after the rain

ノデミチ

文字の大きさ
9 / 35

8. 事実は奇なり

しおりを挟む
 柳谷が言うには。

「まぁ、ノリと言うかさ。ウチのクラスの女子って何気にレベル高いって話になってさ」

 他クラスから、「1-2は美人クラス」って評判らしく、殆ど他人と交流の無い俺でも聴こえてきてる。羨ましがられてるんだとか。

 学年1処か学校1の美人って噂もある学級委員長たる優等生の前原祐美。顔立ちは勿論スタイルも完璧。
 女子バスケ部の長身ポニーテール、兎波まどか。ややスレンダーでスラっと長い手足とか、モデルみたいと言われていて。
 150cm未満のロリっ娘、原囿潤子。一見すると小学生に見えない事もないが、守ってやりたいと思わせるのはお約束。
 金髪ギャルで巨乳デカケツ、帰国子女のハーフ、絵里エリー・グレース 神崎。
 彼女と共にクラスでも1,2を争う巨乳、栗色髪・碧眼ギャルの金井文香カナブン
 知的メガネ美人、黒髪ロングヘアーが魅力的で入試及び中間テスト学年上位の望月深月。胸が残念とは言われてるが、知的メガネらしからぬ柔らかな微笑みを浮かべる癒し系。

 そして、竹刀を持つ彼女もまた、氷の剣姫と呼ばれる美少女。宮本ムサシ…もといムツミ。

 1年は8クラスも有るのに(いや、まぁ、確かに全学部入れてだけどね)、2組にこれ程固まるってのはね。女子の比率が少ない7,8組からは恨み節も聞こえて来る。

「ムサシだって美少女ってのは誰も異論は無いんだ。でも、あんなに氷結感情無クール系じゃあな、って話になってさ。そしたら陽介ゴンが『いや、可愛いトコ有るんだ』って言い出して」

 それはまた、なんと言うか。

「アイツが言い出すのって珍しいし、話題が話題だ。周りから突っ込まれてね。それて陽介ゴンが言ったのが」

「ムサシは僕の元カノだから。少しはアイツの事知ってるよ」
 だったらしい。

「で、大騒ぎ。尤も、誰も信じちゃいなかったんだが、それを今朝、宮本に森田が話してさ」

 森田似那。
 モブと言えないくらいの可愛げな顔なんだけど、『NOデリカシー!』とか『歩くKYスピーカー』とか呼ばれる事で察してくれ。

「で、現在に至る、と」

 なる程。
 剣姫は、陽介ゴンに「元カノ」と言われた事にご立腹な訳だ。そう言えば、彼女が立っているのは陽介ゴンの席の辺りだな。

 これは、陽介ゴンが来たら…。

 言ってるそばから、やって来た三嶋陽介。
「おはよ…、あれ?」
 流石のコミュ不足隠キャぼっちでも、この雰囲気は察するだろ。

「あ、み、宮本?」
「聞きたい事があるんだ、三嶋。私は三嶋の『元カノ』らしいのだが?」
「あ、いや、その」

 顔色、真っ青を通り越すと土気色って言うけどマジかよ。あんな酷い顔色見た事ないし、汗も、あんなブワァーって直ぐに噴き出すモンなんだ。

「いつからだ?」
「えーと?」
「いつから、私は三嶋の『元カノ』になったんだ?」

 全てを凍り付かさん。そんな雰囲気。流石は氷の剣姫。
 竹刀を向けた、その圧と言ったら。

「ほら、その」

 斬られる?誰もがそう思って。

「そもそも、いつ別れた?少なくとも私は振られた覚えはないぞ」

「え?」
 クラス全員がハモった。

「貴様なんぞと付き合った事等無い!」
 そう言って斬られる絵しか浮かばなかったから。

「ほ、ほら、その、僕なんかよりは…」
「それを決めるのは私の筈だが?」

 うん、確かに正論。
 でも失礼。感情的に全く納得出来ないのだけど。

「あ、僕、職員室に用事だった。これ、頼む」

 通学鞄を机の上に置くと、脱兎の如く教室を出ようとする陽介ゴン

「まて!陽介‼︎」
「ムツミ、頼む」

 名を呼び合って?

 剣姫も、名前呼び捨てに戸惑った?その間に陽介ゴンは教室を出て行った。

 クラス内に戸惑いの雰囲気。

「うん、学級委員長として確認しましょう」
 前原が、悪戯っぽい笑みを浮かべて宮本の所に来る。
「ムッちゃん、三嶋君に『元カノ』って言われて怒ってる。この認識で正しい?」

 ムサシと呼ぶのは、ほぼ男子だ。
 女子の仲間内では「ムッちゃん」呼びらしい。

「そうだが」
 宮本は陽介ゴンの鞄を開けると、中身の教科書やノートを机にしまい始めた。

「で、私達は『』の"カノ"に怒りを持ってると思ってたんだけど、どうやら"元"の方が逆鱗に触れた、って事でいいのかしら?」

「私は別れたつもりも振られた覚えもない」

「つまり、ムッちゃんは『今カノ』な訳だ」
 口を出したのは金井カナブン
「そりゃ、怒りたくもなるわ」

 知らぬ間に、過去の女にされてた訳だ。

 って、マジで陽介ゴン宮本ムサシ、付き合ってるの?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

処理中です...