2人のあなたに愛されて ~歪んだ溺愛と密かな溺愛~

けいこ

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大事な話し合い

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それでも、心臓は小さく音を立てる。
まだ、自分の気持ちは全然整理がつかないし、話し合いの中でどんな感情が溢れ出すのかもわからない。
本当に冷静でいられるの?


私達は、付き合って間もないカップルではない。結婚式を目前に控えたもうすぐ夫婦になるはずだった2人なんだ。
だからこそちゃんと考えて答えをださないとダメだと思う。


だけど、やっぱり無理なんだ。
今はきっと、感情に任せるしか……
考えても考えても、答えなんて出せるわけないから。


大好きだった柊君との別れ……それがどれだけ辛いか、想像しただけでこんなにも胸が苦しい。


冷たい心のままフロアに戻ったら、柊君はまだ社長室にいた。
私が樹さんと話したことは、知らないみたいだ。


ガラスの向こうの柊君は、いつもと何も変わらない。
パソコンに向かってる姿は、やっぱりかっこよすぎて……


本当に、どうしてこんなことになったんだろう。
どうしようもないくらい、私は柊君が大好きなのに。


時間は無情にも過ぎ、とうとう終業時間がやってきた。


みんな、次々と帰ってゆく。
残業組が全員帰るのを待ってから、私は社長室に呼ばれた。


樹さんは、少し離れて黙って椅子に座ってる。
樹さんが残ることは、きっと柊君は自然に受け入れてるんだろう。


ゆっくりと、柊君が私に近づいてきた。
空気がピンと張り詰める。


私の前に柊君が立って、そして、話し始めた。


「柚葉。昨日は驚かせてごめんね。でも、僕の気持ちは変わらない。僕は柚葉が好きだ。愛してる。だから、結婚してほしい」


柊君は、真剣だった。
――と、思う。


愛してるから結婚してほしい。
その言葉は、柊君がプロポーズの時に言ってくれた言葉だ。付き合って1年半後の私の誕生日に、柊君がプレゼントしてくれた大切な言葉。
あの時、私は、本当に体が震えるくらい嬉しかった。
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