after the rain

ノデミチ

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6. 週末は通い妻

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 駅まで送ってもらって。
 バイクの後ろ。
 中学ン時、族仲間といたのは伊達じゃ無い。何度も乗った事あるし、実際運転もした事ある。

 まぁ、原付レベルなんだけど。

 中学生という年齢がネックで、アタシに手を出そうという男はあまりいなくて。
 尤も皆無って訳じゃなくて、実際輪姦まわされそうになりかけたし。未遂で終わったから黒歴史笑い話になってるんだけどね。

 元軍団総長の春口さんハル兄ィが護ってくれたからだし、そのハル兄ィも、偶々兎波運送ラビッツ・カーゴ入社1年目で、ママと面識があった偶然がなければ、アタシの事に関わろうなんてなかっただろうし。

 ママに喰らったビンタ愛情で、アタシはまたウチに帰ろうと思った…、ホント、黒歴史。

 一駅だけの電車。
 家に帰り着き、通学鞄置いて私服に着替えて。
 駅近くのショッピングモールでユキヤと待ち合わせ。

 どうせ、ママは明日にならないと帰ってこない。ならば、ユキヤんトコにもう一泊しても問題ないよね。そう思ったアタシは、夕食の準備よろしくお買い物。

 まだ、言ってない。
 中学ガキのアタシが、ママのもとへ戻ったのは、ビンタママの愛が理由なのは確かだけど、あの時のカメユキヤの言葉もあるんだ。

 春口さんハル兄ィが、「心当たりある」ってアタシの事を探した時、ユキヤもハル兄ィと一緒にいたよね。

「急に親父さんを失った気持ち、すげーよく分かるけどさ。金井にはまだお母さん、いるじゃん」

 ジンジンと痛む頬。
 でも、ママの想いもしっかりと伝わってきて。

 だからこそ、まだアタシにはママがいるんだって、ハッキリとわかったんだ。
 そして、目の前の、同い年の少年ユキヤは、そのママさえ失ってしまってるんだって。

 アタシを涙目で睨むあの時のカメの表情は、まだ目に焼き付いている。

 線状降水帯発生土砂降りの夕暮れ。
 ユキヤと会えた事に運命感じたのは、ちょい陳腐かもしんない。あれから1年は経ってる訳だし。

 でも、心の奥底にあった小さな想い。
 決して消える事のない想いがあったのも確か。

 夕飯…、定番とも言えるカレーの材料を買いながら、今夜の事を考えてしまう。

 また、あんなに可愛がってくれるかな?

 赤面してしまった。
 ヤバ、恥ずかしいよ。

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
「荷物はコイツに積むとして…」

 ショッピングモールに着いた俺は、出口で金井カナブンを待つ。が、2人乗りは流石にゴメンだ。いい加減、ヤバい。

「あ、コッチだよー」
 カートに色々入ったレジ袋を載せた彼女カナブンが元気笑顔で呼びかけて来た。

「あれ?待ってた?」
「今、来たとこ」
 クスクス。吹き出してしまう金井カナブン
「コレ、お願いね。アタシは自転車チャリで後からユキヤんち、来るから」

 考えてくれてたんだ。
 一応、2人乗りは回避出来た。

「大丈夫?」
「そっちこそ。さっきググってびっくり。先月免許とったって言ってたじゃん」
「ググった?」
「免許、興味でたんだ。バイク?原付?色々見てみたらさ」

 そういう事か。

「ダメじゃん。そういうの、ちゃんとして。アタシ、そういう聞き分けはあるよ?」
「そんなつもりじゃなかったけど、うん、言い訳出来ねぇな、ゴメン」

 レジ袋受け取って、スクーターの座席下トランクに入れる。今のスクーターは、ココにかなりの収納スペースが出来てるし、俺のスクーターPCXは後部荷台にも小型トランクを設置してる。

「じゃ、先言ってて」
「あぁ。それじゃ」

 この日以降、毎週末金井カナブンはウチに来て、掃除洗濯料理家事全部をしてくれて。

「もう、アタシ、通い妻だよねー」

 ヤベェ。なんか、もう、金井カナブンが必需品になってねえか?

「大事にしてねー」
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