after the rain

ノデミチ

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11. 母親達の場外戦?

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 最近、文香が週末になると外泊する。

 また?
 そんな風に思ってしまったのは、主人文香の父を病気で失った時を思い出してしまったから。

 あの時、 パパ大好きファザコンっ娘だった文香は、主人の死を受け入れる事が出来ず、家を飛び出してしまった。
 友達の所を転々としていたと聞いていたが、気付けば街で出会った男性や、夜半集団暴走を繰り返していたバイクグループの少年といる事がわかった。

 幸運にも、そのバイクグループの伝説的総長と呼ばれた少年が、私がいる職場に転職してきた。
 彼と、その後輩分の中学生~何と文香と同じ歳・同じ中学の子が探し出し、連れ戻してくれたのだ。

「金井にはまだお母さん、いるじゃん」

 その子が、1年前に事故で両親を失ってると聞いたのは、それから。兎波社長夫人奥様に聞かされた時、娘と同じ歳の子が、とやりきれない想いをもったのを覚えてる。
 だから、その子の事も気に掛ける様になった。

 その子~亀沢孝矢クン。

 社長夫妻が後見となって、この春から県立開南高校へ。娘と同じ高校なのが、少しホッとして。しかも同じクラスになったと。

「あんな子が文香の彼氏なら、良かったのに」

 思っただけじゃない。
 実際、文香にも言ったことがある。

 為人、仕事振り。
 その真面目さと丁寧さ。人当たりの良さ。
 決して、多くを語る訳じゃなくて。でも、真摯さが伝わってくる。
 明るく、元気のいい挨拶は、こっちもだが依頼人クライアントやお届け先にも好評。中には、彼を指名してくる依頼人クライアントもいるんだとか。
 この7月、自転車部から二輪部へ移り、酒屋からの配送依頼も増えて、その殆どが固定客になったって、奥様も喜んでいた。

 社長夫妻にも同じ歳、同じ高校の娘がいる。
 バスケ部に入ったって。ウチの娘と同じクラスで、友達にもなったと聞いた。

「孝矢クン、ウチのまどかはどぉ?婿入りしてもいいのよー」
 冗談の域は超えてないけど、案外本気にも聞こえそうな奥様のお誘い。
「まだ、娘はやらん」
 真に受ける社長を笑ったり。

「何言ってんのよ!ママ‼︎ パパも、高校生なんだから嫁にいくわけないでしょう⁉︎」
 真っ赤に頰染めるまどかちゃんは、とは言えそれ程意識してる様でもなさそう。

 我が娘文香は?
 そう思っていた矢先。

 久々の長距離シフト。途中高速のSAで1泊しなくてはならない配送。行先は曇天でよかったけど、家の辺りはJR列車が止まる程の土砂降りだったらしい。
 その為、帰宅が遅れ、コンビニで雨宿りし、帰るに帰れない状況の文香は、偶々近くに住んでる亀沢君ちに泊まる事になったんだとか。

 帰宅後、文香から報告があり。今の母娘私達は、それくらい日々の会話を持てる様になってる。

「ご迷惑かけたんじゃないでしょうね?」
「朝食作ったり、アタシも色々尽くしてきたわよ。で、そのままユキヤと付き合う事になったから」

 
 随分とすすんだみたい。本当に、あの亀沢君が娘の彼氏になったの?

 仕事先に会った亀沢君に聞いてみた。

「ええ、まぁ。俺には勿体無い気もしますけど」

 いやいや。それはウチのセリフよ。
 文香よ、上玉Get! よくやったわ。

 そんな縁もあり、あの娘も私の仕事場兎波運送に偶に顔を出す事もあって。

「本当に文香ちゃんの彼氏が亀沢君なの?ねえ、まどかぁ!文香ちゃんに負けたの?」
「そんな勝負、してないから!」

 社長令嬢まどかちゃんの怒声。
 贔屓目にみて、我が娘文香がまどかちゃんに勝てるトコって何があるかしら?

「やっぱ、胸かしら。うん、まどかには勝ち目無しだわ」
「何か言ったぁ⁉︎」
 更なる怒声!

 うーん。
 その辺、亀沢君も男なのかしらね。
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