にとって、またとない僥倖。直ぐに口コミで広げるべく画策し始めたのである。
また、ユーリル殿下とアリスを引き合わせる切っ掛けとなった舞台を整えたアギニス侯爵は、ユーリル殿下の覚えめでたく、第1王子派の中でも、ますます良い位置にある貴族との認識が、派閥内でも出来上がった。嫡男のドイル公子も、ユーリル殿下の親友であり後の側近と呼ばれるようになる。
今回の夜会は、第1王子派にとっては勿論、アギニス侯爵家にとって実りあるものとなった。
当然、第2王子派には面白くない話である。
何故、アリス嬢の夜会デビューがアギニス侯爵家なのか? つまらぬ言い掛かりを考える貴族もいたが、面と向かっては言えない。宰相に喧嘩を売るのは愚の骨頂というくらいの頭はある。
そもそも最初の夜会参加の返事は、フォルティス辺境伯家の夜会が先なのだ。中立派でガーランド公爵と仲の良いフォルティス辺境伯には、同世代の娘がおり、彼女の誕生日パーティーが先約だった。
後で決まったアギニス侯爵家の夜会が、日程上先だっただけである。
「やってくれたな、アリス」
「あら? 私のせいですか? お父様」
すまし顔の娘に、やや困った顔のバルト。宰相として中立派といっていたのだが…。
「まあ、いい。今年の太陽感謝祭は王都のものにしろ。王家主宰の祭に出てもらうぞ」
「わかりました、お父様。それはユリアン殿下とも踊れ、と仰有っているのですよね」
「いや、それは任せる。お前自身の判断で決めよ。ゆくゆくは将来にも関わる事だ」
「…、それはお父様も、私が王家に嫁げば、と思ってらっしゃると」
「いや! まだ嫁にはやらん!!」
今すぐ嫁ぐとは言ってない! 思いっきり突っ込みたいのを堪え、アリスは言葉を飲み込む。
「時にユーリル殿下は、どうであった?」
「素敵な方でした。憧れ、お慕い出来るお方と思います」
まさか前世の恋人とも言えず。とはいえ、やはり恋する乙女の雰囲気はにじみでてしまう。
「そうか」
何となく父は察したようである。
フォルティス辺境伯の夜会は、中立派である分いろんな派閥の者がおり、社交の場としてなかなか忙しい身になってしまった。
伯爵令嬢テレーゼ=フォルティスとは同世代であり、仲良くなることができた。来年からのジュニアスクールも同じ学び舎になりそうであり、アリスにとって、同じ立場の少女がいるのは、色々有難い話である。
また、第2王子派との繋ぎが出来たのも有り難かった。
「アリス様はユーリル殿下と踊られたとか? 如何思われました?」
「お会いしたばかりなので何とも…。殿下に望まれては、お手をとるしかありませんし」
「確かに。ではユリアン殿下にお会いしたことは?」
「いえ。今度の太陽感謝祭を楽しみにしているところですわ」
言外に、『ユリアン殿下とも踊りますわ』とのメッセージを発しているのだ。繋ぎとしてアリスと接触した第2王子派のオルドラム伯爵令嬢クラリスは、無事役目を果たせたと、ホッとしたのだった。
太陽感謝祭。
毎年国中が賑わうこの時期。前日より王都の別宅に入るアリス。公爵領本宅より、宰相として王都別宅にいる方が多い父は、娘の来訪を心待ちにしていた。
「まさか? その為に私を呼んだということはありませんよね? お父様」
「娘会いたさだけではないな。そろそろ王都を活動拠点にして貰わねばならんのでな」
そうは言っても図星なのが見え見えの父に、呆れつつも、一緒に過ごして孝行しようと誓うアリスだった。
「で、お前は中立でいくのか? それとも?」
「お許し戴けるのならば、ユーリル殿下の元へ行きたく存じます。色々聞こえてきますが、私にはユリアン殿下が王の器とは、とても」
父親としての確認。バルトは首肯くと、
「ならば、それも良かろう。だか、お前の言動は、下手すれば王位継承まで左右する。その重みをしっかり考える事だ。それと、今年は王都にクロイス王国のヘンリー王子も来られている。客人への対応もよろしくな」
「わかりました、お父様」
「では、難しい話はここまでだ。街へ繰り出すか? 珠には私とデートも良かろう?」
「勿論ですわ! フフ、まだ、私の理想の男性なのですよ? お父様」
「それは光栄だ。フム、まだ王子にもその役は譲れんな」
2人は笑い合い、街に繰り出したのだった。
感謝祭の夜。
庶民平民は王城前の広場で賑わい、王族貴族は城内で夜会を楽しんでいた。
宰相バルト=ガーランド公爵にエスコートされて、アリス=ガーランドが入場すると、全ての視線を釘付けにしたのである。
「おう、宰相が来るとは珍しい。やはり息女の自慢かな?」
「無論です、陛下。これが私の自慢の娘です」
「国王陛下にはご機嫌麗しく、アリス=ガーランドでございます」
「フム。成る程。これは宰相が自慢するのも頷ける。ユーリルからも聞かされていたが、確かに美しい! 今後ともよろしくな」
「有り難き御言葉」
陛下との謁見を済ませた後、アリスはユーリルの元へ向かう。
「アリス嬢、ようこそ」
「ユーリル殿下、先日は有り難うございました」
少し甘い雰囲気が見える2人に、口コミは真であったか、と周りからこそこそ声が聞こえてきた。
と思ったら、型通りの挨拶で終わり、アリスは王妃並びに第2王子ユリアンの元へ向かったのだ。
「セレナ王妃殿下、ユリアン殿下。初めてお目にかかります。アリス=ガーランドでございます」
「おぉ、そなたには会いたいと思うておりました。ウム、噂に違わぬ美しきご息女。さぞ、宰相閣下も自慢なのであろうな」
「初めまして、アリス嬢。私とも1曲お願いしたいが?」
「有り難き幸せ。慎んでお受け致します」
今度はユリアン殿下にエスコートされて、広間中央へ。そのまま1曲踊る2人。アリスは、確かに笑みを浮かべているのだが、ユリアンの表情はそうでもない。
「私の元へ来ないか? アリス嬢」
「初対面で口説かれるのですか? 私の何をご存知なのです? まだ、お役にたてるかどうかもわからないはずでは?」
「宰相のご息女というだけで充分だ。貴女は自分の価値を知らないのか?」
睨むように責めるように。とても口説かれてるとは思えない。アリスは心の中でタメ息をつく。
「まだ、とてもお返事できません」
曲が終わり、礼をして別れる。ユリアンの元へ令嬢が数人訪れ、アリスの処へユーリルともう1人。
「アリス嬢。こちらクロイス王国のヘンリー殿下」
「初めまして。アリス=ガーランドでございます」
「ヘンリー=クロイス3世です。よろしく、アリス嬢。よければ、次は私にダンスを申し込ませて欲しい」
「光栄ですわ、ヘンリー殿下」
再び流れる曲に合わせ、数組のカップルが踊り出す。
「素晴らしいな。笑顔は勿論、動きも素晴らしい」
「恐れ入ります。ヘンリー殿下も、リードが凄いです。こんなに巧く踊れたの、初めてかもしれません」
「それは光栄です。成る程、確かに青い瞳だ。私達王家の誰よりも美しい青だと思うよ」
「そのような事はないと思いますよ? でも、嬉しく思います。有り難うございます」
微笑むアリスに、
「ヤバいな! 国に連れて帰りたくなってしまった」
「はい? 嬉しい言葉ですが、少し強引ですよ?」
「全くだ。フム、まだ会う機会はあるかな?」
何て答えよう? アリスが考え込む内に、曲が終わってしまった。
「では、まずは手紙を送らせてもらおうかな?」
微笑みながら別れる2人。そこへユーリルの指示で、ウェイターが飲み物を持ってきた。
「有り難うございます、ユーリル殿下」
「貴女の参加で、素晴らしい夜会になった。感謝するよ、アリス嬢」
「あら? 殿下は誘ってくださらないのですか?」
「まさか? アイツに見せつけないとな」
また曲が始まり、踊り出す2人。
息の合い方は勿論、溢れ出る甘い雰囲気。前の2人とは明らかに違うアリスの表情は、広まった噂の正しさを如実に表していた。
「渡さない! アイツには、ユーリルにはアリスも、王位も絶対渡さない! おい! 奴等は呼んでいるな! ヤレ!!」
「やはり分が悪いな。今はユーリル殿下が1歩リード。だが、まだ決定的な差はないハズだ」
そんな華やかな夜会の裏で、何かを企む者達。
少し所用を済ませて、と広間を出たアリスに、数人の男達が現れた。
「何かご用ですか?」
「来て欲しい処があるのです。アリス嬢」
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