32 / 56
脅迫状の犯人の告白
4
しおりを挟む
『君はこの脅迫状の存在を1度も言わない。おかしいよね。今初めて見て、これが何か知らないからだ。ついでに聞こう。この花、何か知ってる?』
凛音が、少し厳しめに言った。
『…こ、これ…』
『初見では全く何も言えないよね。これはエーデルワイスという花だよ。そして、この花の花言葉も…もちろん君が知るわけないよね』
黙ったままその場に立ちすくみ、動けない小川君が少し可哀想に思えた。
きっと…
中島さんをかばってる。
この人は…
「彼女を想ってる」んだろう。
『僕が取材の中で佐々木先生のことを聞いた時、小川君は全く動じなかった。本当は…先生のこと、良い先生だとは思ってなかったのに。素晴らしい演技力だよ。先生のことは誰にも言わず…自分が中島さんのことを守ろうと思ってたんだね』
その言葉に、小川君はうなだれた。
張り詰めていた物が一気に崩れてしまったんだろう。
見ていてつらくなる。
まだ高校2年の若い彼が、こんなにも憔悴してる姿をみるのは…悲しかった。
『…ごめんね、小川君。私、部長のクセに何も気付かなくて…本当に部長失格だよ。真由にも…申し訳ない…よ』
赤田さんは泣いた。
『部長は悪くない。何も悪くないから。気にしないで。悪いのは…佐々木先生だ』
小川君の強い思いが伝わる。
先生への「嫌悪感」で溢れたその心…
ずっと1人でいろいろ抱えてつらかったよね…
『…佐々木先生を突き落としたのは君じゃないよね?もう「嘘」はやめよう。これ以上の嘘は、同じように頑張ってきた赤田さんに対しても良くない。励まし合ってきた「仲間」の前では正直でいて欲しい』
凛音…
『…でも…』
『中島さんに全てを聞こう。それが1番いい。彼女の苦しみも解放してあげるべきだ。赤田さん、申し訳ないけど、携帯で彼女を呼び出してもらえないかな?』
凛音が、少し厳しめに言った。
『…こ、これ…』
『初見では全く何も言えないよね。これはエーデルワイスという花だよ。そして、この花の花言葉も…もちろん君が知るわけないよね』
黙ったままその場に立ちすくみ、動けない小川君が少し可哀想に思えた。
きっと…
中島さんをかばってる。
この人は…
「彼女を想ってる」んだろう。
『僕が取材の中で佐々木先生のことを聞いた時、小川君は全く動じなかった。本当は…先生のこと、良い先生だとは思ってなかったのに。素晴らしい演技力だよ。先生のことは誰にも言わず…自分が中島さんのことを守ろうと思ってたんだね』
その言葉に、小川君はうなだれた。
張り詰めていた物が一気に崩れてしまったんだろう。
見ていてつらくなる。
まだ高校2年の若い彼が、こんなにも憔悴してる姿をみるのは…悲しかった。
『…ごめんね、小川君。私、部長のクセに何も気付かなくて…本当に部長失格だよ。真由にも…申し訳ない…よ』
赤田さんは泣いた。
『部長は悪くない。何も悪くないから。気にしないで。悪いのは…佐々木先生だ』
小川君の強い思いが伝わる。
先生への「嫌悪感」で溢れたその心…
ずっと1人でいろいろ抱えてつらかったよね…
『…佐々木先生を突き落としたのは君じゃないよね?もう「嘘」はやめよう。これ以上の嘘は、同じように頑張ってきた赤田さんに対しても良くない。励まし合ってきた「仲間」の前では正直でいて欲しい』
凛音…
『…でも…』
『中島さんに全てを聞こう。それが1番いい。彼女の苦しみも解放してあげるべきだ。赤田さん、申し訳ないけど、携帯で彼女を呼び出してもらえないかな?』
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる